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大森伝七郎、切死の事

2019年05月09日 17:04

11 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/05/09(木) 12:40:57.59 ID:fz55kaSk
大森伝七郎、切死の事

西岡東村に、公方(足利将軍家)数代の家の子で、大森伝七郎という侍が有った。
御所(足利義輝)すでに御滅亡(永禄の変)の後、隠れる場所もなかったが、かつて抱え置き、
懇ろに待遇していた者が西岡に在ったため、彼のもとに暫く滞在したいと思い、密かにそこを尋ねた。

ところがこの者は、大森が来たことを三好長慶方に知らせた(この頃三好長慶は既に死去している。
三好家が長慶の死を秘匿していたためか)。そこで三好方より薄武左衛門磯上甚六郎の両名に、
上下十人の頑強な足軽を添えて、討ち手として向かわされた。

薄武左衛門磯上甚六郎は到着すると、かの者の家の中に入り、大森伝七郎に向かって声をかけた。
「ここに大森殿が居られると承り、迎えにこの両人が参り候。はやく御出なされよ!」

大森は感の鋭い人物であったので、これを聞くより早く覚悟を据えて、立ち向かって聞いた
「私をどこへ召されるというのか」
三好長慶が探しておられる。はやく出させられよ!」
「それがしは入道(長慶)の元へ参っても何の用もない。また言うべきこともない。よって
参る必要はない。」
「そなたはそう思っているかも知れないが、筑前守(長慶)には尋ねたいことが有るとの事である。
はやくはやく、出て参られよ!」

そう、両名が大森に近付こうとすると、「しからば、いざ参らん!」そう言うと同時に、2尺3寸の
打物(太刀)を引き抜くと、薄武左衛門の頸に押し当て、左側の肩先まで斬りぬいた。
磯上甚六郎はこれを見るや「やるまじ!」と抜き打ちに斬りかかったが、この時二階の竹垂木に箕笠が
下げ置かれており、これを斬りつけてしまい、「あっ」と思い太刀を引く間に、大森はすかさず磯上の
高股を両断し、磯上は戌亥(西北)を頭にして倒れた。

続く三好方の郎党たちは、これを見て「逃さじ!」と斬ってかかったが、そこは茅葺きの小さな家のため
働き自由に成らず、天井が低いため斬り損じ、大森に寄る者は斬られ入れ替わる中、六人が同じ枕に伏した。
そして大森伝七郎

「今はもはや、罪造りにお前たちを殺しても何の意味があるのか。」と、座敷へつと走り上がり、
腹を十文字に切って死んだ。見る人聴く者、「天晴、かかる剛強のつはものを殺してしまった。一騎当千とは
ああいう者の事を言うのに。」と、彼を惜しまぬものは居なかった。
三好長慶もこれを聴いて大いに驚き、思わず手を打って、暫く物も言わなかった。

(室町殿物語)



14 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/05/09(木) 14:16:57.26 ID:xv5IJncU
>>11
六人「もう少し早く気づいて(´;ω;`)」
まあ武士の意地というもんかなぁ
全員殺しても次の追っ手がきていつかはやられるだろうし

15 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/05/09(木) 14:26:43.35 ID:sLXFenpt
いや義輝死んだし
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