十四屋小野宗右衛門

2014年10月16日 18:53

50 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/10/15(水) 19:59:30.71 ID:mu0CSLBO
近江は大津の町に”十四夜”と号する者があった。徳川家康は彼にその辺りの代官を任せていた。
彼の姓名は小野宗右衛門といったが、それを十四夜と呼ぶ理由はこのようなものであった。

この小野氏の先祖に、一人の娘があった。この娘は和歌を良くし、十四歳の時の春の夜、
閨の中で近くの梅花の香りに気が付き

『人ならば 浮名やたたん小夜更けて 吾手枕に通う梅香』

と詠んだ。これより十四夜と異名されるようになり、遂には「十四屋」と屋号になった。

彼は家康から信頼されたが、「数代の商人が武士の道を解るわけがない」などと、世人これを妬み
悪んでいた。

ある時、大津で牢人が口論し相手の旅人を斬り殺して、市のとある店に立て籠もる事件があった。
近辺の者達は皆集まりこの店を取り囲んだが、旅人を斬り殺した働きに恐れ、一人も店の中に入って
取り押さえようとする者はなく、ただ取り囲んで見ているだけであった。

この時小野宗右衛門もここで人々に下知などをしていたが、「いつまでただ取り囲んでいるつもりか!」と
一人でこの店の中に入りたちまち牢人を切り伏せた。

これより後、小野を妬み悪むような事は無くなったという。

この十四屋小野宗右衛門徳川家康の御意に叶った人物であり、家康は度々、この家を旅館として
用いたという。

(明良洪範)



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