fc2ブログ

大友宗麟、猿のために岩屋重氏を殺すこと

2022年02月08日 16:30

320 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/08(火) 08:46:36.54 ID:EhFZQJMw
朝野雑載」より、大友宗麟、猿のために岩屋重氏を殺すこと
(「大友興廃記」にもほぼ同じ話があるのでそっちが元と思われる)

豊後国岩屋の地主岩屋五郎三郎重氏というもの、つねに猟を好み、ある時、鹿をいようと思い山に行き、岩壁に沿って鹿を追いかけたが、足を踏み外して岩上から落ちてしまった。
しかし岩の中腹の壇石に運良く落ちることができた。
岩を登ろうとしたがとりつくような出っ張りもなく、途方に暮れていると老猿が一匹来た。
老猿は重氏を見ていたが、しばらくして大勢の猿を集めた。どの猿も葛を手に取っており、重氏のもとに葛の端を下ろした。
重氏は不思議なことだ、とよろこび、葛をよりあわせ一本の大きな綱とした。
猿たちは大木に葛を絡めつけ、それぞれ葛の端を手に取り支えたところ、重氏は葛をよじのぼり、危うく命が助かった。
大勢の猿はすぐに逃げ去ったが、初めの老猿は残り重氏の方を見ていた。
重氏が帰ろうとすると老猿が後からついてきた。
重氏は恩知らずのあさましい小人だったため、その猿を一矢で殺してしまった。
宗麟公はこれを聞きたまい、重氏を呼んで仔細を問うと、翌日切腹させた。
宗麟公「重氏我に対して罪なし。子孫において仔細なし」と子供に父の領地全てを相続させた。
重氏にとって老猿は天地父母主君の次に来るほどの大恩人であるのに、恩を仇で返すとは禽獣にも劣ることだ。
そのため重氏の子孫にも老猿の精が祟りをなしたため、社をつくり、山王権現として祀ることになった。

関連
その行司に切腹を仰せ付けた



321 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/08(火) 08:51:42.70 ID:UWWLnGEW
猿ものは追わず

322 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/08(火) 08:52:40.31 ID:EhFZQJMw
むしろ来るものを拒んだ結果
スポンサーサイト