704 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/03/03(日) 22:50:49.97 ID:xdjGo/EV
秀吉の朝鮮出兵で、赤松左衛門尉広秀(斎村政広)も朝鮮に派遣された。
彼の家臣の田路勘四郎は強弓であり、敵を多く射斃し追い払って、小川の堤に沿って馬を進めていると、
その友人である衣笠宗兵衛の馬が、堤の下を走ってきた。「衣笠は敵に討たれたのか?」そう思いながら
進むと、先の方で朝鮮の兵が衣笠を捕え、胴を左の脇に挟み、頸を右手で握り、小川の流れの中に
衣笠の頭を押し浸し、二口三口水を飲ませては引き上げ、再び水を飲ませては引き上げる、という事を
行っていた。呼吸を遮り苦しみながら殺そうとしたのであろう。
これを見た田路は後より駆けつけ、刀を抜いてこの挑戦兵を袈裟斬りに斬り殺し、衣笠を助けた。
「一体どうしたのだ」と尋ねると、衣笠は
「あの朝鮮人が私に敵せんと相向かった所を、拝み打ちに切り払ったが、彼は長い袖を挙げて
刀を払い、そこで組み合ったところ私は横抱きにされた。力を尽くして彼より脱しようとしたが、
力及ばなかった。一体彼が何人力だったのか解らないが、私はまるで2,3歳の小児にように扱われた。
そしてこの川に降ろされ、あの様になっていたのだ。彼はその間、苦しむ私の顔を見て何度も笑った。
無念類なかったが、貴殿の力によって不慮の死を免れた。」
こうしてうち連れて自陣へと帰った。
(武将感状記)
秀吉の朝鮮出兵で、赤松左衛門尉広秀(斎村政広)も朝鮮に派遣された。
彼の家臣の田路勘四郎は強弓であり、敵を多く射斃し追い払って、小川の堤に沿って馬を進めていると、
その友人である衣笠宗兵衛の馬が、堤の下を走ってきた。「衣笠は敵に討たれたのか?」そう思いながら
進むと、先の方で朝鮮の兵が衣笠を捕え、胴を左の脇に挟み、頸を右手で握り、小川の流れの中に
衣笠の頭を押し浸し、二口三口水を飲ませては引き上げ、再び水を飲ませては引き上げる、という事を
行っていた。呼吸を遮り苦しみながら殺そうとしたのであろう。
これを見た田路は後より駆けつけ、刀を抜いてこの挑戦兵を袈裟斬りに斬り殺し、衣笠を助けた。
「一体どうしたのだ」と尋ねると、衣笠は
「あの朝鮮人が私に敵せんと相向かった所を、拝み打ちに切り払ったが、彼は長い袖を挙げて
刀を払い、そこで組み合ったところ私は横抱きにされた。力を尽くして彼より脱しようとしたが、
力及ばなかった。一体彼が何人力だったのか解らないが、私はまるで2,3歳の小児にように扱われた。
そしてこの川に降ろされ、あの様になっていたのだ。彼はその間、苦しむ私の顔を見て何度も笑った。
無念類なかったが、貴殿の力によって不慮の死を免れた。」
こうしてうち連れて自陣へと帰った。
(武将感状記)
スポンサーサイト