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是非に及ばぬ沙汰の限りの分別違いである!

2016年07月18日 09:38

883 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/07/17(日) 23:10:12.50 ID:vJp+rgH5
栗山備後(利安)がある時、こんな話を聞いた

「何某が高い馬を買ったそうだよ。」

備後が「いか程で買ったのだ?」と尋ねると

「銀二十枚ばかりだそうだ。」

これを聞いた備後はたちまち不機嫌と成った
「それほどたわけた奴とは思わなかった!沙汰の限りだ!
馬というものは、どれだけ高値でも二匹の役はせぬものだ!ことに死にやすく、また怪我もしやすく、
少しのことで捨てることになるのが馬だ。
是非に及ばぬ沙汰の限りの分別違いである!」

そう罵ったので、言った者はなんとかその場を取り繕うとした
「いやいや、何某は身代も続き、とりわけ財産も多くあるので、たいていの損では痛みはないよ。」

「勿論あいつはそうだろう!しかし彼より知行の少ないものたちは、擦り切れ疲弊している。
そんな中そのような話を聞けば、少しの貯えであっても自分のために使い捨てるような事の出来ない
者達は気をくさし、事によっては、面目ない事態にもなるかもしれない。
彼のはらった馬の代金を、宜しき衆に分配してやりたいよ。
各肝入に売らせれば、銀2,3枚にて3年5年役を果たせる馬などいくらでもあるだろうに!」

そう語った。

(古郷物語)

栗山備後、高額の馬を買った同僚に憤る、というお話。



884 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/07/17(日) 23:30:13.68 ID:7EQPQjUy
優秀な牡馬なら種牡馬にして何頭もいい馬を得る事が出来る

目先の事しか分からない脳筋かっぺの浅はかさよ

885 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/07/18(月) 04:18:19.80 ID:B8ZnNnMP
競馬シミュレーションゲームっすか?w

886 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/07/18(月) 08:06:16.00 ID:fhWzRjtw
末端消費者がなぜか繁殖を試みると考える不思議脳だなる


888 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/07/18(月) 08:27:26.27 ID:smVtlRxu
>>883
現代に例えるなら、1000万円の高級車を旦那が買うのを、聞いた他人が憤って、
100万か150万の軽自動車をその奥さんや子供達に各自買ってやればいいのに!
というようなものか。ごもっともである。

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栗山利安の野中氏攻め

2015年05月20日 16:31

35 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/19(火) 19:03:38.42 ID:dccwnytO
黒田孝高(官兵衛)・長政父子が、豊前において城井鎮房と戦っていた折のこと。

野中左京大夫、その弟の兵庫助はこれも豊前の国人で、他の者達より領地広く、殊に勇気人に優れた
者達であったが、城井方に付き、兵を多く集め、左京大夫は下毛郡津民村の長岩城に籠もり、
兵庫助は上毛郡友枝村の雁股ヶ岳城に立て籠もった。
両城共に堅固なる要害であった。

黒田長政は彼らを攻めるため、士卒を引き連れ向かうと、野中も居城より出て、井手の口と言う所で
対陣した。長政はここで大いに合戦して、野中勢を切り崩し、敵勢尽く城に逃げ入った。

その後、野中勢は籠城して手出ししてこようとしなかった。しかし彼の地は難所であるため、
急に攻め落とすことは困難であり、長政は孝高と相談し、栗山四郎右衛門(利安)に

「野中の城に馳せ向かい、何か手立てを以って攻め落とすように。」

と命じた。しかし四郎右衛門
「かの両城は切所であり、殊に敵は大勢です。私が小勢で攻めて、もし戦に負ければ、
お為になりません。他の者に仰せ付けられるべきです。」


長政はこれを聞くと激怒した
「四郎右衛門、臆したる返答なり!」

「そのように私を臆病者とお考えなら、なおさら他の者に仰せ付けなされ!」

「お前を選んで申し付けたのだ!どうあっても出陣しろ!」

そう再び命じた。
(長政是を聞て、四郎右衛門臆したる返答なりとて、以の外怒り給う。四郎右衛門申けるは、
左様に我等を臆病者とおぼしめさば、猶以余人に仰付られ候へと申しければ、
汝をえらびて申付るにてこそあれ、是非発向すべきよしふたたび命ぜられる。)


四郎右衛門は「この上はとかく申すに及ばず」と了承し、士卒を率いて彼の地へと赴いた。

彼はこの時『家臣多き中に、今度の打ち手に選ばれ指を向けられたことは、武士の面目、
これに過ぎる事はない。であれば、今度の戦に打ち勝って敵を平らげれば、生涯の大幸である。
もし撃ち負ければ、何の面目があって主君にも朋輩にも再び顔を向けられるだろうか。』と思い、
諸卒を励まし精力を尽くして戦った。

敵は山中より出て度々戦ったが、四郎右衛門はその度に戦の利を得たので、敵はその勇気に挫かれ、
叶わないと思ったか、ついに両城を放棄し退いた。

その後、野中兵庫助は豊後に逃げて身を隠していたのを、黒田孝高より大友に通報したため、
彼の地にて誅殺された。

今回の戦で、栗山四郎右衛門は度々の戦に打ち勝って敵を退治し、両城を乗っ取ったこと、
孝高・長政父子は甚だ感じ入り、その褒賞として野中の所領を四郎右衛門に与えた。

(黒田家譜)

なかなか面倒くさい、栗山利安の野中氏攻めの記事である。




36 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/19(火) 19:07:43.50 ID:UTKPfOmn
城井さんの石高ってどれぐらいあったんだろう?

37 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/19(火) 21:05:01.61 ID:De3nPYMt
10万程度

38 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 05:54:28.96 ID:78f3vBWR
十万石程度の相手に、卑劣な騙まし討ちをしないと駄目だった豊臣・黒田
城井がそれだけ凄かった、と考えるべきなんだろうか

39 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 09:03:51.00 ID:bRuGbdwU
城井さんと一族かわいそうだな クソ黒田&豊臣め

40 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 09:08:39.46 ID:tzsugiDo
勝てる見込みのない戦いはしないのが秀吉官兵衛であって勝つつもりで戦うのが長政

41 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 14:29:31.28 ID:1et9E2AO
>>38
程度っていうけど、12万石に封じられた大名が10万石の在地勢力を潰すって
かなり大変な気もする
秀吉が全面的に後援してなきゃさ

42 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 16:18:47.83 ID:O5wfIdSV
秀吉はそこの土地やるから鎮撫はお前らでやれというスタンスではなかったか

43 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/05/20(水) 17:17:58.71 ID:R6AXP4Pj
>>42
んで、手に負えなくなって秀吉に泣きつくと、
改易が待ってる。佐々だの木村親子だの…

栗山利安、朝鮮にて

2014年07月21日 18:52

336 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/21(月) 12:39:24.59 ID:2f/+l11S
朝鮮の役でのこと

黒田長政は朝鮮のおける占領地のうち。4,5郡を重臣である栗山利安に預けた。
利安は慈愛を以って民を懐けたために、朝鮮人たちはその支配を喜び、毎日その政庁に来て
利安を拝した。利安は、「大勢の者と毎日対面するのは難しい」と、2,3日に1度づつ来るように
申し付けた。

この様子を知った黒田長政は、「鎮まりかねたる所を良く懐けたものだ、ちょっと様子を見てこよう」と
利安の領地に向かった所、朝鮮人たちはこの軍勢に驚き、合戦の用意を始めた。
しかしそこで利安の馬印が見えたため、そのまま鎮まった。

(黒田家臣伝)

栗山利安、朝鮮で善政を行うというお話。




栗山善助、大町何助を斬る

2014年07月19日 19:09

692 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/18(金) 20:22:58.79 ID:ImTMwhdl
永禄11年(1568)頃のこと。
この頃、黒田官兵衛孝高の家臣に大町何助という者があった。彼は隠れなき強者であったが、
官兵衛に対し逆進の色が表れていたため、官兵衛は栗山善助利安と、上原新左衛門とに、
これを殺すよう命じた。
ちなみにこの頃、栗山善助は18歳である。

折しも官兵衛の邸宅には来客があり、栗山善助はこの給仕をしていたのであるが、官兵衛より
何助の所へ使いに行けと言われ、大事の使いであるからと、黒田家に伝わる『森田刀』と呼ばれる
重代の太刀を貸し与えられた。

栗山善助はあえて肩衣袴という公的な衣装のままで向かい、何助が丁度家に滞在していたので、このように
言った

「本日は御使に参りました。その内容ですが、先日上方よりこちらに下ってきた商人が死亡した件、
大変難しい案件でしたが、あなたのご才覚のお陰で無事に相済み、後は荷物を改めそれを上方に送れば
埒の開く事となりました。ですので、貴方が保管しているあの商人の荷物を、私に相渡すようにとの
御意でございます。」

何助は「心得たり」と了承し、立ち上がって手軽く支度をし、酒を飲み、従者に鑓を持たせ、いかにも
用心した様子で「荷物をおいた所に行こう」と道を進んだ。彼も官兵衛の様子を怪しみ警戒していたのだろう。

やがて道の途中で、何助は2尺9寸(約88センチ)ある大太刀を抜くと
「どういうわけか胸騒ぎがする。これより御着城(官兵衛の主君・小寺政職の居城)に退き、
私に私曲が無いことを申し上げてくる!」
と、道よりすき田の中に飛び降り、罵り喚きながら去ろうとした。

栗山善助はこれを追いかけ、「其の方は酒に酔い狂っているのか!?」と色々と言いあしらってみたが
何助は全く納得せず、もはや是非に及ばずと思い、声をかけ、何助が立ち向かってくる所を、
跳びかかり抜き打ちにした。

ほぼ相打ち、であった。が、善助の太刀が一瞬早く何助の右袈裟に当たったため、彼は刀を取り落とした。
このため善助は、何助の頭を両断した。この時、地面に石があって、刀の切っ先の刃が少しこぼれた。
この時は誰か人を呼ぶ時間もなく、上原新左衛門と事前に相談することも出来なかった。
(黒田家臣伝)

栗山善助、大町何助を斬る。というお話し。




693 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/18(金) 20:35:16.23 ID:wdGBzw2U
>>692
善助って筆頭家老に置かれるように強いんだよな、大河ドラマだと強そうにみえんw

694 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/18(金) 20:46:33.85 ID:cYSove4I
家中の栗


言ってみたかっただけや

695 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/18(金) 23:21:57.41 ID:s1lza5UX
あの粒ぞろいの黒田家臣の筆頭だからな

696 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 00:17:55.12 ID:eT0u4joW
某「やはり逆心の色があらわれてるのはよくないよね」

697 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 07:23:05.83 ID:JOX3gfj0
これ、どう悪い話?
煽りとかではなく普通の話っぽく感じたが

698 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 07:30:39.83 ID:gRWkgcYp
暗殺しに行ったのに、気づかれて正面からの斬り合いになった、間の悪い話
もしくは善介の演技力が悪い話

699 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 13:37:50.91 ID:7LBoo0m0
>>692
読んでから大河ドラマみると強そうに見えるぞ。

栗山備後怖い

2011年09月15日 22:16

914 名前:1/2[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 18:22:27.53 ID:9TW0y1e0
黒田家の村田出羽守吉次といえば、大人として立派な所は少しもない(人がましき儀は少しもなく)が、
覚悟というものをよく知っていて心任せの働きをする人物であり、友人の中で似た人間といえば、母里但馬(太兵衛)
くらいのものだったという。
こんな村田出羽だが、重臣筆頭とも言うべき栗山備後利安の事だけは恐れていた。

ある時のこと。普請場で栗山が見回っていると、村田出羽が例によって高言をしているのが聞こえてきた。曰く

「わしが当家において恐ろしいのは殿様だけだ!年寄衆なんて、ヘチマの皮とも思わねえよ!」

これが耳に入った栗山、静かに村田へ歩み寄り、静かに言う

「おい出羽よ、わしが居る所でそんな事は言わさせねえぞ?
殿が許しているからって誰にも彼にも慮外を働きやがって。お前は御家の邪魔者だ!(御家の邪魔になる奴なり)
以後、よくその事を心得ろ!」
そうみっちりと叱りつけた。

これには村田も苦々しく思い反論した
「これは備州殿の御言葉とも思えぬことを。わたしは誰にも慮外なことをしたことなんでありません。
第一、御家の邪魔になった事なんて絶対にありえない!
宿老筆頭に似合わぬ申しようです!」

が、栗山
「おのれがどう見られているか知らないから、そんな風に思うのだ。
いいか、お前ほど邪魔になっている者は、当家の事は言うに及ばず、他家にもありえないほどだ!
若い頃追いつき首の1つ2つ拾った事を鼻にかけ、でかいツラしやがって!
殿様はお許しになっているかも知れないが、この備後は許さぬぞ!
さあ、家中に恐ろしい者があるのか無いのか、ほざいてみろ!(家中に恐ろしき者があるかなきか、一言吐いてみよ)」

そう言うと短刀を抜いて、変な動きでもするか、屁理屈でも言おうものなら一打に殺してやる!という覚悟。
これに村田出羽、頭をうなだれその場に座り込んでしまった。しかし栗山ここで手を緩めるような男ではない。
村田の頭の上から「推参至極な奴めが!いつもの人もなげな息を吐いてみろ!」と踏みつけんばかりの勢い。

この時居合わせた者たちは素早く集まってきたが『村田のやつあんなみっともない姿をしているが、油断のならない
悪戯者だ。ああやって栗山殿の前で恐れいった体で散々に叱られているが、そう油断させて栗山殿を斬りつける
つもりに違いない!その時は我らが出羽に取り付いて簡単に目的を果たさせないぞ!』と一同心に誓った。
流石村田出羽。信頼感はゼロである。

と、栗山が叱るだけ叱りつけ、そろそろいいかな?という頃合いに村田はようやく声を上げた
「さてさて、道理至極にて御座候。当家に恐ろしき者など居ないといったのは、近頃不届至極、沙汰の限りの
発言でした。この事に関して、この出羽も謝罪します。どうかお許し下さい。」
そこで栗山「なら、さっさと引っ込め!」と言ったので、これを塩に村田、すごすごと立ち退いた。


915 名前:2/2[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 18:23:04.68 ID:9TW0y1e0
それから暫く後、

村田はこころやすい友人たちと語り合っていたとき、相変わらず高言をし、懲りもせず
「恐れながら殿より他には誰も恐ろしい者は居ない!」
とぶち上げていた。これにはさすがに友人たちも呆れて口々に

「おい出羽、あんまり大口を叩くなよ?この間備後殿に斬られかけた時は、流石にみっともなかったぞ?
お前が殿様にあそこまで叱られた話は聞いたことがない。浅ましくて見苦しい姿だったぞ!」

と言ったがこれに村田出羽、笑って
「あれはお前らが言うように、見苦しかったなあ。俺もな、これは堪忍できないと思っていたのだが、
少しでも反論したら斬ると言いかねぬ勢いだった。
ジジイめ、あのジジイのことは俺が子供の頃から能く知ってるが、とにかく動きがキビキビしていて、
太刀さばきも妙に早い奴なんだ。
で、うっかり俺が斬られたとしよう。殿様はこれを両成敗になんかしてくれないよ?逆に

『村田のやつは悪戯者だから首を切りたいと思っていたのだが、子供の頃から召使いあれほど
人がましく取り立ててやった以上、不憫に思って今まで助け置いていたのだ。それを斬るとは、さすが備後!』

なんて誉めるぜ!?

その上あのジジイは『しかし村田の子供を助け置いては将来心もとない』なんて言って追放にして、
子供まで野垂れ死に。俺の一類共に死に果てる、というわけだ。
あの男に斬り殺されるなんてのは、犬に食い殺されるような不名誉なことだ!
そう思って堪忍成りがたきを耐えていたのさ。

能く聞いておけ、いつ何時でも、あのジジイには叶わねえ。もし俺が又あのジジイの腹をたてるようなことを
してしまったら、この出羽はどうにかしてその機嫌をとり、それでも機嫌が治らなければ、もう逃げるより他に
道は無い。
これは俺一人に限った話じゃないぞ!?今後一体誰があのジジイの機嫌を損ねるか知らんが、
とにかくあいつは喧嘩好きの恐ろしい奴だ(兎角喧嘩好きの恐ろしき奴めなり)。
お前たちも用心するんだぞ!」

こんな事もあり、村田出羽は栗山備後だけは恐れたが、その他の者には相変わらず無茶なことを
ふっかけていたそうである。

栗山備後怖い。というお話。
(古郷物語)



916 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 18:37:17.02 ID:REmqb7Y9
栗山さんが生徒指導の先生みたいだ

917 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 18:39:36.05 ID:X9cJJGcw
>流石村田出羽。信頼感はゼロである。
なんで黒田武士って奴は…

黒田家の話がでる度に
自分の中の、栗山備後さんの株がどんどん上がっていく

918 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:03:29.90 ID:B4f6fVaP
>その時は我らが出羽に取り付いて簡単に目的を果たさせないぞ!』と一同心に誓った。
って、黒田家の人は栗山さん好きだねぇ
アイコンタクトで頷き合う皆さんを想像したw

ところで殿様ってngms?ngmsって恐れられてたの??


919 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:12:36.65 ID:X9cJJGcw
如水さんでは?

920 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:30:54.50 ID:TvNm0z4o
あんま関係ないけど遠賀川と洞海湾を結ぶ堀川作った栗山大膳って備後さんの孫とか曾孫?

921 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:40:25.42 ID:gdJb56VG
大膳は備後の長男

922 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:53:33.96 ID:TvNm0z4o
>>921
ありがとう、小学校の社会の授業の時に黒田藩の堀川の話が出て、
大膳さんだけ名前が出てくるんで妙に印象に残ってんのよ。

923 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 19:57:47.81 ID:Z/uKzV5p
栗山大膳ったら栗山大膳事件だろ
あれもちょっと悪い話

924 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 20:52:23.24 ID:HDc85GKv
もう黒田家がDQN高校にしか見えない

925 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 21:34:00.22 ID:X2uopfih
魁 黒マティ高校

926 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 22:52:00.29 ID:FCsq89Gf
   、ミ川川川彡                 ,ィr彡'";;;;;;;;;;;;;;;
  ミ       彡              ,.ィi彡',.=从i、;;;;;;;;;;;;
 三  ギ  そ  三            ,ィ/イ,r'" .i!li,il i、ミ',:;;;;
 三.  ャ  れ  三    ,. -‐==- 、, /!li/'/ 村田l'' l', ',ヾ,ヽ;
 三  グ  は  三  ,,__-=ニ三三ニヾヽl!/,_ ,_i 、,,.ィ'=-、_ヾヾ
 三  で       三,. ‐ニ三=,==‐ ''' `‐゛j,ェツ''''ー=5r‐ォ、, ヽ
 三.   言  ひ  三  .,,__/ 栗山   . ,' ン′    ̄
 三   っ  ょ  三   /           i l,
 三.  て   っ  三  ノ ..::.:... ,_  i    !  `´'      J
 三   る  と  三  iェァメ`'7rェ、,ー'    i }エ=、
  三   の   し  三 ノ "'    ̄     ! '';;;;;;;
  三   か  て  三. iヽ,_ン     J   l
  三  !?    三  !し=、 ヽ         i         ,.
   彡      ミ   ! "'' `'′      ヽ、,,__,,..,_ィ,..r,',",
    彡川川川ミ.   l        _, ,   | ` ー、≡=,ン _,,,
              ヽ、 _,,,,,ィニ三"'"  ,,.'ヘ rー‐ ''''''"
                `, i'''ニ'" ,. -‐'"   `/
               ヽ !  i´       /
               ノレ'ー'!      / O

927 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 23:03:29.75 ID:O3B3TDip
大坂の陣の後の大坂城普請だとすると
村田出羽の言う殿はngmsの事か?

村田出羽は若い頃からの近習だというけど
恐れられるようなところがあったのか?

928 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 23:30:00.03 ID:Evhmt26N
>>918
子供の頃から~とか言ってるから長政ですね
村田は如水が息子の遊び相手にほとんど誘拐同然に連れてきた家臣だから、長政もこいつには甘い

つか、長政時代の黒田家ってああいう逸話はあるけど、基本長政専制的なんだけどね

929 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/15(木) 23:54:09.90 ID:B4f6fVaP
>>928ありが㌧
読み直したら栗山さん「ジジイ」呼ばわりされてるので、
ああ、もうngmsが家督した後なんだろうなーとぼんやり思ってました

如水さんは、村田といい又兵衛といい、
エキセントリックなのを息子にあてがう癖があったのか・・・

930 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 00:07:48.53 ID:CDRE0Chl
とりあえずngmsが先頭で突っ込まない程度の配慮だったりして

ところでngmsや菅正利の賤ヶ岳での活躍は無いですか?

931 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 00:21:33.59 ID:UTiraLRZ
>>929
獅子は我が子を千尋の谷に落とす的な試練だよ。多分。

932 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 00:38:38.70 ID:IjqqNn1F
長政の賤ヶ岳の顛末ならまとめにあるよ
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3536.html

ここでも栗山さんががんばっているのであった

933 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 01:00:21.66 ID:CDRE0Chl
ありがとうございます
村田出羽との話しのあとだからか味わい深いですね

934 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 06:41:04.64 ID:jJD+o/dC
>「わしが当家において恐ろしいのは殿様だけだ!」
色々問題ある人のようだけど主君に対する忠義はあるみたいだから問題ないな

935 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 07:51:19.24 ID:91s7Ex/Q
又兵衛「 (#゚д゚) 、ペッ 」

936 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 10:55:09.23 ID:qC83DAIe
>>931
獅子は我が子に保険金をかけて千尋の谷に落とす?

コンビ誕生

2011年08月25日 22:38

229 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/25(木) 14:10:14.87 ID:prBPLEgH
コンビ誕生

栗山備後守利安と母里但馬守友信は、黒田如水が若い頃から側近くで使っていた。
その頃栗山は善助、母里は萬助と呼ばれていたが、如水は両人とも将来見どころのあると思い、
いつか取り立ててやろうと思った。が、問題がひとつ。もちろん母里萬助に、である。

母里萬助はいつも無分別に粗暴なことばかり言い廻り、人間として非常に問題があった
(萬助は無分別に荒き事のみ言廻り、大方人外の體なれば)
そのため朋輩たちもうんざりし、我慢も限界という状況であったそうだ。だいたい母里但馬という人は、
大人になり立身してからも、とんでもないやらかしが多かったのに、まして子供の頃なんてどれほどだったか、
想像がつくでしょう?(年たけ立身仕りてさへ、笑止なる事多し。まして童の時は、思ひやられたり)
とにかく黒田家の大問題児だったと言うことですね

さて一方の栗山善助だが、こちらは少年の頃からおとなしく、道理を良くわきまえ、日常の過ごし方も
年来の功者のようであった。
彼は15の頃から如水の側近くで使われていたが、その頃から何かことが起こった時に一言意見を
言わせてみても、聞くほどに優れた意見であったと言う。
こちらは黒田家の若き秀才でありエリートであったわけです。

こんな問題児と秀才の二人をある時、黒田如水が静かな場所へと呼び出した。そして彼らに言うには

「お前たち二人を取り立てたいと思うんだ。だからこれからは善助は兄、萬助は弟として、ほんの僅かなことでも
話しあって、お互い支えあうようにしてほしい。善助はおとなしくて、萬助はいたずらものだ。
萬助、今後見放すこと無く、兄として善助を引き立ててくれよ?」

そう言われて男気に感じたか、萬助は即座に承知をし畏まってこれを受けた。
と、そう簡単にこれを承知できないのが善助である。

「それはできません」「どうしてだ?」
これに栗山善助、秀才らしく理路整然と答える

「突然のお申し出ですが、私は自分一人の取り回しさえ満足に出来ていません。
そうであるのに兄として人の指南など、やって良い訳がありません。それ故、達てお断り申し上げます。」

如水、これを聞いて自分の目が間違っていないことを知った。
『ああ、かねてからこいつは自分の身の程を知っている人間だと思っていたが、ここまでしっかりしているとは。
これはどうしたって萬助の奴の兄になってもらわないと!』
そう思い善助に対し日を変え場所を変え、事あるごとに了承してくれるよう頼んだ。頼み込んだ。
これに善助もついに根負けし、これを承知した。すると如水は案文を調え誓紙を二枚書かせ、
1枚は善助、萬助の二人が交換し、残りの1枚ずつは「これは、後日の証文にしておくよ」と、如水が受け取った。

幾星霜の時が流れる。
黒田如水に死が近づいていた。

如水は、今や黒田家を支える重臣となった栗山備後、母里但馬の二人を密かに呼び出した。
そしてしみじみと言う

「お前たち、俺の指図に背かず今に至るまであの時の約束を守ってくれていること、ありがとう。
かえすがえすも嬉しいよ。
これからもお互い相談しながら筑前守(長政)を引き立ててやってくれ。」
そして2枚の紙を取り出し

「これはあの時の誓紙さ。本当なら今はもう返すべきだと思うのだが、最後まで約束を守ってくれた
頼もしい誓紙だからな、冥土まで持って行こうと思ってる。俺が死んだらさ、お守りとして棺の中に
入れておいてくれ。」

そう笑いながらそれを、大切そうに懐に中に入れたという。

栗山備後と母里但馬が義兄弟になったいきさつと、その後のことである。
(古郷物語)




255 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 16:53:26.23 ID:PADwzSYL
>>229
母里の人外の體ってどんなんなんだ
かぶきまくって人に見えなかったとかそんなのか?

256 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/08/27(土) 17:05:59.01 ID:6pTFi6De
人か物の怪かという姿形の事じゃなくて、素行振る舞いが常識外れ
当時の人の思考からするとぶっ飛んだ考えの人
世間体の体、体を成すの体

257 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 17:23:04.39 ID:GtND0Z/i
つまり母里さんは
ニコ厨がネタにしまくってるチャージマン研!みたいな人なのか

258 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 17:30:45.20 ID:6pTFi6De
チャー研はキチ○イなんかじゃないやい!

260 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 18:19:57.68 ID:PADwzSYL
>>256
ただ今のところ出てる話では根は真面目そうだよな
関羽や張飛あたりの侠客のイメージになるのか?

261 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/27(土) 18:39:04.50 ID:6pTFi6De
栗山を関羽、母里を張飛とみると二人の間柄も性格もそんな感じだね

黒田長政、嫡男の袴着式にて・古郷物語Ver

2011年08月22日 22:59

529 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/22(月) 03:16:21.17 ID:14mtRMja
黒田長政の嫡男・万徳丸(黒田忠之)4歳の年の暮れ、長政の伯父黒田図書の屋敷にて、袴着(幼年期から
少年期への移りめの儀式)が行われた。この時黒田家中の主だったものは皆罷出て、万々歳を唱えた。

ところで黒田家重臣・母里但馬守友信は万徳丸の蟇目(懐妊5ケ月目の15日に胎児の健康なる成長を祈って
弓を射る儀式)親であり、万徳丸は常に「祖父祖父(じい、じい)」と呼んで良く懐いていたそうだ。
この時も母里は万徳丸の頭をクシャクシャに撫でながら

「万徳丸殿、早く成人して武辺をなされよ?侍は他に何もいらない、武辺が専一です。とと様よりは武辺を能くしてくださいよ。」
これを聞いて当然ながら激怒したのが長政である。

「但馬何をいうか!このワシより能くせよとは!?わたしの武勇を悪しく思っているのかあっ!?
ワシが若い頃には備後(栗山利安)、次には其方を指図し、朝鮮でも度々、その後も神戸、関ヶ原の合戦と、
私は武辺を示してきた。その後は天下静謐となり合戦の場数を稼ぐことはできていないが、とにかく私は
其方共に見限られるような武将ではない!それを何だ!?とと様より能くせよとは!全く理解出来ない(一圓分別に能わず候)」

そう叫ぶと大脇差を抜いて母里を睨みつけた。その場の人々『これは何事だ、大事が起こるぞ!?』と
ハラハラしながら見ていると、母里は長政の脇を向き天井の方を眺めながら(つまり激怒している長政を
ガン無視である。失礼にも程がある)

「変なことに腹を立てる人がいるものだ。自分の子供が武辺を能くせよと言われるのが悪いことか?変な人が居るものだなあ。」
と、そのまま長政の方には見向きもせずに言った。この態度に(当然ながら)長政は治まらない

「万徳に武辺をせよというのが悪いのではない!しかし親より能くせよとな何事だ!?」
これに母里は冷笑し(ホントにそう書いてある)

「他人事ではありますが、御心を静めて聞いてください。武辺というのは図ることも出来ず、底も知れないものです。
何度合戦に挑んでも、やりきったと思うことはありません。合戦のたびに『やり足りなかった』と後悔しないことは稀です。
残念な働きだったと思っているのに、周りが『比類なき働きだった!』と言われれば、不承不承そういうものだとしておきます。
そうであるのに、殿は大名であって能き人を多く引き連れ、能き作戦の元に得たお手柄自慢、笑止ですな。
(大名にて能き人を引き連れ、能く計る所の御手柄御自慢、笑止に存候)
勝ち戦ばかりにお会いなされ、いつもこんな物だと思っていたら必ず不覚を取りますぞ!
まあその辺りの事はそれがしより備後に聞いたほうが詳しいでしょう。それはともかく万徳殿、どうか武辺を成し給え」

相変わらず長政をガン無視したままそう言いつつ万徳丸の頭を撫でた。

さてこの時、その栗山備後守利安は次の間で若い衆たちに酒を勧めて回っていたのだが、長政と母里が声高に
言い合っているのを聞きつけ土器と銚子を持って走ってやってきた。そして長政に

「さてさて勿体無い事ですがこれは私にくだされた盃です。憚りながらこれを拝上いたしたいと思います。」
これを長政の方に差し上げ、
「私が若年で小姓だった頃、如水様の御前でやった小笠原流のお酌を(ここは笑う所)、今ここで思い出しつつ、
昔を懐かしみながらお酌致します。」と盃に酒を注げば長政、

「栗山から盃をもらうのはいつものことだが、酌は珍しい」
と笑いながらこれを飲むと、栗山

「その返杯は但馬(母里)に下さいませ」と言って母里の方を向き
「おいキチガイ!こっちに出てきて杯を頂戴いたせ!(気違ひ罷出て、御土器頂戴仕候へ)」

これに母里も「畏れ入り候」と罷出て、頂戴仕った。これで長政も母里も何事もなかったかのようになり酒宴大いに盛り上がる。
ここで栗山一同に申し上げたことには

「若き者共、よーく聞け!お心掛けの深いのも殿様であり、無分別なのも殿様である!
そして大たわけで、かつ頼もしいのも母里但馬。どうだ当家の武勇、末頼もしいとは思わないか!?
平穏なときはこのように目出度い場で、高下の区別なく酒を飲み楽をし、一旦ことあれば槍を突きまくって
すべき事をしておけば、やがて主君になる人(万徳丸)も、何事も許してくれるぞ!さあ歌え舞え!」

これに長政すっかり機嫌も直り「備後の申すようにすべきことをした者には、許しもしてやらないとなあ」と言い、
そのまま夜明けまで酒宴をしたそうだ。(古郷物語)




530 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/22(月) 03:30:09.33 ID:i/FOXGZQ
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-1508.html
こっちは常山紀談の同じ話
古郷物語を元にしたのだろうか

532 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/22(月) 03:36:30.81 ID:7Ea1Vr1Y
>>530を見ると常山紀談は表現がずいぶんマイルドになっているのが解るなw

栗山利安の臨終

2011年07月26日 23:05

863 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 13:24:07.98 ID:bE4QyERV
栗山備後守利安と言えば、軍陣にての高名は11度、そのうち5度は槍働き、6度は采配をとって人を使っての働き
であり、また仕物(命令で人を斬ること)も4度、このうち2人は豊臣秀吉が黒田如水に仰せ付けられた者を
利安が実際に斬った。
これほどの戦働きをしたが合戦で怪我を負ったということはなく、ただ一度、朝鮮の役で左の小脇に矢がかすり、
血が少し滲んだ事のみが例外であった。
このように大剛の栗山利安であったが、普段は自身の戦の話など、まるですることの無い人であったという。

時に彼は81歳で死ぬ。その前日のことである。

利安はすでに、呼吸をするのがやっと、という状態であり、子どもたちをはじめとした看病をしている者たちは皆、
枕元でその時を覚悟していた。と、この時

利安は不意に、カッと目を見開いた。そして

「馬だ!鉄砲だ!
あそこに敵が出たぞ、味方の人数をここに出せ!あちらに出せ!
鉄砲をあの山に上げて撃たせろ!
敵は馬で駆け寄ってくるぞ!味方は馬から降り芝生に座れ!采配次第に、いかにも静々と懸かれ!」

うわ言に、合戦での指揮を叫び始めたのだ。

看病の者たちは皆大いに驚いたが、そのうちの一人が利安の耳元で

「かしこまり候」

と答えれば、おとなしくなり再び寝入った。

栗山利安はその一晩の間に5度合戦の指揮を叫び、夜明け頃、儚くなった。


戦国の世に生まれ育ったいくさ人の、臨終の模様である。
(古郷物語)




864 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 17:26:42.06 ID:QPdtteeK
古郷物語出典の逸話は内容が丁寧で写実的な気がする

865 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 18:02:44.93 ID:DNW25RW4
一応既出ではあるけど
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3914.html

871 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 21:49:49.83 ID:f8Ab7fdS
>>863
( ;∀;) ホントウニイイハナシダナー

栗山利安と指物争い

2011年07月18日 23:01

658 名前:1/2[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 18:36:44.23 ID:AYRFFBTe
ある年のこと。

黒田家では村田出羽と堤九郎兵衛という二人が、白切裂の指物を差していたのだが、
村田が堤のところに使いをやって申すには

「白切裂の指物は私が久しく差していたのだが、ご存じなかったのだろうか?
戦場で紛らわしいので、あなたはその指物を止めていただきたい。」

これに対し堤の返答は
「昔のことはよく知りませんが、先年の治部少輔(石田三成)の乱の時、如水公が九州に出兵された折、
私はこの白切裂の指物を差していましたが、貴殿は金の半月の指物をしておられました。
そうであった以上これは私の指物と決まったようなものです。あなたの方こそ白切裂の指物を使うのを
止めていただきたい!」

村田はこれに反論
「あの乱の折私は御使番を仰せ付けられていたため、使番の指物を差していたのだ!
ただいまは立身つかまつり足軽頭を仰せ付けられた。そのため指物も元のものに戻したのである。
この事に疑い有らば家中の古参の人々に尋ねられよ、私が昔から白切裂の指物を使っていたことを
証明してくれるだろう!貴殿は早々に別の指物に取り替えられよ!」

堤もそんな事で納得しない
「昔はそうだったかも知れないが、私にとって既に一陣を勤めた指物である!これを指すことを止めるわけには
いかない!」

以上のようなことで、村田と堤の関係は一気に悪化した。
村田は「堤のところに行って指物を踏み折ってやる!」と言ったと云い、包も同じことを言ったと云い、
双方「踏み折れるものなら折ってみろ!」と指物をわざと屋敷の軒下の方に置いている、などと云われ、
もはや二人が道で行き逢えば刺し違えることに成るだろう、とまで言われた。

さらにはこの事を聞いた双方の親しいお調子者たちがそれぞれに「何かあったらお味方いたす!」などと
言ってきたりと、非常に面倒くさい事態へと発展してしまった。

これは流石に良くないと、双方の親類縁者、友人などが間に入って和解させようとしたが聞く耳持たず。
次に黒田家の中老たちが上司の立場から意見したがそれも聞き入れない。
双方異口同音に

「人間としてもし今の指物を止めれば、大いなる恥辱となります!
そんなことをしたら相手が『踏み折るなどと言いながら未だに踏み折らない。口ほどのこともない。
大した人物ではないな。』などと世間に言い回るでしょう!

ですから、御老中の意見は申すに及ばず、例え殿の上意であっても、その意見をお受けすることは出来ません!
切腹を仰せ付けられても、あの指物を止めることはありません!」

こう言い切った。
周りの人々はさすがにあきれ果て、終に黒田家の最高幹部である年寄衆に事の解決を願い出る事にし、
丁度、栗山備後守利安の屋敷にて年寄衆の寄り合いがあったため、そこに出向いてこの件を訴えた。


659 名前:2/2[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 18:37:11.91 ID:AYRFFBTe
二人の親類衆の話を聞いた年寄衆は
「あの二人が指物について口論しているという話は聞いていたが、大したことでもないと思っていたのに、
そこまで話が大きくなっているとは」
と驚きいたが、村田、堤両名が、これ又同じように

『たとえ殿様の御意であっても指物を止めることはありません。御扶持を放たれれば上々の幸せ。
切腹を命ぜられようとも後悔しないと決心いたしました。
御老中の命令といえども、こればかりは承知することは出来ません。
私の決意はこれにて、解って頂けるでしょう。』

と言っていると聴き、「さてもさても苦々しい話だ」と言葉もなく静まり返った。

─と、この時それまで奥の間に居たこの屋敷の主人、栗山利安が戻ってきた。
栗山は話を聞くと「あっはっは」と笑い出し

「何だそんな事か。もっと早く聞かせてもらえればここまで難しい話にはならなかったのに。
まあいい。とにかく村田も堤もここに呼べ。私が両人に申し聞かそう。」

その場の人々「どういうつもりなんだろう?あの二人はもはや、どんな意見も聞くことなど無いのに。
話の内容をよく理解していないんじゃないのか?」と怪訝に思った。

呼び出された村田、堤は座敷に通された。そこで栗山は家人に「私の具足箱を持ってこい」と命じた。
その具足箱を開くと中から、なんと、その両名が命をかけて争っている当の物、白切裂の指物が出てきたではないか。
それを手に持ち、栗山は言う

「お前たち二人は指物のことで口論をしているとか。その争っているのがこれと同じものなら、それは無益の
争いだぞ。

これはな、わたしが若い頃、ずっと差して度々手柄を立てた指物なのだ。
その後成長して、小馬印には別の指物を指すようになったが、これは風に引っ張られることもなく、
まあ何より老後に、若い頃の事を思い出そうとしてな、この筑前に入国の翌年に拵え置いたものなんだ。
わが子大膳には、形見の品とも成るだろう。

お前たちは無用の議論をやめよ。もし未だやるきなら、指物に付いて俺と公事(裁判)をするかい?」

そうカラカラと笑った。

これに村田、堤両名は目が覚めた思いで
「さてさて是非に及ばぬ口論をしてしまい、面目もありません」と同じように答えたため、栗山

「元々二人に遺恨があったわけではないだろう。大急ぎで仲直りするんだな。
まったくお前たち二人は意地が強すぎて、いつも物事を難しくする。かなり宜しくない心得だぞ!」

としたたかに叱りつけると両名「仰せのごとく、我ら二人は遠い親戚でもあります。心やすく
付き合っていたはずなのですが、今回は石車に乗り(調子に乗ること)、是非なく命をかけた果し合いを
するところでした。さてさて、危ないところでした。
今や何の意趣遺恨も残ってはおりません」

と二人して大笑いし、同道して帰っていったという。

栗山利安、指物争いを和解させる、と言うお話
(古郷物語)




660 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 20:31:49.57 ID:+IeTplzg
さすが黒田家の良心

661 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 22:46:04.09 ID:GCqXaR70
水戸黄門のテーマ曲が似合う話だ


662 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 22:46:46.34 ID:yu/UT1Di
理想の御家老だな

栗山備後利安には、いつも悔いている事があった

2011年07月10日 23:32

952 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/10(日) 20:00:28.55 ID:8EqmhZ81
黒田家の重臣、栗山備後利安には、いつも悔いている事があった。

「私が死んだ後この黒田家は、負けるはずのない戦に負け、今までの家の名誉を失う事になるのは
必定である!その理由は、殿(黒田長政)だ!

殿の戦でのお振る舞いはあまりにも軽々しい。最前線の先手や鉄砲隊の備に打ち交わり、
まるで物頭のように駆けまわり、いざ開戦となれば一番に駆け入ろうとされる。

皆が知っているように、この戦でもあの戦でも、私はそんな殿を以ての外に叱り飛ばし
奥の本陣の方に追い返したこと、数えきれないほどやってきたものだ。

私が死んだ後には、あのいきり立つ人を叱る人間はいなくなる。
そうなったら殿は思ったとおりに戦働きをしようとするだろう。
そして一番に駆けこみ討ち死にするか、打ち込まれた鉄砲の弾に当たり犬死をされるだろう。

その事を思うと、なにより悲しくてしょうが無いのだ。」

栗山利安、晩年の後悔、というお話。
しかし長政、ここまで信用ないというのは、よほど栗山さんに手を焼かせたのでしょうなw
(古郷物語)




954 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/10(日) 21:15:38.64 ID:acKouoSN
安心と信頼の黒田家クオリティ

955 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/10(日) 22:23:54.15 ID:Sh0/Fgtg
この時代は大将が討ち死にしたらだいたい負け戦だからな
特に黒田家は跡継ぎがアレだし。

栗山備後利安、臨終の時に

2010年03月28日 00:08

72 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 21:38:56 ID:U/MISp0j
後藤や母里どころか菅や益田まであるのに、筆頭家老の項目がないので、
栗山利安の話を二つほど出してみる

15の時に黒田官兵衛孝高に仕官して以来、生涯挙げた首級は57にものぼり(これは母里太兵衛に次ぐ)、
有岡城に囚われた主君を救いだしたり(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2994.html)、
母里らと共に主君の奥方を護衛したり(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3851.html)、
家中で一番我の強い母里太兵衛に兄貴と慕われ(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2.html)、
長政と母里の大人げない喧嘩を仲裁するのはいつも彼の役目で
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-725.html
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-1508.html)、
とても機転の効く人だったので(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2602.html)、
長男の大吉(大膳)誕生の折には長政がわざわざ祝儀に栗山家に出向くほど彼を重用し、
如水公からはあの合士兜を形見に与えられるような(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3388.html)、
とてもあの栗山大膳の父親で済ませられない、黒田家存続に一役も二役もかっているスーパーご家老です

そんな栗山備後利安も76の時息子に家督を譲って卜庵と称します
そして、長政死後の8年のちに亡くなるのですが、
その臨終の時の話、意識不明だった利安が突然声を上げます

馬よ!鉄砲よ!彼方に敵が出た。味方の人数を揃えてあの山に鉄砲を放て!

栗山利安は戦国を生き抜いた一人の武将として81年の生涯を閉じました




73 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 21:43:33 ID:9acQ2KNU
こういう死に方はかっこいいね。
長政より長生きしてたのは知らなかったから驚いたけど

76 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 22:22:51 ID:U/MISp0j
>>73
というか、黒田家は三代藩主(長政の孫)が80まで生きたのを除けばだいたい50代で亡くなってる
大坂の陣で討ち死にした又兵衛と京都で病死した長政の享年が1歳しか違わんし

78 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 22:29:07 ID:9acQ2KNU
>>76
そうなんか。いや、自分の浅学が恥ずかしい…
長政とかすっげー長生きなイメージがあったんだよな

79 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 22:38:09 ID:U/MISp0j
>>78
長政はデビュー(?)が早いからね
関ヶ原の時まだ33歳だからね
ttp://homepage1.nifty.com/SEISYO/seki-to.htm

栗山利安の貸金

2010年03月28日 00:06

75 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 22:16:23 ID:U/MISp0j
息子と若き藩主の不和という心残りを残しつつ、81年の生涯をまっとうした栗山利安

息子の大膳が父の遺産整理をしてみると、なんと銀百貫目もの未返済の貸金があったと言います
栗山利安という人はつつましやかで忠義心が厚く、家中の者には身分の上下を問わず慇懃でありました
華美贅沢を好まず、倹約かなところはさすがあの黒田親子の重臣というところであり、
家中の者が普段派手な服を着ているのを見かけると呼びつけて、
「衣服には礼服と、普段着と、晴れ着があって、普段から豪奢な服を着るもんじゃない」と叱りつけ、
高い馬を買ったものがいると聞きつけるとそのものを呼びつけて、
「どんないい馬でも二頭分の働きをするわけじゃない」と苦言を呈したと言います
と、一見とても吝嗇な御仁に思えますが、大事な時には惜しげもなく金銀を遣ったそうです
そして、とても面倒見のいい彼は
「なに? 殿の江戸出府にお共する支度をしようにも金がない? よし、貸してやろう」
「仰せつかった普請をしようにも金が足りないそうだな。俺が貸してやろう」
と、部下たちに気前良くお金を貸していたそうです
しかも、後で返済に来た分は受け取るが、返済しないからと言って取り立てることもなかったようで、
そうやって積もり積もった貸金が、筑前入府から利安死後の30年間で積もり積もって百貫目だったそうな

ちなみに一貫目=1000匁で、慶長14年で1両=銀50匁だから、2000両?
1両が現代でいくらになるかは5~20万と諸説あるそうですが、
とりあえず寛永期なら下女の年間の給料が0.5両だそうです




77 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/27(土) 22:27:11 ID:JNpqLnNb
>>75
この時期は1両の価値が最も高かった頃だと思うから、20万円とすると
4億円ですか。おそろしい。

栗山備後利安、書状を書き直す

2009年08月10日 00:14

221 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 14:04:55 ID:aCF4y+mj

では、同じ黒田さん家で現代人にはまずマネできない話。

黒田長政が慶長の役で和寧関に陣を敷いた時のこと。
先鋒の後藤又兵衛と栗山備後利安の兵三千は、明軍数万の奇襲を受けた。早速本陣に
知らせを送ることになったが、利安は使者を呼び止めた。「待て、書状を見せてみよ。」

『ご注進 敵が夜中に川を越え交戦中。早々に援軍をお頼み申し上げます。』
「なんじゃこりゃ、書き直せ。良いか、文面は・・・」
『ご注進 敵が夜中に川を越えましたが、大事ないので我らのことはご心配なく。』

又兵衛と利安が必死に防戦した結果何とか敵を追い返し、やがて異変を知った長政も
やって来た。「備後!何故わしに黙って戦を始めた!」
「・・・敵の奇襲を受けたゆえ、戦を始め申した!」
「いや、怒っているのではない。何故黙ってこんな危ない戦をする?お前が死ねば、
わしも生きている甲斐がないではないか・・・」

涙ぐむ主君を見て黒田惣右衛門(図書助・如水弟)が、
「申し訳ない、『早々に救援を』という書状を書き直したので・・・」と謝るのを利安は遮り、
堂々と言った。

「書状は拙者の吟味の上、書き直しました。それは、明軍数万と対する上は救援を頼んでも
間に合うか分からぬ。もうこれは遺言になろう、と思っての事にござる。
また、『我らのことはご心配なく』との書状が秀吉公他に知られれば、「覚悟の上で働くも
力及ばず、あっぱれ黒田武士」と、評判になりましょう。
しかし『早々に援軍を』などという書状が知られ、「少数だからと後詰を待ち、臆したる卑怯者」
と言われては、御家の為に死んだ者の恥辱となりましょう。それを考えての事にござる。」

「・・・お前のその豪気あるからこそ、わしはお前が死ねば、生き甲斐がなくなるのだ・・・」
あとの長政は余計な言葉もなく、ただ感涙し続けた。




222 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 14:17:16 ID:6pT9PU3s
又兵衛:(それくらい察することも出来んのか、先代に比べて(ry)

223 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 14:35:51 ID:w4p9lGQx
>>222
又兵衛てめえwww

224 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/08/09(日) 15:08:55 ID:Fbo8JTWZ
この主従ときたらwwww

225 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 15:55:26 ID:Dwm0qAQf
>>222
しかもそれが無意識に表情に出るし、長政も又兵衛の表情だけは直感的に読むんだよなw
基次さんはそう思ってなかったとしても相性が最悪すぎだって

226 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 17:04:15 ID:CbwWuezW
そんな長政が好きですw