人を卑しまず

2015年01月28日 18:55

601 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/28(水) 00:07:45.64 ID:MjY3Egu+
 今から二十年前に、都の妙心寺に大休(宗休)という名僧がいた。
この和尚の前で、人が人を誉めれば、和尚はその人は死んでいるかと聞きなさる。
今は存命であると申すと、大休は、
「誉めてはならぬ。(今後)どのような失敗をするかわかぬであろう。」
と仰る。
 またある人が人を悪く言えば、大休はその人は死んでいるかと仰せられる。
今は生きていると申すと、大休は、
「謗ってはならない。これからどのような手柄を立てるかわからぬではないか。」
と仰る。
「人の善悪は死後にならないと言うべきではない。」
と大休和尚はいつも言っていたと、策彦(周良)和尚は信玄公に語ったことがある。
 武士はなおのことその心がある。
失敗したものは、此の次こそ是非に。と思うから、卑しめてはならない。
失敗していないものは、上手く行っているので、今後も失敗の無いように心がけるので、なおのこと卑しめてはならない。
そのように思って人を卑しまず、極めて自分の心に当てはめるので、猛き武士は人を腹立たせるようなことをせず、
どのような小者・中間にも、それぞれに慇懃な態度なのである。
(甲陽軍鑑)




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