十千散起立の事

2016年08月25日 14:56

114 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/08/25(木) 03:55:00.79 ID:1PIrfqxH
十千散起立の事

 東都浜町に、小児科の医をして数世代に聞こえる印牧玄順というものがいる。
その先祖は戦国で主家の御敵であった者の子孫で、
その主人が没落後、浪遊して抱える人がおらず、
ある医師のものに立ち寄って生計をたてていた。

 かの医師は家伝に万病散とかいうものを売薬していたが、
その奇効は著しく戦場でも多くの者が求めていた。
この医師に随身して遂にその薬の製法を伝えられた。

 後に印牧は分かれたというが、師家の秘薬であるので、同銘を遠慮して
十に千を合わせれば万になるという心で、十千散と名づけたという。

 今もかの家ではその薬を出している。
予が子孫もこの薬を用いて、奇効があったという。
(耳袋)




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