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豊臣秀吉と白戸摂津守の不思議な因縁

2019年11月25日 18:59

382 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/11/25(月) 12:10:50.25 ID:lHObEgwQ
豊臣秀吉による小田原の役の折、

陸奥国南部の岩城常隆も、小田原へ参向して関白殿下に聘礼し、それより御暇を賜って帰国するが
その途中、鎌倉を一見したいと彼の地に駕籠を向けた所、その途中に病によって重体となり、鎌倉の
星ヵ谷という場所に旅宿して療養するもそのかい無く七月二十二日に、二十四歳にて卒去した。

彼には子息が無かったため、家臣達が急ぎ相談して、佐竹義重の三男に能化丸(後の岩城貞隆)という
今年八歳になる子が有ったのを養子として、秀吉公が、北条氏が降伏し小田原の役が終わった後、
野州宇都宮に動座された所に、岩城家の重臣である白戸摂津守が能化丸の介添えして旅陣へ推参し、
増田右衛門尉長盛を通じて事の次第を伝えた所、殿下はこの主従を召し出して対面され、家督相続と
本領安堵を命ぜられた。

実はこの白戸摂津守は秀吉公が古くから知って居られた老兵であった。それはかつての事、
岩城家の家臣である白戸、行間、窪田の三人が微服にて忍びで伊勢大神宮に詣でた事があった。
この時、

「こんな機会がまた有るとも思えない。この折に将軍家の巨城も見物したい。」

と、江州安土に立ち寄り、商家に寄宿して暫く逗留した。この間に織田信長が、安土にて京都、奈良、
堺あたりの猿楽に堪能な者達を集めて興行をする、と知り、
「奥羽の辺土では見ることの出来ない、誠に田舎への土産話にこれ以上のものはない。」
と、宿の主人に頼み込んで安土の城中に入れてもらい、これを熱心に見物した。

また舞台、楽屋に入り役者の名などを尋ねていると、殿下、当時は未だ木下藤吉と名乗って居られたが、
彼は例のごとく目早き生まれつきで、彼らを見つけると
「安土表には珍しき風俗の武士である。」
そう思って側に近づき、彼らが何者かを問うと、三人はありのままに自分たちについて申した。

これを聞いて藤吉は喜び
「はるばると離れた東国の衆に、このような場所で不意に出会うとは、思いもかけない事である。」
と、まるで古くからの友人であるかのように暫く物語をし、「誠に胡越を隔てていますが、今後は
便が有れば互いに連絡を取り合いましょう。」と固く約束をして別れた。
その後、白戸は国元より藤吉に対して良馬一疋を贈った。

それから年月が隔たったが、「主君の重代な用であるのだから、然るべき便りである。」
と、能化丸を伴って宇都宮に出かけたのである。

(関八州古戦録)

豊臣秀吉と、岩城家家臣・白戸摂津守の不思議な因縁についてのお話。
信長を「将軍家」と認識していたのですね。



383 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/11/25(月) 20:42:13.15 ID:sOe6IZ1g
この頃は木下ではなく羽柴だろうに

384 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/11/26(火) 23:57:33.86 ID:vG3JWnEg
その白戸に岩城の家督をやろうかって内々に話があったと武徳編年集成には書かれているとか
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災いは婦人の口より生ずというが

2013年04月14日 19:08

256 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 00:10:37.54 ID:1XYuPSaZ
大越紀伊は、最初相馬義胤の配下であったが、その後変じて磐城常隆に従い、さらに変じて
密かに伊達政宗に通じ相馬や磐城と敵対しようとした。

所が、大越紀伊の妻は大越甲斐の妹であったのだが、彼女は大変嫉妬深い女性であった。
そしてこの頃、本田孫兵衛という者があり、大変な美貌の若者で、彼が大越紀伊と心を通じ
衆道の間柄にあると噂があり、かの妻はこれに激しい妬心を抱き、夫の様子を常に窺っていた。

そんな事はつゆ知らず、大越紀伊は伊達と密かに連絡を取っていたのだが、その時どうしたわけか、
密書を落としてしまった。

この密書を妻が拾い、「これは本田から夫への恋文であろう!」と思い込み、これを兄の甲斐に
送った。

それを見た大越甲斐は驚いた、なんとそれは、大越紀伊が伊達政宗に従い、磐城常隆の
所領を犯そうという内容だったのである。

大越甲斐はとんでも無い事だと思い、この密書を磐城常隆にそのまま見せた。
常隆は直ぐに北郷形部を紀伊の元に遣わし、北郷は紀伊を捕らえて常隆の元に送った。
そして磐城常隆は、終に大越紀伊の首を跳ねたとの事である。

災いは婦人の口より生ずというが、それも理である。
(奧相茶話記)




257 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 00:17:31.21 ID:1wagCXZS
いや全然婦人の口関係ないよね...

アーッで身を滅ぼしただけだよね(´・ω・`)

258 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 00:19:30.00 ID:oJcbyOKA
災いって言われても、奥さんよりも大越のが悪いだろ

259 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 00:26:10.89 ID:Y1gH60y3
>>257
これだけじゃそれは濡れ衣かもしれへんのやで…

260 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 07:03:33.90 ID:qgrB6CFx
中身も読まずに兄の元に送ったのかよこの妻は

261 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/04/14(日) 07:42:54.61 ID:NAsPBQyd
女の嫉妬は怖いのだわさ
古来、これで身を滅ぼす男は多いし
相手を十二分に見極めんとな(泣

武士だとオトコの見極めもだいじだが