634 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/13(火) 15:18:14.69 ID:82vcNcd0
イルマン・ルイス・ダルメイダが(都から)豊後に向けて出発するために、キリシタンの希望に従い、
私は彼とともに復活祭の第二の八日目に、都の見物をした。
日本においてはしばしば散策し、寺院、その他古跡を見る習慣があり、都には多数の観覧すべき場所があった。
これを観るために、絶えず諸国の人々が集まった。しかしながら悉くこれを記述するのは不可能であるので、
私が思い出せる所を述べる。
我々は先ず30人のキリシタンと共に、日本全国の君である公方様の宮殿観覧に赴いた。キリシタンである家臣の
紹介によって入門を許され、休養のために別に設けられた家屋を見たが、私は今日まで見た中でも
最も清浄・爽快、かつ立派なものであり、その精巧なること、清潔なること、優雅なることに於いて、
これに並ぶ家を、ポルトガルに於いても、全印度に於いても見た記憶がない。
家の窓外には甚だ美しく、また珍しい樹木の庭が有った。杉、柏、蜜柑、その他我等の間に知られていない
樹木が植えられていた。それらは尽く人の手が加えられ、或いは鐘の形、或いは塔の形、また屋根の形、
その他様々な形を成しており、百合、石竹、薔薇、野菊、その他各種、色彩及び香気ある花弁が多数咲いていた。
彼ら(日本人)は心を慰めるため、好んで花弁の栽培を行うが故に、これを観る者には絶えず驚嘆すべき
事がある。我々にとっては特に珍しいものも有る。
同所より同一構内の他の庭に案内されたが、ここは遥かに最初の庭に勝っていると思った。
その厩は杉材の家で、屋内は全部、良き筵を敷いてあり、高い身分の諸侯を入れるに足りた。
馬はそれぞれ別の個室を有し、床、及び左右には皆板を張っていた。筵を敷いた所は馬を預けた者の居所である。
他の門を出て一の街路に出た。長さはリスボンのルアノバ(新街)の六、七倍、幅は二倍ほどで、
左右の木は皆甚だ美麗にして、高さはそれぞれ同じほどで、我等をして復活祭のときに用いたいと思わせた。
この街路はダイリ(内裏)、即ち日本全国の最も名誉あり、元は皇帝であったが、今は服従されていない
君主の宮殿に至るものである。
この内裏の諸建築はただ外部より一見し、またその庭もそのようにして観覧した。何故かと言えば、(内裏は)
これに仕える者以外は、何者も入ることを許さないためである。
この市(上京)を出て何れの方向に赴こうとしても、そこでは日本全国の中で最も清潔で、風景の良い田園が有る。
何故ならこの島(日本)は三百レグワの広さがあるが、全国に都に勝る所は無いからである。
同所を出て我等は真っ直ぐにして広く平坦たる街路を通行した。街路は城のように悉く門を備え、夜間はこれを
閉鎖する。こうして我等の通行した距離は、リスボンのセー(大会堂)よりボア・ビスタ街のエスペランサの
聖母の会堂に至る程である。この市街は緞子、その他の織物を製造加工し、また金扇、その他裕福層に
用いられる品を作る商人の家、及び事務所の在る所で、中央に阿弥陀の堂がある。全市中最も通交の多い
場所で、毎日、殊に午後、この時間は店を閉め用が無くなるため、多数の人が来て偶像に寄進を成し、
また祈祷を行う。
我等と同行したキリシタンの武士は、この堂を出て、今回改築した当国の長官の宮殿を観るため我等を案内した。
これについて述べるべき事は多いのだが、今はその庭園についてのみ述べる。但し公方様の庭のように各種の
樹木は有るが、その事については説かない。庭の中央に幅二十歩の湖水がある。水は金力によって二十三レグワの
遠方より引き、人の手によって造ったものだが、自然によって作られたような岩からここに流入している。
湖水の中に多数の島、及び小島がある。木及び石の橋によって、最初の島から他に渡る。そして皆、甚だ良い
樹木の下に有る。これについて私が記述する所は、実際の三分の一にも及ばないこと、疑いない。
『一五六五年四月二十七日附、パードレ・ルイス・フロイス書翰』(日本耶蘇会通信)
フロイス達の京都観光の記録。この頃の京は戦乱などで衰退していたと言われがちですが、宣教師達は
非常に見事な都市だと認識していたみたいですね
635 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/13(火) 16:09:06.10 ID:j42u0JCI
ポルトガルがお粗末なだけだよ
636 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/13(火) 21:41:27.24 ID:hUql5rMY
衰退って言っても、戦後すぐの東京みたいな感じじゃね?
インフラは破壊されてて不十分で食料供給にも不安があるけど、人を集める力はまだまだある、みたいな
637 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/14(水) 05:30:44.15 ID:uVKAm0a1
上京くらいは直したんじゃないの
イルマン・ルイス・ダルメイダが(都から)豊後に向けて出発するために、キリシタンの希望に従い、
私は彼とともに復活祭の第二の八日目に、都の見物をした。
日本においてはしばしば散策し、寺院、その他古跡を見る習慣があり、都には多数の観覧すべき場所があった。
これを観るために、絶えず諸国の人々が集まった。しかしながら悉くこれを記述するのは不可能であるので、
私が思い出せる所を述べる。
我々は先ず30人のキリシタンと共に、日本全国の君である公方様の宮殿観覧に赴いた。キリシタンである家臣の
紹介によって入門を許され、休養のために別に設けられた家屋を見たが、私は今日まで見た中でも
最も清浄・爽快、かつ立派なものであり、その精巧なること、清潔なること、優雅なることに於いて、
これに並ぶ家を、ポルトガルに於いても、全印度に於いても見た記憶がない。
家の窓外には甚だ美しく、また珍しい樹木の庭が有った。杉、柏、蜜柑、その他我等の間に知られていない
樹木が植えられていた。それらは尽く人の手が加えられ、或いは鐘の形、或いは塔の形、また屋根の形、
その他様々な形を成しており、百合、石竹、薔薇、野菊、その他各種、色彩及び香気ある花弁が多数咲いていた。
彼ら(日本人)は心を慰めるため、好んで花弁の栽培を行うが故に、これを観る者には絶えず驚嘆すべき
事がある。我々にとっては特に珍しいものも有る。
同所より同一構内の他の庭に案内されたが、ここは遥かに最初の庭に勝っていると思った。
その厩は杉材の家で、屋内は全部、良き筵を敷いてあり、高い身分の諸侯を入れるに足りた。
馬はそれぞれ別の個室を有し、床、及び左右には皆板を張っていた。筵を敷いた所は馬を預けた者の居所である。
他の門を出て一の街路に出た。長さはリスボンのルアノバ(新街)の六、七倍、幅は二倍ほどで、
左右の木は皆甚だ美麗にして、高さはそれぞれ同じほどで、我等をして復活祭のときに用いたいと思わせた。
この街路はダイリ(内裏)、即ち日本全国の最も名誉あり、元は皇帝であったが、今は服従されていない
君主の宮殿に至るものである。
この内裏の諸建築はただ外部より一見し、またその庭もそのようにして観覧した。何故かと言えば、(内裏は)
これに仕える者以外は、何者も入ることを許さないためである。
この市(上京)を出て何れの方向に赴こうとしても、そこでは日本全国の中で最も清潔で、風景の良い田園が有る。
何故ならこの島(日本)は三百レグワの広さがあるが、全国に都に勝る所は無いからである。
同所を出て我等は真っ直ぐにして広く平坦たる街路を通行した。街路は城のように悉く門を備え、夜間はこれを
閉鎖する。こうして我等の通行した距離は、リスボンのセー(大会堂)よりボア・ビスタ街のエスペランサの
聖母の会堂に至る程である。この市街は緞子、その他の織物を製造加工し、また金扇、その他裕福層に
用いられる品を作る商人の家、及び事務所の在る所で、中央に阿弥陀の堂がある。全市中最も通交の多い
場所で、毎日、殊に午後、この時間は店を閉め用が無くなるため、多数の人が来て偶像に寄進を成し、
また祈祷を行う。
我等と同行したキリシタンの武士は、この堂を出て、今回改築した当国の長官の宮殿を観るため我等を案内した。
これについて述べるべき事は多いのだが、今はその庭園についてのみ述べる。但し公方様の庭のように各種の
樹木は有るが、その事については説かない。庭の中央に幅二十歩の湖水がある。水は金力によって二十三レグワの
遠方より引き、人の手によって造ったものだが、自然によって作られたような岩からここに流入している。
湖水の中に多数の島、及び小島がある。木及び石の橋によって、最初の島から他に渡る。そして皆、甚だ良い
樹木の下に有る。これについて私が記述する所は、実際の三分の一にも及ばないこと、疑いない。
『一五六五年四月二十七日附、パードレ・ルイス・フロイス書翰』(日本耶蘇会通信)
フロイス達の京都観光の記録。この頃の京は戦乱などで衰退していたと言われがちですが、宣教師達は
非常に見事な都市だと認識していたみたいですね
635 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/13(火) 16:09:06.10 ID:j42u0JCI
ポルトガルがお粗末なだけだよ
636 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/13(火) 21:41:27.24 ID:hUql5rMY
衰退って言っても、戦後すぐの東京みたいな感じじゃね?
インフラは破壊されてて不十分で食料供給にも不安があるけど、人を集める力はまだまだある、みたいな
637 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/10/14(水) 05:30:44.15 ID:uVKAm0a1
上京くらいは直したんじゃないの
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