666 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 10:39:23.07 ID:fhuZXmXN
主君替え、六人目
思えば不遇な子であった。
太閤秀吉から豊臣秀長の養嗣子に秀保をと薦められたとき、
秀長には先に養子仙丸がおり、慈しんで育てていたという。
仙丸は
藤堂高虎に貰い受けられることになったが、
秀保が秀長を父と呼んだのは三年に満たなかった。
仙丸が高虎とともに秀保の名代として文禄の役に参戦し
「小藤堂」と異名をとる活躍を見せている頃、
秀保は「兄に習って」「兄を真似て」と枕詞のつく批判を受けていた。
秀保の兄は関白秀次である。
凶暴にして残忍な秀保は大和十津川で不慮の死を遂げる。
短い記録に詳細はつまびらかでないが、まことしやかにその死に様が伝わっている。
ある時、静養と遊山をかねて吉野に出かけた秀保は、面白い余興を考えた。
五十丈の岩の上から深淵へ飛び、また戻って来られたら褒美をとらせるという。
これはと思う者を連れてきては次々と飛ばせたが、誰一人戻らない。
と、ある者が進み出て
「殿、岩の真上よりそれがしが飛ぶのをご覧ください」と秀保を誘い出し、
言うが早いか、秀保を抱きかかえると二人して深淵へと飛び込んだのだ。
「俺がおそばにおったなら!!」
悲報を聞き、高虎は嘆き、悔やんだ。泣いて、泣いて、泣いた。
秀保が死んだあと、秀吉の処置は迅速だった。
跡継ぎがいない大和豊臣家は領土没収のうえ、取り潰しとなったのだ。
「ここと思う家があれば、せいぜい口添えいたす。申し出よ。
わしは武士をやめる。」
高野山に入る決意をした高虎は家臣に告げた。
しかし、家臣たちは誰一人動かなかった。
高虎の心変わりを信じ、固唾を呑んでその動向を見守った。
しびれを切らしたのは、秀吉であった。
「直臣にするというのに、いつまで高虎は拗ねておるのか!」
高野山への二度目の使いに、生駒親正をおくったのだった。
667 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 10:41:30.96 ID:fhuZXmXN
今、気がついた。
これ悪い話です。すみません。
668 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 10:58:15.95 ID:TRikOPIi
暴君を道連れに死んだ忠臣のいい話とも受け取れるけど。
669 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 13:55:29.84 ID:wJJfZMBU
秀保の悪評って兄秀次のそれと同様に事実か疑わしいけどな
兄と全く同じ理由で消されたという印象が拭えない
それにしても小姓に抱きかかえられて諸共に転落死とか尋常じゃないなあ
670 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 14:13:18.69 ID:NQgN2Q85
謀殺という気がする
小姓の出自が知りたいなあ
671 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 14:25:11.38 ID:mI2DShE7
その小姓三河出身だったりしてな
672 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 14:26:12.74 ID:yLI8rgU/
まあ普通に考えて秀次事件の余波だったのだろうな。
しかし秀長の元々の養子だった仙丸がいるのに、それに継がせず数少ない豊臣親藩の
大和豊臣家を潰すってのも、よくよくのことだな。
673 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 15:20:42.21 ID:HIjefIxw
そう思うとやっぱり悪い話だなあ
674 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 15:28:01.27 ID:fYmYZmSQ
なお秀保の変死が文禄四年(1595)4月16日、秀次の高野山への追放が同年7月8日って順番
秀吉にその気があるならば大和大納言家の存続もできた
でも既に秀吉の中では兄弟ともに命運は定まっていたようだな
675 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 15:38:32.70 ID:w/zRP8e7
秀次ぬっ殺すのはまだわからんでもないんだけど
大和大納言家を潰す意義がわからない。
やっぱりもう正常な判断が出来ないほどラスボスの頭はアレだったんだろうか。
676 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 15:45:44.27 ID:HIjefIxw
もう秀頼以外、豊臣の血が残るのが嫌だったんじゃないかね
677 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 16:00:55.70 ID:G2YGzmqm
主家を兄弟喧嘩させた挙句に乗っ取った先例があるからな
678 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 21:55:30.30 ID:vj8SI16d
ラスボスさんの爺馬鹿が炸裂した結果の謀殺か
679 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 22:11:49.53 ID:mI2DShE7
秀保はこのスレでもあまり逸話は出てこないし資料も少ない暗殺なら優秀だったからかもしれん
一族すべて健在だと本家220万石秀次家100万石大和大納言家100万石しかも秀次は関白だし
豊臣一族団結されたら家康も手を出せなかったかもしれんな太閤ももったいないことをしたもんだ
680 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/18(日) 22:16:11.67 ID:jxu+7tuf
>>666
>高野山への二度目の使いに、生駒親正をおくったのだった。
おそらくこの時の縁で高虎さんは生駒さんちの後見人っぽい立場につくのかな?
681 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 07:19:37.88 ID:HLSZEFxf
つまり、生駒さんのいい話だったのか
682 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 11:32:57.78 ID:jANUAsI9
>679
そもそも団結が難しい。
生きていれば秀次と秀頼の間で権力闘争が起きていただろう。
家康に利するかどうかは不明だが。
683 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 16:03:50.57 ID:/ADoIa4N
>>679
秀長の子供なら、伯父さんの子供って建て前の秀頼を支えてくれるかもしれんが
秀保って人は、秀吉の一門じゃない人の子供だろ?
(木下の一門じゃないか?)
かえって揉めるもと。
秀頼(もっといえば淀君)の存在が豊臣を滅ぼしたって言うべきだろ。
木下家の力をフルに使ってそれなりの地位についたのに
急に方針転換したら軋轢が出て当たり前
684 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 16:31:28.55 ID:PO9jLuz4
秀次事件で家康の支持者が増えたってのもあるしな
685 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 18:10:09.85 ID:u2b41KZT
>>683
いや、秀保は秀吉系統の血の人だよ
秀次・秀勝・秀保は、秀吉の姉の子ども
木下家は、ねねさんの血筋の方だ
686 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 18:13:35.73 ID:waerbzUL
>>683
ねねの兄木下家定の子たち(小早川秀秋とか)と秀吉の姉(智)の子たちである
秀次や秀保を混同してるぞ
687 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 21:11:47.47 ID:6Y7YshfA
>>684
三齋とか山内一豊とか、
秀次寄りの大名にしてみりゃ
「ラスボスやりすぎ耄碌しすぎ」
「秀頼のせいであんなことになったんだし、義理ねえよ」
てことになるもんなー。
ラスボスの親ばかはホント高くついたよな
688 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 21:18:28.85 ID:u2b41KZT
さすがの三斎様もちょっと引いただろうな
689 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 21:28:21.17 ID:WQpJAZ5A
豊臣さんはいっぱいいるし別にいいやー的な
690 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 21:31:26.43 ID:ZQij8pHh
賜姓はまた別枠でね?
691 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 22:21:24.76 ID:vKA6lAol
一豊は蔵入地の件で怒られて朝鮮送りにされそうになってるしね
692 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 22:25:39.43 ID:0oNT8kKI
利休切腹で三歳は豊臣を見限ってるだろ