fc2ブログ

天下普請と井伊家

2011年08月10日 23:01

372 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 10:54:33.10 ID:vwQLggWE
元和から寛永年間にかけて、徳川幕府は諸大名に、いわゆる天下普請を命じた。
譜代筆頭格の井伊家も多くの普請に駆り出されたが、殿様からして無骨一辺倒、御殿や社寺普請の
知識を持つ家臣や伝手の少ない井伊家の作事は遅れがちであり、他家の侮りを受けていた。

江戸城本丸の改修においても、いつもの様に他家の普請が完了する中、井伊家の普請は未だ
天井の梁が丸見えであった。不安になった井伊家の侍たちは、普請奉行の岡本半介に伺いを立てた。

「お奉行、このままでは数日後の幕府検視に間に合いませぬ。よろしいので?」
「うむ、これで良いのだ。」
「?それと、釘がだいぶ余っておりますが、これも、数えなくて良いのですか?」

天下普請において釘は幕府を通じて買い、余った分は数えて幕府に返し、差額を返金してもらう
仕組みになっていた。が、半介は言う。
「かまわん。余ったら、まとめて埋めてしまえ。」
「そ、それでは当家の損となりますが?」「まあ見ておけ。わしに考えがある…」


検視当日、井伊家の担当部署を訪れた幕府目付は当然、吹き抜けのままの天井を疑問に思った。
「岡本殿、この天井はいったい?」
「いや、近ごろ色々な風聞があり申す。よって天井は特に、裏までじっくり検分をいただかねば。」
(なるほど。先ごろの、宇都宮の仕掛け天井とやらの噂を気にしての処置か。忠節の家は違うわい。
ところで…)

「話は変わるが、井伊家には釘の返納が無いとか。本当によろしいのかな?」
「いかにも。当家の普請に、余る釘など一本もござらん。」
「むぅ。さすが武をもって知られる井伊家、城普請も無駄無くソツが無い。それがし、感服仕った。
それに比べて他家は…手を抜いているのではあるまいな?!」

こうして他家でも、天井板を剥がして目付に見せねばならなくなり、釘の返納が多かった家は
手抜き工事を疑われ、普請をやり直すハメにすらなったという、他家のサイフに悪い話。




373 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 18:07:32.64 ID:QR3Qcwe6
井伊だけにいい話し?

374 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 18:16:10.73 ID:Y+wHjsN9
ちゃんとやってた所はいい迷惑だな

375 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 18:26:15.84 ID:2YrAjXjs
これも正しく悪い話だな・・・

376 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 20:38:20.81 ID:C4awa8Ka
ちゃんと悪い話が続くなんて、いい話すぎ
このスレ大丈夫?

378 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 17:18:55.26 ID:tljWx+UF
井伊のほうはトンチ話じゃねえか。

383 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/08/11(木) 20:17:22.20 ID:CDZkIjsi
 石田三成は

「主君から頂いた禄は主君の為に使うもので、蓄財が貯まるような奴は禄盗人」

みたいな事、言っていて実際に佐和山城とか質素だったのに。

 後釜の井伊家は、徳川家から支給された釘を着服して返さない。

 こういう事をする奴がいるから、公共事業でも予算は使い切れとか悪習が起こったんだな。

 うん、本当に悪い話だw

384 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 20:57:51.13 ID:lEXI+wXj
>>383
釘は購入済みでしょ?
もうちょっとしっかり読みなよ。
スポンサーサイト



岡本半介と江戸城普請・悪い話

2008年10月16日 00:11

293 名前:人間七七四年[] 投稿日:2008/04/05(土) 23:38:01 ID:i+XIg6gN
江戸初期だが…
諸藩が二条城の普請を命じられたとき、彦根藩では軍学者岡本半介が奉行となった。
これは実質諸藩の競争だった。
堀を掘るときに排水が問題となり、諸藩は必死に排水を行ったが、半介は休むよう命じた。
その後作業を再開したときには既に彦根藩の受け持ちの部分の水は
もっと深く掘った藩のほうへ流れ排水されていたので簡単に掘り進めることが出来た。
また、諸藩が堀の底を平らにしているときに半介は何もしなかった。
幕府の目付けが理由をきくと、「これは甲州流で、敵が底を移動しにくいようにわざと底をデコボコにしてある」といった。
せっかく平らにした諸藩もまたデコボコに直さねばならなくなった。

次に江戸城の彦根藩普請総奉行の際、岡本は作業を遅くやらせ、諸藩が天井を完成させると言うときに、
また天井造りに取り掛かっていなかった。
そのとき、岡本は幕府の目付けを呼んで天井を造るので裏を確認してほしいと頼んだ。
当時、本多正純失脚をめぐって『宇都宮釣り天井事件』の風聞が流れていたので、
目付けたちは不覚だったと天井の奥を確認することになり、諸藩はせっかく完成させた天井をまた剥さねばならなくなった。
その隙に半介は天井を完成させた。



294 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/04/06(日) 01:14:50 ID:KW73pYH7
戦国ちょっと過ぎのちょっとワルい話