299 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 16:36:51 ID:qraloXDL
>>
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-5046.htmlで徳川との同時侵攻も撃退されてしまった
北条氏直。
こうなったらどうにかして沼田城を落とさなくては面目が立たない。
翌天正十四年五月に、再び沼田城へと押し寄せた。
今回は前回から更に動員数を増やし、実に七万もの兵で上野の片田舎の小城に攻め
寄せたのである。
と、そんな矢先に沼田城の
矢沢頼綱から先鋒の
北条氏邦宛てにお手紙が届く。
「去年勝てなかったからって、関東中の大名を引き連れてご苦労なこったね。ここ
数年、色々やってたみたいだけど、あいにく俺達はピンピンしてるよ?折角当主が
出馬してるんだし、さっさと攻めて来いよ。相手してやんぜ? 滋野頼綱より」
それに対して氏邦から頼綱へのレス。
「お手紙読んだよ。だって仕方ないじゃん。沼田って山の中で戦いづらいんだもん。
『攻めて来い』ってのは判るけど、俺達もこーゆード田舎って珍しくてさ。まずは
何日か、鷹狩りでもしてゆっくり骨休めしてから行くよ。その間に降参するって言
うなら、いつでも受け付けるよ?まずは落ち着いて考えてね。 平氏邦より」
しかしこんな和やかな文通をしている間に天候が急変、なんと三日三晩に渡って雨
と雷とが激しく続いた。
北条軍は本隊と連絡が途絶えるのを恐れ、沼田城を囲んでいた先鋒部隊を片品川の
南側へと引き上げさせる。
そしてその恐れは的中し、増水した河川は氾濫。北条軍がかけた橋を悉く押し流し
てしまったのである。
「先鋒を引き上げさせたのは正解だったな。まさかこんな事になるとは……」
雨が上がって現れたのは、利根川と片品川の氾濫による惨状。
雨がやんでも尚、濁流は渦巻き、渡河する事も橋をかける事も、到底出来そうにな
かった。
そんな北条軍の目の前。片品川を挟んだ対岸に真田兵が大勢、繰り出してきた。
攻撃か!? どうやって川を渡るつもりだ!?
緊張が走る北条軍を尻目に、彼等はのんびりと鳥を撃ったと手を叩き、鹿を撃った
と大喜びをして狩りを楽しんでいた。
300 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 16:37:38 ID:qraloXDL
そして数日後、ようやく川の水も治まってきた頃、沼田城から矢文が届く。
「片品川を渡りたいなら自由にどうぞ。邪魔はしないよ。こっちは待ち草臥れて退
屈してるんだ。早く来てくれ」
「ぬぐぐぐぐぐぐ……」
これほど圧倒的な兵力を持っているというのに、ここまで虚仮にされる屈辱。
橋を掛けなおす手間も惜しいと北条軍は川を押し渡り、沼田城に攻め寄せた。
「一気に攻め落とせ!!我等を虚仮にした報いだ。目にものを見せてやれ!!」
怒り狂った北条軍の勢いは凄まじく、防御側が堀にかかる橋を落す暇もなく大手門
を制圧、城内へと押し寄せる。
続いて三の丸へもこの勢いで押し寄せようという時……
ドォォォォン!!
「な、何事だ!?」
背後で起こった轟音に、皆の足が止まる。
「た、大変です!大手門にかかる橋が落とされました!!……真田軍の忍びによって!!」
「なんだとっ!?」
「わ、我々は退路を絶たれ、城内に閉じ込められましたっ!!」
北条軍に動揺が走る中、三の丸からは弓矢、鉄砲、石飛礫までが雨霰と打ち込まれ
る。
更には三の丸の門が開き、七千の真田兵&民兵が北条軍に止めを刺すべく雪崩を打
って走り出す。
パニックを起こした北条軍は阿鼻叫喚の中、抵抗も出来ずに真田軍に討ち取られて
行った。
そして城外。
堀を挟んで繰り広げられる惨劇を、なす術もなく眺めているだけの彼等にとっても、
これは他人事ではなかった。
「かかれぇ!!」
別の城門から出撃した
矢沢頼綱の率いる一千が、目の前の大虐殺を呆然と眺める北
条軍に襲い掛かったのだ。
沼田城に突入した先鋒の部隊は壊滅。
それに続く第二陣も頼綱に追い立てられ、討死にする者、川に流される者は数限り
がない、という状態であった。
散々挑発を重ねられた挙句の惨敗という結果に激怒した氏直は、沼田城を皆殺しに
してやる、と息巻いていたのだが、再び降り始めた雨はまたも周辺の川を氾濫させ
た。
参陣した諸豪族の間に漂う厭戦気分を感じた氏直は、歯噛みをしながらも兵を退か
ざるを得ず、小田原に引き返して行ったという。
なんつーか、挑発の手紙に付き合うなよ、北条さんちもさぁ。(^^;
雑兵には口合戦を禁止してなかったっけ?自分たちでやってどうすんのさ。
301 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 16:59:13 ID:Noof9hdA
まさしくこれ↓だなw
ねぇねぇ、また負けちゃったけど
今どんな気持ち?
∩___∩ ∩___∩
♪ | ノ ⌒ ⌒ヽハッ __ _,, -ー ,, ハッ / ⌒ ⌒ 丶|
/ (●) (●) ハッ (/ "つ`..,: ハッ (●) (●) 丶 今、どんな気持ち?
| ( _●_) ミ :/ :::::i:. ミ (_●_ ) | ねぇ、どんな気持ち?
___ 彡 |∪| ミ :i ─::!,, ミ、 |∪| 、彡____
ヽ___ ヽノ、`\ ヽ.....::::::::: ::::ij(_::● / ヽノ ___/
/ /ヽ < r " .r ミノ~. 〉 /\ 丶
/ /  ̄ :|::| ::::| :::i ゚。  ̄♪ \ 丶
/ / ♪ :|::| ::::| :::|: \ 丶
(_ ⌒丶... :` | ::::| :::|_: /⌒_)
| /ヽ }. :.,' ::( :::} } ヘ /
し )). ::i `.-‐" J´((
ソ トントン ソ トントン
302 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 17:18:21 ID:zZj+aTex
小田さんの不屈の精神が足りない
303 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 17:27:12 ID:/Cs2bbU3
まあここまで来ると嘘臭さが強すぎだけどなw
304 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 17:33:03 ID:WdQexWzJ
洗練された挑発だな
305 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 17:35:40 ID:rzcxgPVr
どうせ江戸時代の創作だろ
真田が徳川を翻弄したのと話を釣り合わせる
ために北条をボコボコにしたって事にしてるだけ
306 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:03:18 ID:eMU9QMk0
そこまで負けていれば北条の支配体制にだってゆらぎがあるはずだし、
なにより、動員数万なら、上田合戦よりもはるかに規模が大きいのに
大して知られていないというのがねい。
307 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:14:14 ID:QnRA4Zjr
かませ犬にするには便利な北条家であった
308 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:18:07 ID:p0NUjSzr
本家は事実上滅んじゃった北条はどんな事書いてもクレームにはならない
309 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:20:40 ID:nhzlIoLa
まあ軍記物だから仕方が無いが、天正12年に北条が佐竹義重、宇都宮国綱、由良国繁、長尾顕長
などの連合軍と戦い、北関東での北条優位を確立した沼尻の戦いですら北条の動員は多くても
1~2万なので、真田だけを相手に数万の動員とかありえないわなw
310 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:22:41 ID:EsQpA7G8
小田原役後のどさくさに紛れて猪俣一族を闇に葬るとか
汚いなさすが真田汚い
311 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 18:26:39 ID:2LZG+p4J
実際は壊滅した先鋒ってのも上野衆ばかりなんだろうね
八百長八百長
312 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/01/19(水) 20:28:13 ID:53N6X4ll
大東建託CMの殿様って誰の設定と思う?
313 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21:26:00 ID:OzGs+Brm
加沢記は戦国から100年後の家譜やからねぇ。
島津の朝鮮記とかもだがこの時代の脚色は半端内からしょうがない。
やる夫とか同様物語として楽しめば委員ジャマイカ
314 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21:39:58 ID:cMMPyNjZ
死人に口はないのだ
315 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 21:52:47 ID:Uwayo8Mu
氏邦さんちは藩が存続してたのに・・・
316 名前:299[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:59:34 ID:+O6WGFJQ
兵数七万ってのもたいがいですが、「関東の兵全てを率いてきた」と記録されており、
参陣した中には宇都宮氏の名前まで入ってます(笑)
あくまで逸話として投下しているので、真偽については私を責めないでね?
でも、家譜ってどれもこんなもんじゃね?(^^;
317 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 12:01:36 ID:NPM39iI6
どこも似たようなものだ。
ただ続けて無双ばかりだから、みんな胸焼けしてるってとこやね
318 名前:299[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 14:27:24 ID:+O6WGFJQ
>>317
あ~うん……無双無双としつこいかな、とは自分でも思ってました。
『加沢平次左衛門覚書』を読んで、投下出来そうな逸話はこれが最後かな、と思った
ので、間を空けずに投下しちゃいましたが。
やはり書いた本人が感じてたくらいだから、皆それは感じてたか。
申し訳ありませんでした。とりあえずこれで私の手持ちの真田関連ネタは終了ですの
でご安心を。
319 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/01/20(木) 14:39:33 ID:l/lm738M
>>318
いやいや、おもしろかったです。乙でした。
320 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 14:41:10 ID:/jDHX1KO
>>318
乙
321 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 14:44:41 ID:Zepgz4bb
>>318
胸焼けどころかとても面白かったよ
乙でした
322 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 15:17:25 ID:xnTztkBy
真田が北条大嫌いなのがとてもよくわかる逸話でよかったよ
323 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 15:39:08 ID:nDaZk2mr
>>318
や、逸話は面白かったですよ
ノリでツッコミ入れたがるのはここの住民の性分というか・・・いやスマンカッタ