311 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/27(火) 02:18:35.68 ID:yuEBVXYo
慶長元年(慶安元年の誤り)、丹波福知山の城主・稲葉淡路守紀通は乱心し、
籠城すると下知した。
しかし、家老中は承諾せず、紀通を押し込めようと評議した。そんな折に紀通は、
鉄砲で樹上の鳩を一羽撃ち落とし、膝の上に置くと「私めの供をせよ」と言って、
その鉄砲で自ら胸を撃ち抜いて死んだ。
(家老中承引せずして押込んと評議する所に記通鉄砲にて樹上の鳩を一羽打落し
膝の上へ置き我等が供せよと云て其鉄砲にて自ら胸を打ぬきて死しける)
同国篠山の城主・松平山城守忠国は、福知山籠城の風説を聞き、淡路守乱心とは
知らず、大いに驚き、早速、京都所司代・板倉周防守(重宗)方へ書状を送り、
「早々に御下知するべきです。遅らせては一大事です」と申し送って、家士たち
に到るまで、皆出陣の支度をさせて下知をお待ちになった。
また、同国亀山の城主・松平伊賀守忠明(忠晴か)は山城守の弟だが、兄と違い
板倉へ問い合わせもしなかった。
後に淡路守の乱心が分かって騒動が鎮まり、兄・山城守は普段の心がけが
よろしいとの旨の御賞詞があった。
一方で、弟・伊賀守は、武備が疎かであるとの旨の御沙汰により、慎み(謹慎)
を仰せ付けられたということである。
――『明良洪範続編』
慶長元年(慶安元年の誤り)、丹波福知山の城主・稲葉淡路守紀通は乱心し、
籠城すると下知した。
しかし、家老中は承諾せず、紀通を押し込めようと評議した。そんな折に紀通は、
鉄砲で樹上の鳩を一羽撃ち落とし、膝の上に置くと「私めの供をせよ」と言って、
その鉄砲で自ら胸を撃ち抜いて死んだ。
(家老中承引せずして押込んと評議する所に記通鉄砲にて樹上の鳩を一羽打落し
膝の上へ置き我等が供せよと云て其鉄砲にて自ら胸を打ぬきて死しける)
同国篠山の城主・松平山城守忠国は、福知山籠城の風説を聞き、淡路守乱心とは
知らず、大いに驚き、早速、京都所司代・板倉周防守(重宗)方へ書状を送り、
「早々に御下知するべきです。遅らせては一大事です」と申し送って、家士たち
に到るまで、皆出陣の支度をさせて下知をお待ちになった。
また、同国亀山の城主・松平伊賀守忠明(忠晴か)は山城守の弟だが、兄と違い
板倉へ問い合わせもしなかった。
後に淡路守の乱心が分かって騒動が鎮まり、兄・山城守は普段の心がけが
よろしいとの旨の御賞詞があった。
一方で、弟・伊賀守は、武備が疎かであるとの旨の御沙汰により、慎み(謹慎)
を仰せ付けられたということである。
――『明良洪範続編』
スポンサーサイト