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そう、容赦もなく言うと

2021年03月05日 17:03

618 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/03/05(金) 15:44:26.80 ID:7aTXAXEA
江戸城西丸御殿の普請奉行は佐久間将監(実勝)であった。
普請が大方出来た頃、大猷院様(徳川家光)が御覧のために出御あり、将監も御供の中にあった。
そこにどういうわけか、大久保彦左衛門(忠教)が居合い、大猷院様より「普請を見よ」と
仰せ下された。これに彦左衛門「誠に結構なる御普請の次第に候。」と申した後に、将監の方を見て

「蟹は自分の甲羅に似せて穴を掘るという。ここは、その方の家の如くに御殿の普請も申し付けたのか?
勿論、この城にとって必要のない事ではあるのだろうが、合戦のための作法は、少しは有るべきである。

この鴨居などは兜の立物、又は鑓などを張り上げ申すこと成りかねる。また雪隠なども見たが、身一つ
ですら入りかねる。忙しき時は具足を着ながら脇差指し、肱をいからせても入るものである。
それぞれ、確かに有る習いなるぞ。」

そう、容赦もなく言うと、上様はどう思し召されたのか、何の御返事も無くそろそろと奥へ
行ってしまわれたという。

この話を誰が聞き伝えたのだろうか。世の中では、人が語ることを聞き伝えている。

備前老人物語



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