685 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 14:27:13.67 ID:GqapNZLz
山本常朝
『鍋島舎人助に仕えた草履取りの話をしよう。
彼はあるとき、主人の供として諫早家について行った。
その待ち部屋にて諫早石見守の仲間と争いになり、
その相手を斬り殺してしまった。
当然ながら重罪だが、その身の処し方が武士の道に適っていたことから、
お構いなしという裁定になった。
この草履取りは、
「たまたま人間として生まれきて、
これぞという思い出もなく死にゆくのは無念なり。
いずれ死ぬのは同じなら、よし、ひとつ天下を取ってみよう!」
と思い立って、昼夜を別たず計画をひたすら練ったので、
天下取りの計画は十分に練りあがっていた。
ところが、このときふと思ったのが、
「天下取りの計画はしっかり出来上がっているが、
骨を折って天下を取ってみても、政治だなんだと苦労が絶えない。
いずれ死ぬのは同じなら、あくせく苦労ばかりしながら、
一生を終えるのもつまらないことではある。
それよりは、出家して悟りをひらいて、成仏したほうがましかもしれん」
ということだった。
それから出家をし修行に励み、真言宗に入った。
後に「温泉のホッケ」と言われるほど、日本中に名の聞こえた名僧となった。
最後に彼の歌を紹介しよう』
我他彼此と思ふ心のとけぬれば
自己智もなくて無性なりけり
686 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:02:44.18 ID:DDlMW4oF
えーっと、おとがめなしになった武士道にかなった所作ってなんなんでしょか
野心があったから?
687 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:12:45.55 ID:WldibdNf
「身の処し方が」と書いてあるんだから野心とは関係なしでしょjk
688 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:15:28.62 ID:APuXXqtw
葉隠って、朝とか寝る前に死んだイマジネーション練習しとけ、そうすれば何が起こってもなんともなくなるから!
って勧めているかなーり滅茶苦茶な書という印象が……。
689 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:38:45.58 ID:GqapNZLz
>>688
戦国期の名高い武士はそれが普通の感覚なんじゃない?
信長が好んだ敦盛もそういう意味だし、
戦国武士の辞世はそういう死生感を歌ったものが多いし
死をハッキリ意識するからこそ、生を怠けないようになるんだと思う
690 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:42:20.53 ID:Nb7gD3Mg
>>688
二次大戦の戦記とかでも、似たようなことを書いてる人多いけどな。
691 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:48:43.77 ID:Fl+LBbtV
要は、不測の事態が起きても慌てないように普段から想像力を働かせて心の面でも
物理的な面でもしっかり準備をしておきなさい、っていう至極まっとうな教訓でしょ?
当時はそこでの失敗≒死だったからそういう表現になってるというだけで
692 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:13:20.17 ID:uqf8DUOj
朝倉のじじいとかギリワンさんとかだと最後まであきらめそうにない
693 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:28:37.39 ID:WldibdNf
思へば此世は常の住処にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月より猶あやし
金谷に花を詠じ栄花は先立て無常の風に誘はるる
南楼の月をもてあそぶ輩も、月に先立つて有為の雲に隠れり
人間五十年、化天の内を比ぶれば夢幻のごとくなり
一度生を受け滅せぬ物のあるべきか
一度生を受け滅せぬ物のあるべきか
敦盛なんだけど、これは日本的死生感なのか?
それとも仏教的死生感というべきか?
とりあえず日本人の心に響くことに違いはないが
694 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:34:39.34 ID:jJnDt64f
こう言っちゃ何だが、大将と言うよりも兵卒の考え方ではあるな、敦盛は。
695 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:36:21.75 ID:Q0nRV9Ax
仏教的死生観がベースながらも
四季の風物が溶け込むあたり極めて日本的だと思う
696 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:56:42.89 ID:WldibdNf
>>695
日本人は四季の移り変わり、
儚さ、哀れさを感じたときに、
なにか触発されるものがある
それは多分、インドや中国の仏教とは違う趣で、
宗教ですら風土や民族性が現れるのは面白いなと思う
697 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 17:56:43.31 ID:I63eCJrf
昭和の軍人に剽窃され曲解されたせいでイメージ悪いからな葉隠。
儒教に感化された武士を攻撃したり、処世術をといたり、実際はかなり生臭い書物なんだがw
698 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 19:29:47.12 ID:GqapNZLz
葉隠は歴史の表には出にくい、
日常の喧嘩話や世間話の宝庫で面白い。
講談や歴史小説の題材にはならないような逸話も多い。
この時代の武士や僧、相撲取りなどの生活感が伝わってくる書物。
そういう外世話な話も収録されているからこそ、
常朝さんは、葉隠は、あくまでも自分自身の学びのために書きおいたもので、
他者が読めば、遺恨、曲解され悪事にもなるだろうから、
読んだら焼き捨ててくれと言っていた。
結局、書物として残ってしまったけどね
700 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 21:03:05.03 ID:Ed+f/q7n
>>698
俺たちのハードディスクみたいなもんか
701 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 21:51:12.99 ID:sdQYfheU
常朝さんがすげえ身近に思えてきたぞ
山本常朝
『鍋島舎人助に仕えた草履取りの話をしよう。
彼はあるとき、主人の供として諫早家について行った。
その待ち部屋にて諫早石見守の仲間と争いになり、
その相手を斬り殺してしまった。
当然ながら重罪だが、その身の処し方が武士の道に適っていたことから、
お構いなしという裁定になった。
この草履取りは、
「たまたま人間として生まれきて、
これぞという思い出もなく死にゆくのは無念なり。
いずれ死ぬのは同じなら、よし、ひとつ天下を取ってみよう!」
と思い立って、昼夜を別たず計画をひたすら練ったので、
天下取りの計画は十分に練りあがっていた。
ところが、このときふと思ったのが、
「天下取りの計画はしっかり出来上がっているが、
骨を折って天下を取ってみても、政治だなんだと苦労が絶えない。
いずれ死ぬのは同じなら、あくせく苦労ばかりしながら、
一生を終えるのもつまらないことではある。
それよりは、出家して悟りをひらいて、成仏したほうがましかもしれん」
ということだった。
それから出家をし修行に励み、真言宗に入った。
後に「温泉のホッケ」と言われるほど、日本中に名の聞こえた名僧となった。
最後に彼の歌を紹介しよう』
我他彼此と思ふ心のとけぬれば
自己智もなくて無性なりけり
686 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:02:44.18 ID:DDlMW4oF
えーっと、おとがめなしになった武士道にかなった所作ってなんなんでしょか
野心があったから?
687 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:12:45.55 ID:WldibdNf
「身の処し方が」と書いてあるんだから野心とは関係なしでしょjk
688 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:15:28.62 ID:APuXXqtw
葉隠って、朝とか寝る前に死んだイマジネーション練習しとけ、そうすれば何が起こってもなんともなくなるから!
って勧めているかなーり滅茶苦茶な書という印象が……。
689 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:38:45.58 ID:GqapNZLz
>>688
戦国期の名高い武士はそれが普通の感覚なんじゃない?
信長が好んだ敦盛もそういう意味だし、
戦国武士の辞世はそういう死生感を歌ったものが多いし
死をハッキリ意識するからこそ、生を怠けないようになるんだと思う
690 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:42:20.53 ID:Nb7gD3Mg
>>688
二次大戦の戦記とかでも、似たようなことを書いてる人多いけどな。
691 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 15:48:43.77 ID:Fl+LBbtV
要は、不測の事態が起きても慌てないように普段から想像力を働かせて心の面でも
物理的な面でもしっかり準備をしておきなさい、っていう至極まっとうな教訓でしょ?
当時はそこでの失敗≒死だったからそういう表現になってるというだけで
692 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:13:20.17 ID:uqf8DUOj
朝倉のじじいとかギリワンさんとかだと最後まであきらめそうにない
693 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:28:37.39 ID:WldibdNf
思へば此世は常の住処にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月より猶あやし
金谷に花を詠じ栄花は先立て無常の風に誘はるる
南楼の月をもてあそぶ輩も、月に先立つて有為の雲に隠れり
人間五十年、化天の内を比ぶれば夢幻のごとくなり
一度生を受け滅せぬ物のあるべきか
一度生を受け滅せぬ物のあるべきか
敦盛なんだけど、これは日本的死生感なのか?
それとも仏教的死生感というべきか?
とりあえず日本人の心に響くことに違いはないが
694 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:34:39.34 ID:jJnDt64f
こう言っちゃ何だが、大将と言うよりも兵卒の考え方ではあるな、敦盛は。
695 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:36:21.75 ID:Q0nRV9Ax
仏教的死生観がベースながらも
四季の風物が溶け込むあたり極めて日本的だと思う
696 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 16:56:42.89 ID:WldibdNf
>>695
日本人は四季の移り変わり、
儚さ、哀れさを感じたときに、
なにか触発されるものがある
それは多分、インドや中国の仏教とは違う趣で、
宗教ですら風土や民族性が現れるのは面白いなと思う
697 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 17:56:43.31 ID:I63eCJrf
昭和の軍人に剽窃され曲解されたせいでイメージ悪いからな葉隠。
儒教に感化された武士を攻撃したり、処世術をといたり、実際はかなり生臭い書物なんだがw
698 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 19:29:47.12 ID:GqapNZLz
葉隠は歴史の表には出にくい、
日常の喧嘩話や世間話の宝庫で面白い。
講談や歴史小説の題材にはならないような逸話も多い。
この時代の武士や僧、相撲取りなどの生活感が伝わってくる書物。
そういう外世話な話も収録されているからこそ、
常朝さんは、葉隠は、あくまでも自分自身の学びのために書きおいたもので、
他者が読めば、遺恨、曲解され悪事にもなるだろうから、
読んだら焼き捨ててくれと言っていた。
結局、書物として残ってしまったけどね
700 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 21:03:05.03 ID:Ed+f/q7n
>>698
俺たちのハードディスクみたいなもんか
701 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/04/21(土) 21:51:12.99 ID:sdQYfheU
常朝さんがすげえ身近に思えてきたぞ
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