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玉川義則、大灯籠を

2011年08月07日 23:01

17 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 12:10:31.89 ID:5E8nqrEV
島津忠恒の嘆願により死一等減じられ、八丈島へ流されることになった宇喜多秀家は、忠恒への謝礼として、
近臣の玉川伊予守義則を譲った。
備前中納言に仕えて上方で武芸百般を修め、馬術・弓術の名手である義則は、たちまち忠恒の寵臣となった。
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2333.html
しかし血気に逸る島津家の若侍たちは、主君の近くに侍る上方武士に白い目を向けた。

ある時、菩提寺の福昌寺へ参拝した忠恒のお供をした義則は、同じくお供の若侍たちに絡まれた。
「山門の脇に、大きな石灯籠がござったな。あの灯籠を、持ち上げてみて下されや。」

さすがの義則も、これには難を示した。
「あの大灯籠を持ち上げるのは、なかなか容易ではござるまい。」
「ふん!上方育ちの、行跡柔和なることよ。」
「・・・そこまで言われては、やらざるを得ませんな。」

やむなく義則は、大灯籠に取り掛かった。「ぬおぉぉおお―――――――――――――――っ!!!」

“歯噛をなし持被候へば、冬の事にて候に、足の指の又より血朱になりてみえし”と薩藩旧伝集が記す
恐ろしい形相になりながら、義則は灯籠を持ち上げる事に成功し、安堵した。

「よ、良かった・・・本当に良かった・・・」
「・・・ほ、ほんに良かったのう!これで貴殿の面目も立ったわけじゃ。」

「わしが『良かった』と申したのは、その事ではない。おぬしらの事じゃ。

持ち損じたならば、恥じて我が身を処するのはもちろん、わしを挑発し、恥を見届けたおぬしらを
ただでは置かぬところであった。余計な血を見ず済んだゆえ、『良かった』と申したのよ。
向後このような試しは、互いのために無用に願いたい。」

若侍たちは深く悔い、その後、義則を白い目で見る者はいなくなったという、
泳いで参った人の旧臣、薩摩隼人に意地を見せた話。




18 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 12:26:47.09 ID:Yaf95qM8
あやうく非常に悪い話になるところだったな

19 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 13:24:33.84 ID:zd38BlLF
大陸に鼎を持とうとして腰を折った王だか皇帝がいたよな

20 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 15:20:48.83 ID:/OD7HNgu
つか悪久のおかげで秀さん助かったのか。いい奴じゃないか悪久
嫁とのあれこれでDQN扱いだが、実はああしても仕方ない事情があったと違うか

21 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 15:34:57.80 ID:Lk/DsDSX
施政者としてはいいんじゃないか
一部家中についてはアコギで近世化のやり方としては強引かもだけど、
領民を苦しめていたりはしていないんじゃ?

22 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 17:20:42.63 ID:KHi948p1
>>19
秦の武王だったっけ?
策士の張儀を毛嫌いしてたし、男らしいよね


23 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 18:41:37.00 ID:8hjGYwD0
単に骨折しただけじゃなくてそれが基で若死にして国が乱れちゃったからな
軽率の謗りは避けられん

24 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 18:44:09.58 ID:ATvjPugI
>>21
家久と細川忠興は一部をネタにして大げさにしてる

25 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 19:00:00.42 ID:rqE5heeK
悪さんは、季節外れに「これから茶を植えたいから茶の実を持ってこい」と言う無茶な命令に、侏儒ドンと
あだ名される薩摩の知恵者が「連れてきましたこの婆さんが、我が郷で一番の茶飲みです」ととんちで答えたら、
罰することなく済ませたりしてるしね
そもそも、季節外れの時期に茶の実を持ってこいと言うな、という突っ込みはしない方向でよろしく

26 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 21:29:35.40 ID:VVU32IOu
アニメの一休さんで将軍様が突然狩りをするから近隣の百姓に獲物を集めさせろと例によって
わがまま言いだして困った新右衛門さんがこれまた例によって一休さんに助けを求めたら
百姓たちをそれぞれ鎌とか鍬を持ってこさせて「これが彼らの『得物』です」と答えて
やりこめた話を思い出した。これも元ネタがあるんだろうなあ
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