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前田利常とはこべの御汁

2013年06月14日 19:50

476 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/06/13(木) 20:20:36.43 ID:BH4MtpB5
加賀藩の御料理人である長谷川徳左衛門は先年、京に向かう前田利常に従い東海道を下っていたが、
関ヶ原宿に泊まるその日の道中、道端ではこべが見事に成っているのを見つけ、これを乗っていた馬に
挟み進んだ。

さて、関ヶ原宿に着くと、そこにはろくな食材がなかったため、長谷川は焼いた干鱈に先に摘み取った
はこべを加え入れて汁を作り利常に差し上げた所、これを大変気に入られ。度々お替りをして
召し上がった。
そして長谷川を御前に召し、

「殊の外よき汁であった。どうしてこのような料理を思いついたのか?」

と聞いた所、長谷川は

「私が先行して進んでいた所、道際に見事なはこべを見つけました。関ヶ原宿には多分良い食材は
無いだろうと思ったので、このはこべを取り乗り掛けの馬に付けて、こちらに到着した所、
案の定良い食材はありません。ですので先の御汁にしたのです。」

そう申し上げると、利常は感心し

「自分の役儀をよく心得ており、大変奇特である。」

と言って御箪笥の中から金子を、包のまま下された。
その包の中には金子が、一歩五十八切(一歩金は小判の4分の1)も入っていた。

後で長谷川徳左衛門は「御汁一つ料理してたいへんな金子を貰ったよ」と大いに自慢していたそうである。

(微妙公夜話)





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