475 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/09/01(水) 20:57:04.11 ID:OeDTsDxd
「我、若年より大君の御近習に侍り、幸ひに御心に合いて、隙なく相勤るを以て学問などするに暇なし。
文盲至極なりといへども、大君の金言を不断承りたれば、家を斉へ国を治る事、少しは心得たるやうなり。
大君天下を知召(しろしめす)に至って、我等も御慈意の御恵みにて、大身となし給ふ。
如レ斯御厚恩なれば、子孫の汝等忘れ奉らざるやうにと存じ、則承り覚たる所の御意※に、
大より小に至るまで先ず心得べき事あり」
※御意に 東大本ではこの所「御意を記して汝等に残し置所なり。能々一句々を守りて忘るべからず。
大君の御意に」とある。
476 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/09/01(水) 21:12:49.18 ID:OeDTsDxd
「第一に、人としての恩を知らずんば人にあらずという事は、誰も誰もいふ事也。
然れども是に近道のある事を知らず。主を主とし親を親とすといふ事は、いかなる愚鈍なる主にても
無理なる親にても、やれいとしや、やれ笑止やと育てゝ、如何にもして主は主の道を立、親は親の道を
立てるやうに、寝ても起きても思ふが第一の事なり。
扨、左様に思ふに付ては、己が身持ちをたしなまずしてはならざる事は、勿論其中にあるなり。
一旦の欲心にて、莫大の恩を忘れ、おのれおのれが身を立る心にては、何とかしか我心を知って守らんや。
この心よりおこれば、譏(そし)るにも叱るにも皆欲心なり。此心を弁えざれば、褒めるもいとしがるもみな
己が欲心なりといふ事を知るべし。能々(よくよく)こゝを弁え、深く味わふべき事なり。」
「我、若年より大君の御近習に侍り、幸ひに御心に合いて、隙なく相勤るを以て学問などするに暇なし。
文盲至極なりといへども、大君の金言を不断承りたれば、家を斉へ国を治る事、少しは心得たるやうなり。
大君天下を知召(しろしめす)に至って、我等も御慈意の御恵みにて、大身となし給ふ。
如レ斯御厚恩なれば、子孫の汝等忘れ奉らざるやうにと存じ、則承り覚たる所の御意※に、
大より小に至るまで先ず心得べき事あり」
※御意に 東大本ではこの所「御意を記して汝等に残し置所なり。能々一句々を守りて忘るべからず。
大君の御意に」とある。
476 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/09/01(水) 21:12:49.18 ID:OeDTsDxd
「第一に、人としての恩を知らずんば人にあらずという事は、誰も誰もいふ事也。
然れども是に近道のある事を知らず。主を主とし親を親とすといふ事は、いかなる愚鈍なる主にても
無理なる親にても、やれいとしや、やれ笑止やと育てゝ、如何にもして主は主の道を立、親は親の道を
立てるやうに、寝ても起きても思ふが第一の事なり。
扨、左様に思ふに付ては、己が身持ちをたしなまずしてはならざる事は、勿論其中にあるなり。
一旦の欲心にて、莫大の恩を忘れ、おのれおのれが身を立る心にては、何とかしか我心を知って守らんや。
この心よりおこれば、譏(そし)るにも叱るにも皆欲心なり。此心を弁えざれば、褒めるもいとしがるもみな
己が欲心なりといふ事を知るべし。能々(よくよく)こゝを弁え、深く味わふべき事なり。」
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