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お座敷を みれは大略神無月

2022年08月24日 18:33

340 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/23(火) 20:27:55.74 ID:JgZITNRM
今から六、七十年前のことだが、元理という俳諧の上手と聞こえた者があった。
三好修理太夫(長慶)殿の所での御会の半ばに、俳諧の発句を御所望なされた。
丁度その時、修理太夫殿の御前に居合わせた人々は皆入道であり、御俗体は太夫殿ばかりであった。
また、その頃は十月であったので、そのまま

『お座敷を みれは大略神無月』 元理

これに対し

『ひとりしくれの古烏帽子きて』 太夫殿長慶朝臣

寒川入道筆記



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花よりも 団子の京となりにけり

2022年08月22日 18:28

571 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/21(日) 21:39:56.39 ID:2Xr6PBKW
かくれなき藤戸石(現在京都醍醐寺三宝院の庭園の主石として設置されている名石)を、上京細川殿の御屋敷より、
室町畠山殿御屋敷へと、織田信長公が引かれたのだが(永禄12年の義昭二条城建設の時の輸送)、
これを引くのに数日間の御手間がかかった事について、京の徒者たちはこのように詠んだ

『花よりも 団子の京となりにけり けふもいしいしあすもいしいし』
                    ※いしいしは女房詞で団子の意味

この年の御普請には、江州衆が別して精を入れられたため、その事についても又徒者たちが

『なまなりの すしとぞ見ゆる あふみ衆 おもさの石をもたぬるはなし』

寒川入道筆記



とぼうとぼうとするぞあぶなき

2022年08月21日 14:45

568 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/20(土) 21:02:08.00 ID:bRKyMkPb
玄旨(細川幽斎)と里村紹巴が同道して鞍馬寺に花見へ御出の時に、岸より下人が飛び降りようとしていたが、
老足で心のままにならない様子を見られて

とぼうとぼうとするぞあぶなき 玄旨

人玉は やまひの床の休らひに 紹巴

寒川入道筆記



これぞ二佛の中間といふ

2022年08月20日 18:19

565 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/19(金) 22:16:51.61 ID:5B9ZDfFj

悪逆をなした明智日向守(光秀)が召し使った、鑓かたげ(鑓持ち)の中間があった。
六尺ゆたか(約180センチ超)なる男で、あまりにも大きいと、人はみな「おふほとけ」(大仏という意味か)

と名をつけた。

この者、日向殿へ何やら不足があって、頭を剃って引き籠もった。日州これを聞いて、久しきもので
あるからと、不足を叶えて呼び返され、又鑓をかたげた。人々はこれを見て一首連ねた

「おふほとけ あたまをみれば また佛 これぞ二佛の中間といふ』

寒川入道筆記



567 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/20(土) 11:53:16.25 ID:09wOHaV6
にぶつ【二仏】 の 中間(ちゅうげん)
釈迦が入滅したのち、五六億七千万年を経て、彌勒菩薩が仏となって出現するまでの中間の時期。
この期間は、無仏の世であるから、地蔵菩薩が仏にかわって衆生を救うという。

検索してきた

569 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/21(日) 09:02:58.98 ID:iOUIyI9Q
大(おお)は古語で「おほ」だったね。

570 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/21(日) 12:44:24.85 ID:AmPbRHnx
字面だとアへ顔感でるな

婿入りも まだせぬさきの 舅入り

2022年08月19日 18:30

564 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/18(木) 21:22:34.43 ID:VIhSpD76
甲斐国、武田信虎の娘を菊亭殿(菊亭(今出川)晴季)へ御祝言の御約束(婚約の約束)があった。
しかし、未だ双方の往来も行われていない以前に、「婿殿を見に」と、案内も無しに
菊亭殿の所へ信虎殿が御出になったという沙汰があり、このような一首が詠まれた

『婿入りも まだせぬさきの 舅入り きくていよりもたけたふるまひ』

寒川入道筆記



むくりむくりと あたまもたくる

2022年08月18日 19:02

338 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/17(水) 20:55:57.03 ID:tN2INKCJ
細川の幽斎、ある時(里村)紹巴の所にお尋ねになった時、丁度紹巴は沈酔しており、正体無く
臥せっていた。幽斎はこれを見て、「いかに紹巴いかに」と、二、三度、四、五度起こされたが。
枕を上げてはまた寝、枕を上げてはたどたどとしていたが、目も覚めずむくむくとしていたので、
(目も覚すむくゝゝとしてゐられたれハ)

むくりむくりと あたまもたくる 幽斎

すると

うころもち ありともしらず 野へにねて 紹巴

そのように言って起きられた。

寒川入道筆記

泥酔して寝ていても下の句を読むと咄嗟に目を覚まして句を継ぐあたり流石代表的連歌師



339 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/08/18(木) 21:35:36.85 ID:u/CgpXqt
>>338
本多サド「これが本当のネタフリ」