殺害の気

2015年10月22日 10:43

855 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/22(木) 01:39:43.03 ID:KVTBlHJd
ある時、柳生宗矩は児小姓に刀を持たせ、庭の桜が盛りに開いているのを賞して余念なく見入っていた。

この時、児小姓の心中に「いかに天下の名人であられるといえども、今この刀で後ろから切るならば、
どうして戦いなさることができようか」と思う念が浮かんだ。すると、宗矩はきっと四方を見回して
座敷に帰り、甚だ不審な様子で床の柱にもたれ、物を言わずに一時ばかりを過ごした。

それを近習の面々は皆恐れ怪しみ、「あるいは狂気などであろうか」と呟いた。用人の某は進み出て、
「先刻より、ご様子がいったい何なのか常ならぬように見えます。どのようにか、思し召しのことでも
おありなのでしょうか?」と、言った。

これに宗矩は、「そうなのだよ。ここに不審の晴れないことがあるまま案じているのだ。私は長年の
修練の功により、敵対する者の思うところが、まっさきにこちらの心に通じるのだ。そして、先ほど
庭の桜を眺めているうちに、ふと殺害の気が通じた。側を見ても犬一匹いない。ただこの児小姓がいる
だけである。それ故に、いぶかしさに心も快からず、思案してこの様子なのだ」と、言った。

その時、児小姓は進み出て、「今となってはどうして隠すことができましょう。恐れ入ることですが、
先刻そのように妄念が浮かびました」と言った。宗矩は表情を和らげ、「これで不審は晴れたな」と言い、
立って内へ入り、児小姓に対して何の咎めなどもなかったという。

――『撃剣叢談』



857 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/10/22(木) 21:18:38.10 ID:WDN4Jz30
>>855
その逸話パタリロにも出てたな

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松田の首を我にたむけよ

2015年09月24日 12:54

359 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/23(水) 18:48:09.85 ID:Vnf8H2W3
 織田殿の時、柳生宗厳は大和の守護筒井入道順慶に属して所々で高名を上げていた。関白秀吉が天下を支配されて当国をことごとく御弟秀長大納言に差し上げられたときに、
柳生の譜代の郎等松田という者が告白したので、柳生の庄に隠田をもっていた罪により累代の所領が没収された。
宗厳は口惜しいと思い、三人の息子に、
「どうにかしてお前らは本領を安堵し、松田の首を切って我にたむけよ。」
と言った。宗矩が再びこの地を領ずることができると、松田を搦め取って荘田という郎等に首を刎ねさせたという。
(藩翰譜)



360 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/23(水) 19:03:31.29 ID:LqYxB5NU
へえ身内の告発だったのか

361 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/09/24(木) 17:07:48.14 ID:o04kW+Do
山しかねえ領地なんだから棚田くらい勘弁してやれよ
それか加増とか言って申告以上実高未満のところに配置換えとかなw