634 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 21:59:09 ID:tXJLgH2L
天正13年(1585)9月、北条氏直は家老・松田憲秀らを率い、混乱続く上野国へ攻め入った。
松田の部隊が途中、白井に陣を構えた時、蓑笠をつけ、藁包みに豆を詰めて背負った農夫がやって来た。
「え~、豆~、豆~。馬のエサに豆はいらんかね~。」
「なんじゃ、おまえ。この土地の者か?」
「へ・・・へぇ。この辺で馬飼いをやってやすが、良い馬が手持ちに無いもんで、余った豆を売りに来やした。
一升あたり十文で、いかがでしょう?」
(いい事思いついた。“あの”馬を連れて来い。)(わかった、“アレ”じゃな?お主もワルよのぅ、ウヒヒ・・・)
「のぅ、農夫よ。おまえ、馬飼いなら当然、馬には乗れような?」「へぇ、もちろん。」
「それは良かった。見よ!あの馬を。」北条兵は、見事な黒馬に金覆輪の鞍を乗せ、引いて来た。
「こんな田舎で、あのような良い馬や鞍は見たこともあるまい。」
「へ、へぇっ!確かに見たことも聞いたこともねぇだ!」
「どうじゃ、少し乗ってみるか?」「い、いいんかい?それじゃあ、ちょっとだけ・・・」
農夫が馬にまたがった瞬間、
「それ、行けっ!!」北条兵は、馬に思い切りムチをくれ、馬は思い切り暴れ出した。
「ひ、ひいいぃぃぃいいい~~~~~!!!」
「あっはっはっはっ!そいつは並の者には乗りこなせぬ悍馬じゃ、しっかりやれよ~www」
農夫は必死で馬にしがみついているように見えた。が、陣の入口まで来ると、意外に達者な乗りこなしで、
馬を鎮めてみせた。すると農夫は、背負っていた藁包みからなんと太刀を取り出し、蓑笠を脱ぎ捨てた。
蓑の下に着るは鎖かたびら、笠を脱いだ頭には懐から鎖頭巾を取り出し、改めて被った。
どう見ても、影の世界の人である。
「真田昌幸家臣・割田重勝、推参!良き馬と鞍を頂戴したこと、誠に有難し。この礼は明日からの戦で、
矢弾を進呈いたすゆえ、松田殿によーくお伝えくだされや。では、さらば!」
あまりの事に固まっていた北条兵が、あわてて追いかけた時には既に遅く、割田は陣を遠く離れ、
片品川を渡っていた。のちに割田は、馬は昌幸に、鞍は矢沢頼綱に献上し、
『古今稀なる大胆なヤツ、あるいは痴れ者』と、敵味方双方から恐れられたという。
>>587で忍者の評判が地に落ちてるので、忍者の最盛期の、仕事してる人の話を。
635 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:14:46 ID:AN9VeYtb
てっきり豆に毒ってオチかと思ったら
636 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:27:29 ID:8TKbdwlz
これ豆知識な
637 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:50:05 ID:sTbWEKz6
馬と鞍を別々に献上するとは、マメなヤツだな
638 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:01:46 ID:KfRjcz5a
ちょっと格好いい
639 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:19:25 ID:0JygZ3hb
ウマい事をする
640 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:26:45 ID:LPeVKaRw
馬を乗りこなしたことで忍びの者とばれてばっさりやられるのかと思った
641 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:29:23 ID:KXCRjTFH
仕事してる…?
どういう仕事なんだこれ
642 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:43:28 ID:1ExIhoML
本来は偵察任務だったらしい。
ちなみにこの割田さんはどうも手癖の悪い人だったらしく
1618年に盗みを理由に討たれている。幸隆の代からの人なんだけどね…
645 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:05:03 ID:K+rI7dj3
幸隆の代から仕えてこの逸話、更に33年後に・・・するってぇと!?
もう手癖悪いってLvじゃねぇぞwww
646 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:11:11 ID:0g27W5jL
盗癖っていうのはアル中とかギャンブル中毒とか覚醒剤中毒と一緒で一種の行為依存症。
基本的に死ぬまで治らん。
脳に「盗む=快楽」っていう回路ができちまうんだな。
647 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:43:41 ID:W1e26Rzu
>>645
幸隆の岩櫃城攻め(1561)からの人というから半世紀以上仕えていた事になる。
そんな古参中の古参の最期が…何か裏があったんじゃと思えてくる。
648 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:55:10 ID:QfFqngBE
ついつい馬を盗んじゃう
→キレた北条が攻めてくる
→お兄ちゃんが出陣してまた寿命が縮む
(以上のようなことが何回もあって)
→これ以上寿命を縮めないように、と家臣が気をきかせて殺す
649 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 02:10:46 ID:hMnC59TB
>>634
「古今稀なる大胆なヤツ、あるいは痴れ物」
なんかツボにはまったwww
650 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 03:59:26 ID:WfZCbWaa
>>647
>そんな古参中の古参の最期が…何か裏があったんじゃと思えてくる。
本格的にボケたんじゃね?
651 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 07:07:08 ID:K8Ku1fqH
幽閉された姫の心を…
…いや、なんでもない
天正13年(1585)9月、北条氏直は家老・松田憲秀らを率い、混乱続く上野国へ攻め入った。
松田の部隊が途中、白井に陣を構えた時、蓑笠をつけ、藁包みに豆を詰めて背負った農夫がやって来た。
「え~、豆~、豆~。馬のエサに豆はいらんかね~。」
「なんじゃ、おまえ。この土地の者か?」
「へ・・・へぇ。この辺で馬飼いをやってやすが、良い馬が手持ちに無いもんで、余った豆を売りに来やした。
一升あたり十文で、いかがでしょう?」
(いい事思いついた。“あの”馬を連れて来い。)(わかった、“アレ”じゃな?お主もワルよのぅ、ウヒヒ・・・)
「のぅ、農夫よ。おまえ、馬飼いなら当然、馬には乗れような?」「へぇ、もちろん。」
「それは良かった。見よ!あの馬を。」北条兵は、見事な黒馬に金覆輪の鞍を乗せ、引いて来た。
「こんな田舎で、あのような良い馬や鞍は見たこともあるまい。」
「へ、へぇっ!確かに見たことも聞いたこともねぇだ!」
「どうじゃ、少し乗ってみるか?」「い、いいんかい?それじゃあ、ちょっとだけ・・・」
農夫が馬にまたがった瞬間、
「それ、行けっ!!」北条兵は、馬に思い切りムチをくれ、馬は思い切り暴れ出した。
「ひ、ひいいぃぃぃいいい~~~~~!!!」
「あっはっはっはっ!そいつは並の者には乗りこなせぬ悍馬じゃ、しっかりやれよ~www」
農夫は必死で馬にしがみついているように見えた。が、陣の入口まで来ると、意外に達者な乗りこなしで、
馬を鎮めてみせた。すると農夫は、背負っていた藁包みからなんと太刀を取り出し、蓑笠を脱ぎ捨てた。
蓑の下に着るは鎖かたびら、笠を脱いだ頭には懐から鎖頭巾を取り出し、改めて被った。
どう見ても、影の世界の人である。
「真田昌幸家臣・割田重勝、推参!良き馬と鞍を頂戴したこと、誠に有難し。この礼は明日からの戦で、
矢弾を進呈いたすゆえ、松田殿によーくお伝えくだされや。では、さらば!」
あまりの事に固まっていた北条兵が、あわてて追いかけた時には既に遅く、割田は陣を遠く離れ、
片品川を渡っていた。のちに割田は、馬は昌幸に、鞍は矢沢頼綱に献上し、
『古今稀なる大胆なヤツ、あるいは痴れ者』と、敵味方双方から恐れられたという。
>>587で忍者の評判が地に落ちてるので、忍者の最盛期の、仕事してる人の話を。
635 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:14:46 ID:AN9VeYtb
てっきり豆に毒ってオチかと思ったら
636 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:27:29 ID:8TKbdwlz
これ豆知識な
637 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:50:05 ID:sTbWEKz6
馬と鞍を別々に献上するとは、マメなヤツだな
638 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:01:46 ID:KfRjcz5a
ちょっと格好いい
639 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:19:25 ID:0JygZ3hb
ウマい事をする
640 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:26:45 ID:LPeVKaRw
馬を乗りこなしたことで忍びの者とばれてばっさりやられるのかと思った
641 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:29:23 ID:KXCRjTFH
仕事してる…?
どういう仕事なんだこれ
642 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:43:28 ID:1ExIhoML
本来は偵察任務だったらしい。
ちなみにこの割田さんはどうも手癖の悪い人だったらしく
1618年に盗みを理由に討たれている。幸隆の代からの人なんだけどね…
645 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:05:03 ID:K+rI7dj3
幸隆の代から仕えてこの逸話、更に33年後に・・・するってぇと!?
もう手癖悪いってLvじゃねぇぞwww
646 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:11:11 ID:0g27W5jL
盗癖っていうのはアル中とかギャンブル中毒とか覚醒剤中毒と一緒で一種の行為依存症。
基本的に死ぬまで治らん。
脳に「盗む=快楽」っていう回路ができちまうんだな。
647 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:43:41 ID:W1e26Rzu
>>645
幸隆の岩櫃城攻め(1561)からの人というから半世紀以上仕えていた事になる。
そんな古参中の古参の最期が…何か裏があったんじゃと思えてくる。
648 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 00:55:10 ID:QfFqngBE
ついつい馬を盗んじゃう
→キレた北条が攻めてくる
→お兄ちゃんが出陣してまた寿命が縮む
(以上のようなことが何回もあって)
→これ以上寿命を縮めないように、と家臣が気をきかせて殺す
649 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 02:10:46 ID:hMnC59TB
>>634
「古今稀なる大胆なヤツ、あるいは痴れ物」
なんかツボにはまったwww
650 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 03:59:26 ID:WfZCbWaa
>>647
>そんな古参中の古参の最期が…何か裏があったんじゃと思えてくる。
本格的にボケたんじゃね?
651 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/10/11(月) 07:07:08 ID:K8Ku1fqH
幽閉された姫の心を…
…いや、なんでもない
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