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元亀二年の初夢

2022年01月02日 16:09

923 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/01/02(日) 14:56:38.54 ID:Ye8+u72g
元亀二年正月二日

この暁の夢に、坐像の地蔵で破損しているのを売りたいと申してきたのを、私はそれに特に執心も
無かったので買わなかった。

社頭船戸の明神の前に、大きな蛇の抜け殻があったが、その中から小さな蛇が出てきて、少し南に移動したが、
それを見ると足があった。後には鹿の如きものとなり、やがて私の左の足元より這入ると見え、
以ての外に驚いて、そこで夢が覚めた。

夢の中でも(破損した地蔵を買って功徳を積むような)後世の事には疎いのに、現世の事は心に入る。
浅ましいことだ。

また後に、蓮成院にて仏前より持蓮花(蓮のつぼみの形の仏具)が両面に有り、舎利があるのを身に
相伝ていると見えた。

朔日の暁の夢である。

多聞院日記

多聞院日記より、元亀二年の初夢のお話



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さても命は捨てえざる者也

2021年01月24日 17:10

540 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/01/24(日) 11:49:37.83 ID:lxwHAmf+
さても命は捨てえざる者也

北条氏が小田原合戦で敗戦し氏政・氏照が切腹したのは、天正18年7月11日のことであった。
その翌日には氏直の高野山行きが決定し、北条家臣団の他家への再仕官がすすめられたあと
残った一門衆・家臣の上下合わせて三百ほどの氏直一行が、小田原から出発したのは21日のことであった。

先行していた氏規が8月7日に大和の興福寺に着いたときの様子を、多聞院英俊
「哀れなる在り様也、さても命は捨てえざる者也、恥をさらし此くの如し、あさましあさまし」
と評しており、切腹しなかったことへの風当たりは強かったようだ。

翌年の2月7日には氏直赦免の内意が秀吉から家康へ伝えられ、氏直は堺に移ったあと大坂に移動した。
家康の陸奥九戸一揆出陣のため、一時的に交渉は滞ったが8月19日に大名として復帰している。
復帰した氏直は借財の整理をすすめていたが、10月29日までに疱瘡を患い11月4日に死去した。享年30。



雑談・多門院日記に対する批判

2011年06月23日 23:25

323 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/22(水) 22:36:21.20 ID:yQpav8Tb
多門院日記に対する批判では、
歴史学者ではなく心理学者である
故河合隼雄による批判が面白かった。

324 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/22(水) 23:17:16.85 ID:NYISfxRj
詳しく

325 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 00:26:05.07 ID:fT968J4e
虚覚えだったんで再度読み返してみたけど、
多聞院日記に対する批判というより、
多聞院英俊(多聞院日記の主な筆者)に対する批判だった…。
まぁ一応、妙恵とその夢の記録について書かれた本の、
最初の方に少し触れられてる。要約すると…

英俊は夢を多く記録したが、
夢に対して具体的な意味を持たせようとしすぎ、
自分の願望と現実の区別を冷静に判断出来ていない。
一例を挙げるなら、天正14年正月元旦の日記に
「昨夜夢ニ発句、誰トモ知レズニ、花ちりて色も香もなき梢哉、とありしニ、
愚、おとづれ帰るかりの一つら、ト付ケ了ンヌ。夢ノ如クンバ、
三月末ニハ当国衆古里へ帰ルベキカト解キ了ンヌ」
(昨夜夢で誰かは分からないが、「花ちりて色も香もなき梢哉」と発句があり、
 私はその続きに「おとづれ帰るかり(雁)の一つら」と付けた。
 この夢は三月末に筒井氏が大和の国へ戻ってくると解釈する)
とありその下に小さい字で「後日云、少シモアワズ、雑夢々々」
と書き加えている。

これは(英俊が嫌っていた)秀長が筒井の代わりに大和に入った事に関係した夢であるが
英俊は雁が帰る様をイメージした事を、
直接的に当国衆(筒井氏)が大和に戻ってくる事と結びつける。
しかしこれは間違った解釈で、筒井氏関連で解釈したとしても、
英俊自身が筒井氏に戻って来て欲しいと思っている、という事だけである。
夢は多義的である為、それを判断するなら一度現実に戻って考え、
実際に筒井氏が復帰する可能性があるかを検討すべきである。
それを雑夢と夢の方を非難して夢を見た自分の反省をしていない。
(後略)

大体こんな感じ。
他にも長年修行を積んだ僧の持つイメージとしては物足りないとか、
夢の咀嚼力が足りないとか、
臨床心理学的な立場から散々な評価をしてる。

326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 00:33:03.48 ID:colwvU2r
なかなか興味深いお話だった
しかし、あの時代の人間は総じてロマンチストが多いからなぁ
これは俺の願望、これは夢、なんて野暮な分析はせんだろうに

327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 05:56:31.58 ID:DZ1Yd4zz
明恵がすごすぎるという話なんだけどね。
「他にも夢を記録していた僧はいるが、みんなすごいわけではない」
という例に英俊さんが引っ張り出されてしまったw

328 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/06/23(木) 07:48:34.06 ID:KZqkjcSv
中世的には神鹿が出てきて勝ちました。でOKじゃないか。

329 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 08:56:52.37 ID:j22Eelg/
動物奇想天外ランページは軍記必勝パターンの一つだからな

330 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 20:18:55.15 ID:/Kl6Gu2p
神の使いのヘビを食い殺したら鉄砲で撃たれて死んだ鬼が居たな

332 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 23:23:54.23 ID:sX/1z2qL
>>329
マジック・ザ・ギャザリングか