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氏康内情を視察させ

2012年10月19日 20:04

909 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/19(金) 00:18:31.99 ID:kZa+IzlA

上杉憲政の老臣・長尾意玄北条氏康の勢力が日に日に強大になるのを
憂いて、本間近江井俣左近を氏康に仕えさせてその内情を視察させた。

やがて平井に戻って来た二人によると、
「氏康の人となりを熟視したところ、沈着剛毅にして測られず、剛にして
柔であり、書を読んだり刀槍の訓練をし、礼節は正しく、威厳があります。

また下賤であっても功を賞し、士を用いる時には老少問わずその器量に
適した用い方をしています。その子弟は嫡子でなくとも皆俸禄を与えて
仕事をさせ、功があればすぐに昇進しています。

そうした理由から配下は畏怖しつつも氏康を愛し、人々は奮い立って
死を致す覚悟です。しかも上杉の将士は皆密かによしみを通じています。
通じていない者はわずかに九人しかおりません」とのことであった。

意玄は二人の報告を引き合いにして憲政の非を諫言した。
これを聞いて憲政はようやくその非を改めた。ところが程なくすると、
菅野信方上原兵庫の言葉を用いて、また大いに政事を怠るようになった。

――『名将言行録』





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