545 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/17(日) 13:02:25.89 ID:2ndILS+1
ある本に、明石氏(全登)の子である某は、大阪落城の後、田中筑後守吉政が匿い置いていたが、
その事が上聞に達し、御検議あらん為に、その家臣一人を奉行所へと召された。
忠政はこの事を重臣である平野長門と協議したが、長門は「最大事ですから、他人を遣わすべきでは
ありません。愚臣が赴きます。」と申した。
これを聞いた筑後守は落涙して、「余人を遣わさん!」と言ったが、長門は留まらず奉行所へ出て
陳弁した。そして御疑いがあり、拷問に及んだ。しかし平野はそれを嘲笑し
「申し上げるべき事無し!たとえ又あったとしても、武夫たる者が苦を嫌い死を畏れて言うものか!」
と動ぜず、遂に責め殺された。そしてそれ故に筑後守は災いを免れ、明石の子もまたその跡を
晦ます事ができた。
(新東鑑)
ある本に、明石氏(全登)の子である某は、大阪落城の後、田中筑後守吉政が匿い置いていたが、
その事が上聞に達し、御検議あらん為に、その家臣一人を奉行所へと召された。
忠政はこの事を重臣である平野長門と協議したが、長門は「最大事ですから、他人を遣わすべきでは
ありません。愚臣が赴きます。」と申した。
これを聞いた筑後守は落涙して、「余人を遣わさん!」と言ったが、長門は留まらず奉行所へ出て
陳弁した。そして御疑いがあり、拷問に及んだ。しかし平野はそれを嘲笑し
「申し上げるべき事無し!たとえ又あったとしても、武夫たる者が苦を嫌い死を畏れて言うものか!」
と動ぜず、遂に責め殺された。そしてそれ故に筑後守は災いを免れ、明石の子もまたその跡を
晦ます事ができた。
(新東鑑)
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