465 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/11/27(金) 00:59:50.04 ID:Z34yHn6S
佐々木六角四郎(高頼ヵ)が、(足利)義澄将軍に御味方することを申し上げて在京すると聞かれ、
将軍よりご褒美が有り、また細川九郎澄之も、万事を相談し、頼みに思っていた。
この四郎の被官に、甲賀山家の、強盗のようなことをしている者で、三雲という者があった。
彼は、細川澄之と対立する細川澄元を討って参らすと申し、いくばくかの鳥目まで早くも請取っており、
心安く思われている所に、六角四郎は都を出奔して、七月二五日の白昼に逃げ落ち下った。
それより京都は以ての外に騒動して、女童などは逃げ惑い、貨財雑具を持ち運び、身を隠す場所を
尋ねる有様は、中々表現する言葉も無かった。
その頃、六角四郎のこのような行動を憎しと思うものがやったのか
高綱が つらまでよごす四郎かな たらすばかりか銭も盗みて
という落書が立った。実に保元の古の乱の時、安芸判官平基盛承りて、法性院大路を堅めた所に、
大和国の住人、宇野七郎親治が上がってくるのを、綸旨に依って上がるのかと問われた時、如何せんと
思ったが、仮にも武士が偽りを言うのは家の傷、後代の名折れと思い、院宣に従って上るのだと、
真っ直ぐに名乗って討ち死にしたというのに、それから変わってしまったものだと、京童達は笑った。
(細川大心院記)
佐々木六角四郎(高頼ヵ)が、(足利)義澄将軍に御味方することを申し上げて在京すると聞かれ、
将軍よりご褒美が有り、また細川九郎澄之も、万事を相談し、頼みに思っていた。
この四郎の被官に、甲賀山家の、強盗のようなことをしている者で、三雲という者があった。
彼は、細川澄之と対立する細川澄元を討って参らすと申し、いくばくかの鳥目まで早くも請取っており、
心安く思われている所に、六角四郎は都を出奔して、七月二五日の白昼に逃げ落ち下った。
それより京都は以ての外に騒動して、女童などは逃げ惑い、貨財雑具を持ち運び、身を隠す場所を
尋ねる有様は、中々表現する言葉も無かった。
その頃、六角四郎のこのような行動を憎しと思うものがやったのか
高綱が つらまでよごす四郎かな たらすばかりか銭も盗みて
という落書が立った。実に保元の古の乱の時、安芸判官平基盛承りて、法性院大路を堅めた所に、
大和国の住人、宇野七郎親治が上がってくるのを、綸旨に依って上がるのかと問われた時、如何せんと
思ったが、仮にも武士が偽りを言うのは家の傷、後代の名折れと思い、院宣に従って上るのだと、
真っ直ぐに名乗って討ち死にしたというのに、それから変わってしまったものだと、京童達は笑った。
(細川大心院記)
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