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楊貴妃

2016年04月01日 11:34

542 名前:人間七七四年[] 投稿日:2016/03/31(木) 22:01:32.29 ID:ItdhJ63t
楊貴妃

侏儒どん(徳田大兵衛)が地頭を務めている日当山は、神代にまで遡る(※)といわれる鹿児島最古の温泉地で、
侏儒どんが地頭になった頃は、混浴のところがありました。
そこで侏儒どんは混浴は風紀上よくないから、男女別々にするように、皆と話し合いました。
これには「地頭さあは無粋なお人じゃ」との声も出ましたが、結局混浴はしないことになりました。
が、混浴を止めたら、のぞきが増えた。
毎日のように女性たちから侏儒どんに
「なんとかしてほしい、これではゆっくり温泉に浸かれない」という訴えが続きました。
侏儒どんはいろいろ考えた末、一策をあみだし、鹿児島まで買い物に出かけました。

数日後、侏儒どんは二、三十人の若者たちを集会場に集めました。
「では皆の衆、暑いから扇子でも使いながら、これから面白く涼しい話でもしようではないか」
侏儒どんは鹿児島で買ってきた扇子を一本ずつ配りました。
若者たちは怒られるのではないかと、はらはらして集まったのに、案外くだけた様子にホッとしました。
「ところで皆の衆、温泉といえば有名な楊貴妃を思い出すのではないか」
「楊貴妃とは誰ですか?」
「楊貴妃を知らなかったか。彼女はのう支那の玄宗皇帝のお妃で絶世の美人だったのじゃ」
「へえーそげな美人ですか」
「うむ、その楊貴妃を讃えた詩に“温泉水なめらかにして凝脂を洗う”というのがある。
楊貴妃ほどの美しい人の入浴姿は、さもあるべしと想像されるのう」
「地頭さあも、そんなことを思われますか」
「そりゃ、俺も男じゃからよ。その楊貴妃が温泉からあがった時の姿を書いたものの中に、
楊貴妃が扇子をもって前部を覆っている姿があるのじゃ」
若者たちは、それぞれ手に持っていた扇子を、何か意味ありげに見るのでした。
侏儒どんは続けて、
「あちらでは、薩摩のように手拭などで前を隠さないで、扇子を用いるのが習慣となっているのじゃ」
「へえーそんなに扇子が多いのですか」
「うむ。一般に支那では扇子は紳士淑女の嗜みとして、かねがね持っているのじゃ。それは孔子様の
教えにもあるとおり、君子が見るべからずものを見た時、例えば婦人の裸体姿をうっかり見た時、
扇子で自分の顔を覆い隠して、見ないようにしているのじゃ」
「地頭さあ、要するに教養の問題ですなあ」
「そこじゃよ。気づかれたか」
「はい」
「節穴からのぞく下品さと、扇子の隙間からちらっと拝む上品さと、それだけの違いじゃよ」
「よくわかりました」
「はっはっは、その扇子は一つずつ持って帰りなさい」
(日当山侏儒どん物語)

のぞきをする若者たちに、作り話で諭す侏儒どんのいい話

※日当山の伝承では、イザナギとイザナミの二神が足の立たない蛭子命を天磐橡樟船(あまのいわくすのふね)で
 流し、この地に送り療養させたといわれる。

 日当山のすぐ近くには、蛭子命がついたとされる場所に、蛭兒神社(大隅国二之宮)があり

 蛭子命が流された時使われた「水棹」が活着したと伝えられる珍しい「金筋竹」も境内にある。



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あれ?この話どこかで・・・牛の置物

2015年12月04日 13:57

76 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/12/04(金) 00:31:37.50 ID:4kp9LciP
あれ?この話どこかで・・・牛の置物

島津の殿様(忠恒)は朝から機嫌が悪かった。
「だれかある」
小姓があわてて殿様の前に出てきました。
「あれを見い。床の間の置物を見い!」殿様は怒鳴った。
小姓は「おお、これは、えらいことになったぞ」と思いました。
牛の置物が大きく壊れていたのだ。
この置物は佐賀藩から贈られた陶器の牛で中国から渡来したものであった。
殿様はこの陶器がことのほかお気に召し、この焼き物を眺めながらお茶を飲まれるのであった。
その牛の置物の尻が大きく壊れているのであった。
「牛の置物を壊したのはそちか」
「いいい、いいえ、わたくしではござりませぬ」
「誰がいたしたのじゃ」
「わわわ、わたくしめには、わわわ、わかりませぬ」殿様の怒りがあまりに激しい為、言葉もすらすら出てこない。
「重役を呼べ!」
「はははっ!」
重役たちが恐る恐る御前に出ると、
「この牛の尻を見い!」と殿様は大きな声で怒鳴った。
重役たちも答えようがなく「ははあ!」と頭をさげただけだ。
「牛の尻をこのようにしておきながら、黙っているとは不届きな奴じゃ。手討ちにしてくれる。呼び出してまいれ!」
手討ちにされるのに「わたしが壊しました」と名乗り出てくる者はいない。
重役たちも手討ちになるのは気の毒ことだと思っていたので、熱心に犯人を捜そうとはしなかった。
時間を稼ぎ、殿様の怒りが静まるのを待っていたのだ。
ところが殿様はますますいらいらして、
「何をぐずぐずいたしておる!この部屋に入って来る者は決まっているはずじゃ。限られた者の中から
犯人を捜すのにこのように時間をかけるとは、まことに能力のないでくの坊ぞろいじゃ!」
犯人を探し出せば、お手討ちになるし、探し出さなければ殿様のそばに仕える者たちが罰を受けるかもしれない。
困った重役たちはある人物にこの一件を頼み込むことにした。

少しして、侏儒どんこと徳田大兵衛が殿様の前にまかりでた。
殿様は侏儒どんの顔を見ると、
「この牛を見てみい。情けない姿じゃ」と怒りが収まらず大きな声で言うのであった。
「まことに、醜い牛とあいなりました。牛も尻が欠けると仰せのように情けない姿でございます」
侏儒どんも負けない様に大きな声で言うのであった。
「腹が立って、腹が立って、たまらぬのじゃ」
「わたくしも、一目見ただけで、腹が立ってまいりました」
「まことにもって、ふとどきなやつじゃ」
すると侏儒どんは、つかつかと牛の置物のところに歩み寄った。
「殿様、かかるふとどきものは、厳しく処分いたさぬと癖がつきます」
「厳しく処分いたすつもりじゃ」
「いえいえ、殿様のお手をわずらわすまでもございませぬ。わたくしが処分いたしまする」
と侏儒どんは牛の置物を両手につかんで、頭よりも高く持ち上げた。そして、
「殿様の御前に醜い尻をさらしおって、この無礼者め消えうせろ!」
と叫ぶや否や、牛の置物を庭石めがけて力いっぱいなげつけた。

ガッシャーン

牛の置物は木っ端微塵に砕けてしまった。
殿様も、あまりのことに怒りも忘れて、ただ仰天するばかりであった。

(参考 椋鳩十全集24『日当山侏儒物語』など)

家久(悪)、唐代の牛の焼物を壊されて
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2471.html


こちらだと、中馬大蔵重方がその役割ですな。



島津家久(悪)「当山で一番の茶の実を持って参れ!」別バージョン

2015年09月30日 14:18

756 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/09/29(火) 22:25:01.20 ID:prgC4d6J
島津家久(悪)「当山で一番の茶の実を持って参れ!」別バージョン

昔、日当山の地頭に徳田大兵衛(おおひょうえ)という人がおりました。
大兵衛は「侏儒(しゅじゅ)どん」(小さい、一寸法師というような意味・大兵衛は90センチほどの背丈だったそうです)
と呼ばれ、とんちで人を喜ばせたり、やりこめたりしていました。
ある日、島津の殿様(忠恒)によびだされ、
「侏儒、屋敷の周りに庭木を植えようと思うが、何がいいか言ってみよ」とたずねました。
侏儒どんは即座に、
「それは茶にかぎります。垣根になるばかりか茶も取れます」
「なんじゃと、茶の木ともうすか」
「はい。茶の生垣にございます」
「ふむ。それは名案。ところで茶はさし木だったかのう」
「いえ、種から、実からでございます」
「おう、そうだった。ところでそちの所は茶の名所だったのう」(ニンマリ)
「さようで、日当山はお茶の名所でございます」
「(こいつ、まだ気づいていないな。今頃茶の実などあるはずないのに。日ごろ奴のとんちでやられているから、
今度こそはやりかえしてやろう・・・)」
「おぬしにまかす。さっそく茶の実をもってくるのじゃ」
「へへっ」
と、ここで侏儒どんは今頃茶の実などあるはずないことに気がつきましたが、もうおそかった。
得意そうに殿様の鼻がひくひく動いているのを見ると、負けずぎらいな侏儒どんは日当山に帰り着くまでにいいことを
思いつき、日当山で一番お茶を飲むおばあさんの所に行き、
「ばあさん、一度鹿児島に行きたいと言ってたな。明日連れて行くから準備してくれ」

次の日、意気揚々とお城にのりこんだ侏儒どん。
「殿様、さっそく持ってまいりました」
「おう、そうか」(こいつ、強情なやつだな)
「そちが持参した茶の実を出してみよ」
「へへっ。ここに」
「なんだと。このばあさんが茶の実だと」
「へい、確かにこのばあさんが、村一番の茶のみでございます。朝はよから、夜遅くまで茶がなければ
日が暮れませぬ。日当山一の茶のみでございます」
まじめな顔で、平気で侏儒どんはもうしました。
今度ばかりは侏儒どんも困ってまいるだろうと、内心ほくそ笑んでいた殿様は一本とられてしまいました。
殿様は笑いながら
「いや、参った。だがまてよ、生垣にするのだが、その茶のみでは生えぬではないか」
ところが、侏儒どんは
「ほら、ばあさんそこの座敷をはってみなさい。殿様が見たいそうだ」
おばあさんが座敷を這ったので、これには殿様開いた口がふさがらなかったそうな。
(参考 「鹿児島のむかし話」)

また、「茶のみ」の話には続きがあるパターンがあり、
(おばあさんが座敷を這ったので、これには殿様開いた口がふさがらなかったそうな。のあと)
「いや、殿様にものを申し上げると緊張してのどが渇きます。すみませぬがお茶をいただけますか?」
「いやいや、のどが渇くのはそちではなくばあさんだろう。だれかばあさんに水をやれ」
「殿様、茶のみに水ではかわいそうでございます」
「なんの、あの茶のみは、はえるのであろう。早く水をやれ、水をやれ」
「これは一本とられましたな」
「「ハッハッハッ」」
(参考 「日当山侏儒どん物語」「日当山温泉湯けむりガイド2011」)

関連
島津家久(悪)「当山で一番の茶の実を持って参れ!」・悪い話


757 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/29(火) 23:15:01.05 ID:N2PpKGL1
何この193と将軍さま

758 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/29(火) 23:37:37.68 ID:hXJatZKr
いつ斬られるか、ハラハラしたw

759 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/29(火) 23:42:18.35 ID:D+AAVOft
隣の部屋に東郷が控えてるよね

760 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/30(水) 09:43:52.00 ID:z/jP00gW
貞子の様に座敷を這いずり回る婆さんの横でこの漫才。
想像すると無茶苦茶シュールだ...。



761 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/09/30(水) 13:13:12.20 ID:l6MdiJ3I
すみません756ですが、這うと書きましたが
原文では「はう」とひらがなで書かれていました。
参考にした本にはありませんでしたが、別の本の挿し絵にはおばあさんは四つん這いで書かれていました。
・・・四つん這いでもシュールなことにはかわりありませんが。



763 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/30(水) 22:21:50.90 ID:Mrh64YM5
>>756<
お茶ドゾー
  ∧ ∧                                    (ハハ)
 ( ´・ω・)                                  (ヮl` ) 
 ( つ旦O                                 O旦⊂ヽ
 と__)__) 旦   旦   旦    旦      旦    旦    (_(_つ
      濃茶  薄茶 大腸菌 足尾鉱毒 豚インフル 出涸し 日当山一のちゃのみ

                            ;; コポ
       旦   旦   旦    旦    旦 コポ 旦      旦    旦    旦
      砒素  雑巾汁 烏龍茶 加藤茶 ウラン  鳥インフル  タブン VXガス 石見銀山


       旦  旦    旦     旦    旦    旦    旦      旦
       緑青 鉛 プルトニウム サリン 工場廃水 紅茶 福寿草  ミユキのお手製太陽バクバク茶

764 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/10/01(木) 06:17:31.96 ID:MrdFkbNK
知覧茶や霧島茶がないですよー!!

765 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/01(木) 10:59:44.13 ID:abkOZLQC
薩摩人乙

766 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/01(木) 11:13:48.31 ID:fmcSmK7x
>>763
ウッキーさんはお呼びじゃないです

767 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/01(木) 11:40:40.01 ID:1yLYRkQi
はぶあないすでぇー

768 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/01(木) 11:44:39.58 ID:XwpcueLV
子どもにはわからんネタをw

769 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/10/01(木) 13:18:28.02 ID:iAINpaQB
ウィッキーさん、懐かしいなあ。