平佐牛之介と老足軽

2011年04月12日 00:01

857 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/11(月) 00:57:38.45 ID:EIL712g9
藤堂高虎の家来に、平佐牛之介という武士が居た。

大坂の陣の時のこと、この牛之介、伊賀の百姓を足軽にして連れてきていた。
牛之介は自分の連れてきた足軽たちが備に置いて戦闘の緊急事態に対処できるか試そうと、突然

「それっ!敵が出てきたぞ!」

と叫んだ。この時彼の連れてきた足軽たちはみなしっかりと戦闘準備をした。
それを見て牛之介

「今のはお前たちに油断がないか見極めるために、偽りに申したのだ。
いや悪かった。今後はもう二度と。このようにお前たちを試すような真似はしない。」

と皆の前で誓った。するとこの時、足軽の中に一人老人あったのだが、これが進み出て

「はっはっは。ワシも牛之介殿の謀り事だと思っておったが、それでも油断しちゃいかんとほれ、
このように鉄砲の火縄に火まで付けましたよ。他の者はそこまではしなかったようですがね!」

と高笑い。嫌味な爺さんである。


戦争が始まる。牛之介の部隊も城の近くまで攻め寄せた。
と、この時この方面に籠る城方に、元藤堂家家臣、能勢九郎右衛門という者がいた。
能勢は牛之介の知り合いであり、彼が近くにいることを知ると牛之介、なんと仕寄(攻手の境界)の
外まで出て

「能勢ー!能勢九郎右衛門はそっちに居るかー!?」

と城方の人間に尋ねて回った。これには藤堂家の同僚たちも流石に
「牛之介はなんと馬鹿な事をしているのだ」と、戻ってきた牛之介を叱りつけ批判したが、この時
先の老足軽だけは

「いやいや牛之介殿、あなたは少しも問題のあることはしちゃいませんよ。
だいたいあなたくらい若い時には、あのくらい伊達なことをされるのが良いのです。」

と言ったという。
爺さんいい奴である。

そんな、平佐牛之介と老足軽のお話。




859 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/11(月) 03:23:31.98 ID:wre6UBza
伊賀は百姓もかっこいいね。
昔から独自の自治能力があって、統治者泣かせだったというから
そうとうデキる百姓たちだったんだろう。
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