166 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/06/11(木) 00:56:18.40 ID:WFJ6n8Hm
池田備中守長幸の家臣、水野善右衛門は、文武に達し、至忠の老臣であった。
長幸が10歳の時のこと、善右衛門は長幸を強く争諫したことがあった。長幸はこれに大いに怒り、
物も言わずその席を立った。
一時程して、善右衛門は長幸に呼び出された。
「その方の先刻の諫言、心から承知した。
私のこの頃の行いは、甚だ心得違いであった。誤り入るものであった。
今後はその方の諫めの通り、行いを必ず改める。
それについて、その盃を飲んで、私に差し出してほしい。」
主君に盃を差し出すという行為を、善右衛門は僭越なことだと考えこれを硬く辞した。
長幸は再び言った
「その方の先刻の諫言によって、私は本心に立ち返ったのだから、その方は私のための
良き師である。ならば、身分は君臣であっても、道においては師弟である。
師より弟子に盃を与えることを、どうして固辞することがあるだろうか?
さあ、差し出してほしい。」
善右衛門は平伏したまま号泣し、再び頭を上げることも出来なかった。
世の人は池田長幸を良将であると言う。これは水野善右衛門が彼を良将としたのである。
(明良洪範)
169 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/06/11(木) 10:59:26.83 ID:Dq6A5+cE
毒入り盃かと勘繰ってしまった
170 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/06/11(木) 17:09:41.67 ID:G2dBjRRI
同じく勘繰った。
盃飲み干して「ぐはっ」
長幸「出過ぎたことを申すからじゃ」
とか思ってたら、そうそういい話の方だったと。
長幸公はお歳の割には老成しておられますな。
池田備中守長幸の家臣、水野善右衛門は、文武に達し、至忠の老臣であった。
長幸が10歳の時のこと、善右衛門は長幸を強く争諫したことがあった。長幸はこれに大いに怒り、
物も言わずその席を立った。
一時程して、善右衛門は長幸に呼び出された。
「その方の先刻の諫言、心から承知した。
私のこの頃の行いは、甚だ心得違いであった。誤り入るものであった。
今後はその方の諫めの通り、行いを必ず改める。
それについて、その盃を飲んで、私に差し出してほしい。」
主君に盃を差し出すという行為を、善右衛門は僭越なことだと考えこれを硬く辞した。
長幸は再び言った
「その方の先刻の諫言によって、私は本心に立ち返ったのだから、その方は私のための
良き師である。ならば、身分は君臣であっても、道においては師弟である。
師より弟子に盃を与えることを、どうして固辞することがあるだろうか?
さあ、差し出してほしい。」
善右衛門は平伏したまま号泣し、再び頭を上げることも出来なかった。
世の人は池田長幸を良将であると言う。これは水野善右衛門が彼を良将としたのである。
(明良洪範)
169 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/06/11(木) 10:59:26.83 ID:Dq6A5+cE
毒入り盃かと勘繰ってしまった
170 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/06/11(木) 17:09:41.67 ID:G2dBjRRI
同じく勘繰った。
盃飲み干して「ぐはっ」
長幸「出過ぎたことを申すからじゃ」
とか思ってたら、そうそういい話の方だったと。
長幸公はお歳の割には老成しておられますな。
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