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坂井久蔵の頸

2018年01月28日 16:47

511 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/01/28(日) 10:55:41.38 ID:tXZo+VwF
坂井久蔵(尚恒・織田信長の家臣で高名な勇士)が姉川の合戦で討ち死にした時、彼の頸を
取ったのは、今井角右衛門生瀬半兵衛右衛門の二人だとされていた。

両名ともに、後に豊臣秀次に仕えたのだが、秀次はある時このように奉行たちに命じた
「一人の首を二人で取るというのは不可能である。一人は虚説なのであろう。お前たちはこれを取り調べよ。」

そして詮議の結果、今井角右衛門こそが虚説を語っていたと結論され、刀を没収の上
鷹小屋に押し込められた。さらに侍への見せしめとして、切腹か斬首かと議論されていた
所に、今井が申し上げた

「常のことと違い、武士が他人の骨を盗んで罪科に逢うと言う事は、子孫において屍の上の
恥辱であり、何事がこれに過ぎるでしょうか。
全く命を惜しむということではありませんし、このような証人にするのは気の毒だとも思いますが、
願わくば浅見藤右衛門を召し出され、彼の申す所をお聞き召した上で、御成敗を仰せ付けられるように。」

この浅見は、今井と交流がなく、普段会話をしたこともなかった。
浅見はこの頃安土に居たが、秀次は「彼を召して、いよいよ正しく改め、武義の虚説を
言うものを成敗仕るように。」と命じた。

浅見は安土より呼ばれた。
彼は元々、生瀬とは無二の親友であったため、人々は
「沙汰にも及ばない。今井の非分ということに決まっている。今井は何を血迷って
浅見を証人に呼んだのか。」
専ら、そう取り沙汰した。その夜は浅見の友人たちが集まり、酒宴など行われた。

そして翌日、聚楽の大広間に諸侍集まり、この詮議を聞くべしとそれぞれ固唾をのんだ。
奉行が出仕して浅見を召し出し、篠部淡路守を通して坂井の件を尋ねが、この時奉行たちは

「定めて別の申し様も無いであろうし、今まで言われていた通りであろう。浅見の申し分一通りで
今井の罪科に決まるのだから、速やかにその旨を申し上げるように。」

そう、彼に促した。しかし浅見
「今井は、ここ三十年私と交流のない人物です。対して生瀬は日頃から別して親交のある友人です。
お尋ねのように、有り様に申し上げては、天下に私の外聞を失うことに成ります。これまで
長生きをしてこのようなお尋ねに逢い申す事、迷惑ここに極まるものです。
願わくば他の者を召し出し、よくよくご穿鑿を加えられますように。」

奉行衆はこれを聞くと
「今井と交流のない浅見であるから、今井の非分を申し上げにくいというのは仕方がないだろう。
しかしはるばると安土より呼び寄せ、秀次公も其方の証言を証拠に致すと仰っているのだから、
申し上げるように。」

そう説得したが、浅見はそれでも辞退を押し通した。篠部は一応、この事を秀次に言上すると、
秀次は重ねて証言をするようにと命じた。これに浅見は

「このように進退が極まったことは今までありません。生瀬は多年の友人、今井は多年の不通。
何れに付いて何と申しても、人々の誹謗は逃れがたいでしょう。しかし武義についての御詮議の
事ですから、有り体に申し上げなくては本意無い事ですので、申し上げます。

坂井久蔵の頸は、間違いなく今井が討ち取りました。

比類なき手柄であり、この事は私に限らず、大勢がその場のことについて見聞きしております。
生瀬については多年の友人であり、この件については彼の身を捨てるような事になりますが、
坂井の頸の事について、全く存じよりもありません。これは何かと勘違いをして、あのように
申し上げたのではないでしょうか。」

座中、興を醒まし、言葉もなかった。
しかし「この上は今井別儀あるべからず」と、別途賞せられることとなった。
生瀬は罪科に及ぶべきであった所を、秀次が惜しんで処罰に及ばず、その後に病死したという。
(士談)



512 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/01/28(日) 12:02:12.10 ID:t0jRki3R
>>511
なんで何十年もたってから言い出すんだw

513 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/01/28(日) 12:33:51.88 ID:oyeAe0TI
昔話を聞くのは若侍のつとめ

514 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/01/28(日) 22:19:17.83 ID:+FUSGADB
ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1450461.jpg
なおなぜかセンゴクでは坂井久蔵を山崎新平が討ち取って、
親友の仙石秀久がその仇を討つという展開だった模様
1450461.jpg
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武功の訴訟

2011年11月09日 22:01

438 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 21:44:30.91 ID:eqfgyOin
坂井右近政尚の子、久蔵は姉川の戦いで討ち死にしたが、三井角右衛門という者と生瀬平右衛門という者が
「自分が久蔵の首を取った」と主張していた。

のちに二人は、ともに豊臣秀次に仕えて顔を合わせる事になったが、互いの主張を譲らず訴訟となり、
結果「三井がウソを言っている」と判定され、三井は牢に押し込められ、罰を待つ身となった。

なおも三井は獄中から主張した。
「今一度、詮議を!命を惜しむのではない、『他人の功名を盗んだ』と恥辱を受けるのが我慢ならんのだ!
同じ戦に出た、浅見藤右衛門なら実否を語れよう。浅見を呼んで下され!!」

「三井め、いよいよ惑乱したか。」
人々が三井を罵るのも無理は無く、浅見は生瀬の旧友であり、三井とはロクな付き合いも無かった。

ともかく三井の主張は通り、秀次臨席のもと、聚楽第の広間に呼ばれた浅見は証言を求められた。
「拙者は、生瀬とは年来の知人、三井とは交際も無し。その二人の詮議に関われば、世人に何と言われるか。
証人は、他の者に仰せつけ下され。」

「仲良からぬ三井の虚妄について語るに躊躇あるは分かるが、証人として呼ばれたからは、早く申せ。」
関白秀次直々の命に、浅見は重い口を開いた。

「されば・・・坂井久蔵が首は、三井が取りたるに相違無く、かの戦において、その働き比類する者少なし。
生瀬の主張は、何かの間違いでしょう。」

一同は思わぬ証言に驚き、すぐに三井を解放した。生瀬は秀次の寵臣だったので、罪に問われなかった。
(常山紀談)




439 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 22:31:32.30 ID:p7kLBXjY
その後、生瀬さんと浅見さんの仲はどうなったのか気になる

440 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 22:49:38.79 ID:Wqk3b/4+
生瀬は秀次の寵臣だったので、罪に問われなかった。

何この後味の悪さ

441 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 23:12:18.39 ID:I3CdmeiH
>>440
でも寵臣ってことは連座必至じゃね?

442 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 01:16:33.43 ID:pKCZLA+Z
寵臣に限らず三人とも連座で死んでそうで怖いわw

443 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 07:44:14.61 ID:239SAsSc
寵臣と言うことは後の秀次切腹の時はお供したんかな

444 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 10:06:09.04 ID:TdKyJ+ru
いい話?

445 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 10:31:51.51 ID:aLupD/gf
浅見さんのいい話って言えるんじゃないの?
後味の悪さはあるが

446 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 16:03:28.84 ID:L+jmBk4x
生瀬は他人の手柄横取りしようとして、しかも本当に手柄立てた奴を
殺そうとしてるのにお咎めなしとかwww
俺が秀次ならその場で手打ちにするわ

447 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 18:42:32.88 ID:7oDi95vT
まあ本当に坂井によく似た人を討ち取って勘違いしたのかも知れない。
でも当時重臣の子とはいえ、まだ坂井は年恰好の似た小姓がいる身分ではなかったかな?

448 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 18:51:10.33 ID:UhbLlTKg
こういう奸臣を重用したから秀次は滅ぼされた・・・的な後世の作り話の気もしないではない。

449 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/09(水) 19:01:46.58 ID:232FKQjI
あー、この坂井ってセンゴクでスーパーサイヤ人覚醒のきっかけのクリリンみたいな役もらってた奴か

しかしこれだけ後になって名指しされるくらいに価値のある首だったら記録とか残ってそうなもんだがな