504 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 02:25:47 ID:368OIkV+
規制解除記念に逸話を投下
南を向いて腹を切った男
天正9年(1581年)徳川家康は5000人の軍勢を率いて高天神城奪回を図った。
家康は力攻めではなく兵糧攻めを行い、最後は城将の岡部元信も含めた城兵全員が討って出て
玉砕したと言われている。
さて、この戦には家康と浅からぬ因縁を持つ男も参加していた。
家康に向かって「お前の顔など飽きたわ」(要約)といった男、皆さんご存知孕石元泰である。
さてこの孕石、今の世間に伝わる評判は良くない。
前述した身分が低い人質に向かっての「飽きたわ」発言や、この高天神で捕えられたときに
家康との昔の好で助けてもらえるかも知れないと考えていた、といった逸話が彼に卑怯者の
イメージを与えたのではないだろうか
しかし『三河物語』による彼の最後は、そのようなイメージとは一線を画す
『三河物語』によると彼は切腹を申しつけられると何も言わず南を向き切腹の準備を整え始めた
このとき徳川の武者が孕石に向かって「え、なんで南向いて死のうとしてんのw 普通西だろww
そんなことも知らないのwww」
みたいなことを言った
これに孕石は涼しい顔で答えて曰く
「仏教の法典の中に、『別に真剣に仏を信じているならどの方角向いて死んでも一緒だよ』
(なんか難しい感じの羅列)って書いてあるの知らないのか?
そんなことではお前の最期はとても残念なことになるだろうよ。俺の死にざまを手本にしろよ」
そうして彼は南を向いて死んだという
彼の死にざまをみとった人々は彼の教養と武士らしい立派な最期に深く感じ入ったということだ
孕石元泰のちょっと(格好)良い最期
『三河物語』には孕石を馬鹿にした人物もなんか難しい感じの羅列も書いてあったが思い出せなかった…
うろ覚えで本当にすまないと思っているorz
要望があればもっとしっかりと書く
505 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 08:32:23 ID:tgkeS5BT
>「仏教の法典の中に、『別に真剣に仏を信じているならどの方角向いて死んでも一緒だよ』
>(なんか難しい感じの羅列)って書いてあるの知らないのか?
道元禅師が正法眼蔵のなかで、
『法華教に「仏の光は東方万八千仏土を照らす」の言葉がある。
「東方」とはいい加減な表現ではない、仏法世界の中心である、仏の拳の中央である。
東方と領域を限っているようではあるが、それならば東方は部分になる。
そうではない、光明の照らす領域は東方であり、他の領域にも東方がある。
東方にも東方があり、すべての地は東方であるという首旨によって学ばねばならない。
』正法眼蔵 石井恭二訳 河出文庫より引用
というようなことを書いているが孕石元泰もこれに則った考え方だったのだろうか
506 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 09:40:32 ID:MlLGL7j2
彦左衛門はじめ、大久保一族は皆日蓮宗なんだよな。
だから共感した。
507 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 11:41:14 ID:Sx4HWJLu
>>504
どっち向いて死んでも構わないってのは良いとして、なんで南だったんだろ?
故郷(?)の孕石は高天神城から見たら真北っぽいしなぁ。
508 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 12:07:22 ID:BpbMHdDP
>>507
思いつくことは君主は南面っていうから
「竹千代、貴様なんぞには屈するか」っていういじめっ子なりの意地っていうことかな
511 名前:506[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 18:07:14 ID:MlLGL7j2
>>504
孕石が言った言葉は
「汝、物ヲ知ラズヤ。仏者、『十方仏土中 唯有一乗法 除仏方便説』ト説給えば (後略)」
これは、法華経方便品第二『十方仏土中 唯有一乗法 無二亦無三 除仏方便説』の引用で、
読み下すと、「十方仏土の中には 唯一乗の法のみあり。 二なく亦三なし。 仏の方便の説をば除く。」
とりわけ日蓮宗では、良く引用される有名な言葉らしい。
この言葉の意味も知りたかったんだけど、宗派ごとに解釈が全然違うようで、調査を断念した。
日蓮宗的に解釈すると、「法華経が唯一の正しい経典です」という意味になるそうだ。
孕石がどういう意味をこめて引用したのかは分からないが、
日蓮宗の大久保一族は、これを聞いて
「ああ、こいつも同じ日蓮宗か」と、親近感を感じたようだね。
孕石の墓は、日蓮宗の本覚寺にある。
規制解除記念に逸話を投下
南を向いて腹を切った男
天正9年(1581年)徳川家康は5000人の軍勢を率いて高天神城奪回を図った。
家康は力攻めではなく兵糧攻めを行い、最後は城将の岡部元信も含めた城兵全員が討って出て
玉砕したと言われている。
さて、この戦には家康と浅からぬ因縁を持つ男も参加していた。
家康に向かって「お前の顔など飽きたわ」(要約)といった男、皆さんご存知孕石元泰である。
さてこの孕石、今の世間に伝わる評判は良くない。
前述した身分が低い人質に向かっての「飽きたわ」発言や、この高天神で捕えられたときに
家康との昔の好で助けてもらえるかも知れないと考えていた、といった逸話が彼に卑怯者の
イメージを与えたのではないだろうか
しかし『三河物語』による彼の最後は、そのようなイメージとは一線を画す
『三河物語』によると彼は切腹を申しつけられると何も言わず南を向き切腹の準備を整え始めた
このとき徳川の武者が孕石に向かって「え、なんで南向いて死のうとしてんのw 普通西だろww
そんなことも知らないのwww」
みたいなことを言った
これに孕石は涼しい顔で答えて曰く
「仏教の法典の中に、『別に真剣に仏を信じているならどの方角向いて死んでも一緒だよ』
(なんか難しい感じの羅列)って書いてあるの知らないのか?
そんなことではお前の最期はとても残念なことになるだろうよ。俺の死にざまを手本にしろよ」
そうして彼は南を向いて死んだという
彼の死にざまをみとった人々は彼の教養と武士らしい立派な最期に深く感じ入ったということだ
孕石元泰のちょっと(格好)良い最期
『三河物語』には孕石を馬鹿にした人物もなんか難しい感じの羅列も書いてあったが思い出せなかった…
うろ覚えで本当にすまないと思っているorz
要望があればもっとしっかりと書く
505 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 08:32:23 ID:tgkeS5BT
>「仏教の法典の中に、『別に真剣に仏を信じているならどの方角向いて死んでも一緒だよ』
>(なんか難しい感じの羅列)って書いてあるの知らないのか?
道元禅師が正法眼蔵のなかで、
『法華教に「仏の光は東方万八千仏土を照らす」の言葉がある。
「東方」とはいい加減な表現ではない、仏法世界の中心である、仏の拳の中央である。
東方と領域を限っているようではあるが、それならば東方は部分になる。
そうではない、光明の照らす領域は東方であり、他の領域にも東方がある。
東方にも東方があり、すべての地は東方であるという首旨によって学ばねばならない。
』正法眼蔵 石井恭二訳 河出文庫より引用
というようなことを書いているが孕石元泰もこれに則った考え方だったのだろうか
506 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 09:40:32 ID:MlLGL7j2
彦左衛門はじめ、大久保一族は皆日蓮宗なんだよな。
だから共感した。
507 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 11:41:14 ID:Sx4HWJLu
>>504
どっち向いて死んでも構わないってのは良いとして、なんで南だったんだろ?
故郷(?)の孕石は高天神城から見たら真北っぽいしなぁ。
508 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 12:07:22 ID:BpbMHdDP
>>507
思いつくことは君主は南面っていうから
「竹千代、貴様なんぞには屈するか」っていういじめっ子なりの意地っていうことかな
511 名前:506[sage] 投稿日:2010/08/05(木) 18:07:14 ID:MlLGL7j2
>>504
孕石が言った言葉は
「汝、物ヲ知ラズヤ。仏者、『十方仏土中 唯有一乗法 除仏方便説』ト説給えば (後略)」
これは、法華経方便品第二『十方仏土中 唯有一乗法 無二亦無三 除仏方便説』の引用で、
読み下すと、「十方仏土の中には 唯一乗の法のみあり。 二なく亦三なし。 仏の方便の説をば除く。」
とりわけ日蓮宗では、良く引用される有名な言葉らしい。
この言葉の意味も知りたかったんだけど、宗派ごとに解釈が全然違うようで、調査を断念した。
日蓮宗的に解釈すると、「法華経が唯一の正しい経典です」という意味になるそうだ。
孕石がどういう意味をこめて引用したのかは分からないが、
日蓮宗の大久保一族は、これを聞いて
「ああ、こいつも同じ日蓮宗か」と、親近感を感じたようだね。
孕石の墓は、日蓮宗の本覚寺にある。
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