305 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/06/24(水) 14:46:54.84 ID:6beaGiQ9
信友の忠言
寛永年中、(鳥取藩士の)佐分利九之丞(成忠)が天草(島原の乱)の御使者として来たときに
朋輩たちの暇乞いで「すぐに首尾よく帰宅できるとよいな」と挨拶する者ばかりだった。
その中で松浦次郎右衛門という老士が、日頃親しくしていたので名残を惜しみ、智頭駅(鳥取県智頭町)まで
見送りにきた。そうして暇乞いとして
「其方六十に及んで、生き延びても何の甲斐もないだろう。天晴死を潔くして高名されよ。
今生の思い出を気にして、手を空しくしてでも帰宅し拙者に再会しようなどと思われるな!」
と言ったので、九之丞も
「言われずともその覚悟であった。死んだときは心安く思ってくれ」
と機嫌よく大きく笑って立ち別れたという。実に信友の忠言というものだろう。
――『雪窓夜話』
九之丞は原城総攻撃の際に本丸を目前にして戦死し、その功で子孫は千石加増された。
信友の忠言
寛永年中、(鳥取藩士の)佐分利九之丞(成忠)が天草(島原の乱)の御使者として来たときに
朋輩たちの暇乞いで「すぐに首尾よく帰宅できるとよいな」と挨拶する者ばかりだった。
その中で松浦次郎右衛門という老士が、日頃親しくしていたので名残を惜しみ、智頭駅(鳥取県智頭町)まで
見送りにきた。そうして暇乞いとして
「其方六十に及んで、生き延びても何の甲斐もないだろう。天晴死を潔くして高名されよ。
今生の思い出を気にして、手を空しくしてでも帰宅し拙者に再会しようなどと思われるな!」
と言ったので、九之丞も
「言われずともその覚悟であった。死んだときは心安く思ってくれ」
と機嫌よく大きく笑って立ち別れたという。実に信友の忠言というものだろう。
――『雪窓夜話』
九之丞は原城総攻撃の際に本丸を目前にして戦死し、その功で子孫は千石加増された。
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