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925 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/01/11(月) 16:04:57.83 ID:ec3QsGx4
天正17年(1589)天草国人一揆のこと。加藤清正は木山弾正(正親)を大将とする軍と戦いとなったが、
これに出勢の時、清正は道の端にて押し行く軍兵たちの様子を見ていたが、南部無右衛門という者が、
真っ先に進むのを見て声をかけた
「無右衛門、今日の合戦は大事なるぞ!一入精を出せ!」
南部、これに
「別儀あるまじく候。ただ死ぬる迄よ!」
そう言い捨て通って行った。この言葉を聞いた人々は、あまりに大きな高言であると思った。
ところがこの合戦は、言葉にも似ず木山弾正の勢に追い立てられ、清正の軍は旗本まで敗れ逃げた。
その後、諸勢によって軍議があったが、南部無右衛門もその場にいるのを見た清正は聞いた
「そこにいるのは何者か?」」
「南部無右衛門なり。」
「いやいや、無右衛門は今ここに来るはずがない。もし無右衛門ならば、きっとそれは幽霊であるだろう。
清正の家中に、死人が幽霊となったのを抱え置くというのは忌々しいことだ。
さっさとここから、地獄へなりとも極楽へなりとも、行ってしまえ!」
そう言ってその場から彼を追い払った。
(續撰清正記)
天正17年(1589)天草国人一揆のこと。加藤清正は木山弾正(正親)を大将とする軍と戦いとなったが、
これに出勢の時、清正は道の端にて押し行く軍兵たちの様子を見ていたが、南部無右衛門という者が、
真っ先に進むのを見て声をかけた
「無右衛門、今日の合戦は大事なるぞ!一入精を出せ!」
南部、これに
「別儀あるまじく候。ただ死ぬる迄よ!」
そう言い捨て通って行った。この言葉を聞いた人々は、あまりに大きな高言であると思った。
ところがこの合戦は、言葉にも似ず木山弾正の勢に追い立てられ、清正の軍は旗本まで敗れ逃げた。
その後、諸勢によって軍議があったが、南部無右衛門もその場にいるのを見た清正は聞いた
「そこにいるのは何者か?」」
「南部無右衛門なり。」
「いやいや、無右衛門は今ここに来るはずがない。もし無右衛門ならば、きっとそれは幽霊であるだろう。
清正の家中に、死人が幽霊となったのを抱え置くというのは忌々しいことだ。
さっさとここから、地獄へなりとも極楽へなりとも、行ってしまえ!」
そう言ってその場から彼を追い払った。
(續撰清正記)
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