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その心持ちがないのは不孝だ

2018年07月25日 21:38

946 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/07/24(火) 23:33:26.46 ID:IOR1qyBx
その心持ちがないのは不孝だ


池田利隆の正室の鶴姫(福照院)は、慶長10年12才のときに
10才年上の利隆と結婚したが、元和2年22才で利隆と死別し尼となった。

嫡男の光政は母親に孝行しようとする気持ちが強く、福照院といるときは
母の心を慰めようとおどけて見せるので、近習や女中が堪えきれずに笑って
しまうことが平生の事であった。

福照院が庭に松を植えたはいいが気に入らず、何度も植え直させたときには
光政自ら鍬を持って、母の好みに合う場所を探し植えた。
また光政は、母が吸うためのたばこを刻む*ことさえあったという。

あるとき福照院が、挟箱を持っている奴の真似が見たいと言ったので
光政はすぐに箒を使って挟箱持ちの真似をした。
そのとき政言(光政次男)も、福照院から真似をするように言われていたが
光政の真似を見て涙を流しながら笑っていたので、まともに出来なかった。

光政は甚だ怒って政言を睨んだが、福照院が笑っているので
母のいるところから離れてから、政言に向かって
「国を領する身であるのに、親の奉養事がこのようでよいのだろうか。
 ただ奉養することを楽しみ喜ぶべきなのに、その心持ちがないのは不孝だ」
と仰せられたという。


――『明君逸事』

* 当時のたばこは刻みたばこで、吸うには葉を刻む必要があった。


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