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昼寝城「残党さんの墓」

2010年05月22日 00:06

892 名前:人間七七四年[] 投稿日:2010/05/21(金) 13:19:39 ID:CIYnZ1j2
今週は四国の話が多いなwちょうど昼寝城の名前がでたしその話で
「残党さんの墓」

寒川氏は細川氏に仕え讃岐国寒川郡の郡司を務め、東讃岐に威勢を振るっていた。
戦国期にはいると父である元政の死後、家督を継いだ寒川元隣は代々の居城である昼寝城から虎丸城に移し、
昼寝城には弟の光永を入れた。

昼寝城は矢筈山の中腹に聳えた昼寝山頂に営まれたもので平素には居住できないが、一たん籠もると難攻不落で知られ。
昼寝をしていても攻められないという要害であった。しかし天正三年九月(1575年)阿波国の海部友光に攻められ、
昼寝城はたった二日の戦闘で落城してしまった。

この敗け戦の際、ひとりの男が夜陰にまぎれて中津まで落ちのびていた。
男は逃げ続けるうちに夜もふけてしまい、どこかに休める場がないか探していた。その時に一軒の民家を見つけ戸を叩いた。
戸を叩く音に、この様な夜更けに誰かと思いつつも手燭をかかげて出てきた主は息を呑んだ、ふり乱した頭髪、矢傷、
刀傷でボロボロな甲冑に血糊がこびりつき、 死の恐怖におびえた両眼は亡霊そのものであった。主はすぐに
昼寝城の落武者であるとわかった。

男「すまぬが、暫くかくまってはもらえぬか…」
主「分り申した。さぁ、は早う中へ」
ともかく戸口では怪しまれると思い、主は男を中に入れ話を聞いた。
男「傷の手当てをしたいので、それまで家の倉にでもかくまってもらいたい」
主「どうぞどうぞ、ご自由におつかい下さい。」
男「それから済まぬが茶漬を一杯所望したい。 朝から何も食していないのだ」
主「ただいま家内に茶漬の用意をさせますので。しばしお待ちを」
男「身共は明日の夜にはこの家を出てゆく。済まぬがもし追手がきても他言はせぬように頼む」
主「…分り申した」
その様なやりとりをした後、侍は茶漬をかきこみ、倉に潜んだ。

主は男が倉に入ると、そっと家を脱け出して村長の家に走った。勿論この男について相談しにいったのだ。
村人「そんな落武者をかくまっていたことがわかれば、この村にどんな仕打ちがあるやも知れぬ。」
「早う海部方に知らせた方がええぞ」
騒ぎを聞きつけた村人達の大半口々に男を引き渡すべきといい、主を含め村人達は
男を海部方に引き渡す事で意見はまとまった。
事が決まるとすぐさま使いの者をだし、知らせを受けてかけつけた海部の軍に倉を囲まれ、
男はもはやこれまでと応戦するも討ちとられてしまった。
男は死の間際に「おのれ、恩知らずの村人共め、この中津の村にはこれから先、倉は建てさせぬぞーー!!」
恨みの一言を吐いて息絶えた。それから、中津には倉の建つような富んだ家はなくなり。
土地の人は落武者の祟りと恐れ、侍の霊を祀って「残党さんの墓」を建てそうだ。

長文初めてだから誤字脱字あったらスンマソw




895 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/05/21(金) 16:57:04 ID:eQwH8P5Z
>>892
ぞっとした
八つ墓村みたいな逸話だな

898 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/05/21(金) 18:58:06 ID:NbrDAgnQ
>>892
恩知らずが~!
って言ってるくらいだから、善政してたのかな?


899 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/05/21(金) 19:11:13 ID:9Xg7pG3z
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