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海賊に遭難

2019年04月22日 17:59

810 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/22(月) 14:05:14.07 ID:10EQUDe/
(ルイス・ダルメイダは)パードレ・コスモ・デ・トルレスの滞在する大村へ向かうこととし、
枝の祝日(1570年3月19日(元亀元年二月十三日))の前夜、秋月を出発した。

途中2日間を費やして聖週の月曜に、高瀬において乗船し、木曜日には大村に到着して告白をなし
聖体を受けようと計画していたのだが、我らの主であるキリストには別のお考えがあり、私達が高瀬を
出港した後、甚だ強い風が船首に向かって吹き付けたため、高瀬より3レグワの小弯に入り、
風が静まるのを待って、7レグワ隔たった有馬の王(有馬義貞)の領内の、他の地へ渡ろうと考えていた。

火曜日の夜、強風は静まり我々の進路に向かって順風が吹いたため、甚だ喜んで出帆し、これであれば
聖週の木曜日には大村に到着すると思われた。風も甚だ良く、夜半には有馬の海岸へ着き、岸に沿って
進んでいたその時、海賊の船十艘が我々を襲い、我が船は小さかったため、そのうち二艘のみが我々に迫った。

船には何の防御も無かったため、彼ら海賊が我々が携えてきたもの、すなわち冬の衣服を悉く奪うのを
妨げることは出来なかった。この時陸地はなお雪を以て覆われ、寒気は厳冬の如きであり、私の病は
全く寒気によって発したため、この時十分に衣服を着していたのだが、このため彼らは私を襲い、
一人目は第一の衣を奪い、二人目は第二の衣を、三人目は襦袢を奪い、四人目は私に下着を残すことを
欲さなかった。

私が肉体を露わにした後は誰も私に近づかず、彼らが、我ら一同を裸体にした後は、その他の衣服は
少しもなかった為に、船の道具、すなわち櫂碇、網碇、その他網具、および筵に至るまで悉く奪い、
少しの水も残さなかった。我々の一人が、我らに慈悲を垂れ櫂二本にても残すよう請うたが、
彼らは激しくこれを打ち、「そのような事を言うなら悉く首を斬るぞ」と暴言を発し、船には一物も
残すこと無く去っていった。

我らは陸より、少なくとも1レグワ4分の1の所に捨てられ、どうすることも出来なかった。我々は皆
寒気のため死に瀕し、陸に着くための櫂も無かった。さらに、我らが主は更に多くの功徳を与えるため、
聖週において自ら苦しまれたのと同じように我らを苦しませようとし給い、西風が陸地より吹付け、
我らは全く陸に着く望みを失った。風は非常に強く吹き、浪の高くなるに従い我々は益々陸地より
遠ざかった。

我らは皆寒気のため死にそうであった。主デウスが翌朝太陽を与えられることを期待したが、夜が明け始めると
悉く雲に覆われる日となり、また非常な暴風となり、さらにこの辺りは潮の流れが急であるため甚だ
波も高く、我らの船は波のため益々遠くへ流され、又しばしば転覆しそうに成った。

完全に夜が明けると、船底に海賊も取ることを欲しなかった破れ筵三枚を発見し、くじを引いてこれを
分け、私と一人の水夫が一枚を得、これをもってわずかに肩のみを覆い、他は完全に露出していた。
日本のイルマン一人は他の三人とともに一枚を取って、これを以て頭を覆った。寒気に耐える事を得た
水夫たちは辛抱して、最後の一枚を帆となし、その夜離れ去った約5レグワの陸地に至ろうとした。

有馬の地から2レグワの山湾の中央に至ると忽ち暴風が起き、海は喜望峰におけるが如くに荒れ、波浪が
船を撃つごとに「最期来たり、我らの命は終わるべし」と思われた。

午後に至り、我等の主キリストは寒気のため半死の状態に陥り、体はずぶ濡れの我々を導き二つの島の隙間を
通過せしめた。もしこの二島のうちどちらかに船が着いていれば、我々は悉く死んだであろう。

我々はこの隙間を通り砂地に乗り上げたが、既に多数の漁師が我らを待ち受けており、その家に誘い、
彼らのうち最も裕福な一人は私、並びに同伴者数名を歓待し、その貧しき衣服を諸人へ与え、盛んに
火を炊きまた速やかに米を煮て我らに与えたため、大いに慰めを受けた。しかしながら皆寒気に打たれ、
ほとんど半死の状態であった。

(1570年10月15日(元亀元年九月十六日)付、イルマン・ルイス・ダルメイダ書簡)

宣教師が船での移動中海賊に遭難して文字通り身ぐるみはらされたお話。なんとか生き残ったので運のいい話



816 名前:人間七七四年[] 投稿日:2019/04/23(火) 13:42:05.34 ID:AxCKhtpu
一人目は第一の衣を奪い、二人目は第二の衣を、三人目は襦袢を奪い、四人目は私に下着を残すことを
欲さなかった。

私が肉体を露わにした後は誰も私に近づかず、


アポクリン汗腺!!!

817 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/23(火) 14:24:03.16 ID:xzggI1Wy
身ぐるみ剥がれる時すら聖書風なのがさすが
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故に、もし彼を殺したいのであれば

2019年04月02日 18:09

824 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/02(火) 14:55:31.65 ID:IjxqhFJQ
イルマン・ダミヤンが私に語った所によると、彼が都に在った時。名をアルバロ Alvaroと言う一人の
キリシタンが、その主君の城より異教徒の兵百人を伴って都に赴いたが、途中アルバロの主君の敵である
一国の領主の家臣である兵に出会い、彼に気が付きこれを殺そうと決心し、また見つかった兵も死を覚悟した。
この時、この兵は一人であったのだが、剣を抜いた時、その首にかけたロザリオが現れた。また十字架と聖像は
背に懸けていた。

アルバロはこれにより、彼がキリシタンであることを知ると、切っ先を下げ尋ねた

「貴殿はキリシタンであるか、また名はなんと言うか。」

「然り。名はシモン Simaoである。」

これを聞いてアルバロは彼を抱きしめ、赦した。
アルバロの異教徒の兵たちは「彼は敵であるのに、どうして命を与えたのか」と問うた所

「彼は私と同じくキリシタンだ。ゼズス・キリストの教えは、いかなるキリシタンも他のキリシタンを
殺すことを禁じている。故に、もし彼を殺したいのであれば、先に私を殺すべし。」
と答えた。

かくの如くしてアルバロはデウスの愛のためシモンを死より救い、彼を十五レグワ先の都に伴い、
多くの他の不孝から安全たらしめた。何故ならばこの地方はシモンの主君の敵である領主に属し、
またシモンはこの地方で良く知られていたからである。

(一五六八年十月二十日(永禄十一年九月二十九日)付、イルマン・ルイス・ダルメイダ書簡)

そら主君側からしたら禁教もしたくなりますな


肥前五島の国に在った時見た怪物について

2019年03月31日 21:25

760 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/03/31(日) 09:21:36.46 ID:S5t0XkMU
デウスをその技に付き称賛する材料を与えんがために、私がこの冬に、肥前五島の国に在った時見た
怪物について述べたい。

この五島には約6レグワの荒野があり、ここに多くの猟獣が在る。中に犬に似ているが手足短い
一種の動物(山椒魚?)が在る。その皮は光沢が有って絹のように柔らかであり、日本人はこれを最も
珍味とする。その皮は甚だ高価であり、饗宴を催す時は、これを盛んにするため、この皮を以て
煮炊きするのを例とする。

この動物は甚だ老いたる後、海に入り、徐々に大きさは鰹 Atunsほどの魚に変ずる。これを捕らえると、
元陸地の動物であったことが解る。私は陸上の動物が腐敗すること無く、他の動物に変ずることがあると
いうのは虚妄だと思っていたのだが、半ば魚に変じた、未だ動物であるものを捕えたと聞いて、これを
見たいと望んだところ、一匹の半魚半動物が国王の元に持ち来たり、王はこれを私の元に送った。

私がこれを見たところ、陸上の動物であることを否定出来ず、また完全に魚に変じようとしつつあることも
否定出来ず、大いに驚いた。このようなことは自然外の事であるので、その手足を切り、骨を抜き、乾燥して
ヨーロッパへ送り、今日までかつて書物に見たことも無いものであることを示す。

その手は既に鰭に変化しているが、先端には猶爪と毛がある。足は先端が半ば鰭と成っているが、なお指には
関節及び爪を備え、下の方は鰭となりつつあり、しかもその全体を見る時のイメージとは大いに異なっていた。

(一五六六年十月二十日(永禄九年九月八日)付、イルマン・ルイス・ダルメイダ書簡)

宣教師が五島で変な生き物を見たというお話。



761 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/03/31(日) 22:33:54.70 ID:+bVGBju1
          \       ヽ           |        /        /
          \      ヽ               /      /
‐、、   殺 伐 と し た 肥 前 五 島 に 山 椒 魚 が ! !   _,,-''

       ,-'"ヽ         ∩___∩
      /   i、  _,、    | ノ      ヽ
      { ノ    "'"  "'"'"/  ●   ● |
      /         |    ( _●_)  ミ
      /          彡、   |∪|   ミ  _/\/\/\/|_
     i    し ま う ま  \  ヽノ  /   \          /
    /              `ー-ー'" }   <  ニャーン! >
    i'    /、                 ,i   /          \
    い _/  `-、.,,     、_       i     ̄|/\/\/\/ ̄
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762 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/03/31(日) 22:44:39.11 ID:xKnrE8Th
なにこのAA

763 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/01(月) 00:24:20.23 ID:s3ZiAlra
ニホンアシカかな?

764 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/01(月) 07:16:30.93 ID:6CbXJ3lZ
(ニホンカワ)ウソです

765 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/01(月) 09:51:25.06 ID:ZC7wtgPd
このシリーズ昔VIPで流行ったよな

766 名前:人間七七四年[] 投稿日:2019/04/01(月) 11:50:02.25 ID:0IwgBSpL
俺はアザラシ
海のパンサー
俺は泣かない
何があっても
もしも俺が泣くならば
それは別れの時だろう。

767 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/01(月) 12:59:35.24 ID:Vasc+rhc
標本送るあたりが光栄の大航海時代そのもので好き
現地に残ってれば最高なんだけどなあ

768 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/01(月) 15:43:29.52 ID:oTun4hzp
ウチの生簀で泳いでいるわ

宣教師も燻される

2018年10月22日 17:29

351 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう! Go to vote![sage] 投稿日:2018/10/22(月) 08:50:39.48 ID:2QB8bUrM
翌日の早朝、(大友家の)軍隊は2レグワ前進して敵に接近することになったため、私はその地方に
在住するキリシタンを訪問するため引き返すことと成った。彼等キリシタンの多くは私が何度か
この地を通過した際に帰依した者たちであって、かつてパードレを見たことが無かったためである。

軍隊は食事が終わると喇叭(法螺貝)を吹き、部将たちはそれぞれ部下の兵士、および行李(資材を運ぶ
部隊)とともに出発した。兵士は皆よく武装し、列を整えて馬上の部将に随い、宿舎を出るや、この宿舎に
火をかけた。

陣営は約1レグワの長さがあり、約30ヶ所に別れていたが、悉く竹木及び藁を以て造られていたため、
またたくまに恐ろしき大火となり、四方は叫喚と煙のため地獄のような様相であった。
しかし軍隊には労働者多数があり、この日の正午には朝焼いたのと同じ宿舎を備えた陣営が、
次の場所に出来るのである。

私は宿舎を焼かれたため希望より早く出発したが、この日、風は私が進む方向へ吹いたため、
1レグワあまりの間、この煙のため苦しめられた。

そしてこの軍隊は行進中も火を放ち、敵の諸村は終日燃えた。

(1570年10月15日(元亀元年9月16日)付イルマン・ルイス・ダルメイダ書簡)

敵も味方も燃やすし宣教師も煙に燻される大友軍