223 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/10/17(月) 21:00:40.31 ID:zpQa4NRC
>>218の続き
永正7年、伊東尹祐が家臣・垂水又六より奪った、福永伊豆守祐炳の娘が懐妊した。
尹祐は重臣である長倉若狭守祐正と垂水但馬守の両名を召して言った
「今度産まれてくる子が万一男子であれば、嫡子に定める。」
これに両人は反対した
「先年、申し上げたことがあります。天に二つの日はなく、国に二人の主はありません。
既に桐壷様(中村氏娘)が産まれた若君様に嫡男としての御祝いを上げています。
であるのに今更福永腹の若君を立てられることは良いとは思えません。」
これに尹祐は腹を立てた。この頃、長倉若狭守は綾という地の地頭であったが、尹祐の
寵臣である稲津越前守重頼がかねてよりこの職を望んでおり、稲津は尹祐の感情が悪化している
のを幸いに、二人を様々に讒言した。尹祐もこれに煽られ怒り甚だしく、長倉と垂水は
身の危険を感じ、同年九月朔日、綾城に立て籠もった。これに対し尹祐は宮原まで自身出馬し、
綾城を攻め立て、十月十七日、二人は遂に切腹して果てた(綾の乱)
この乱の最中の九月十三日、福永娘は男児を産んだ。幼名を虎乗丸。後の伊東祐充である。
尹祐はこの子を寵愛し家督を譲るつもりであったので、常々桐壺の産んだ子を悪み、殺害する
心があった。
その後、永正十四年十一月十四日、桐壷の子が尹祐の御前に出た時、尹祐は怒り出し
彼を追いかけた。まだ子供である桐壺の子は声を上げて泣き出し、庭前に走って逃げた。
近習の士である上別府某と弓削摂津介がこの子に走り寄って抱きかかえた。
尹祐は縁側に出て命じた「それを殺せ!」
弓削摂津介はこの命を奉り、彼を殺害した。この時この桐壺の子は、十四歳であったという。
(日向記では十二歳という)
情け無いことであると申さぬ者はいなかった。
(日向纂記)
>>218の続き
永正7年、伊東尹祐が家臣・垂水又六より奪った、福永伊豆守祐炳の娘が懐妊した。
尹祐は重臣である長倉若狭守祐正と垂水但馬守の両名を召して言った
「今度産まれてくる子が万一男子であれば、嫡子に定める。」
これに両人は反対した
「先年、申し上げたことがあります。天に二つの日はなく、国に二人の主はありません。
既に桐壷様(中村氏娘)が産まれた若君様に嫡男としての御祝いを上げています。
であるのに今更福永腹の若君を立てられることは良いとは思えません。」
これに尹祐は腹を立てた。この頃、長倉若狭守は綾という地の地頭であったが、尹祐の
寵臣である稲津越前守重頼がかねてよりこの職を望んでおり、稲津は尹祐の感情が悪化している
のを幸いに、二人を様々に讒言した。尹祐もこれに煽られ怒り甚だしく、長倉と垂水は
身の危険を感じ、同年九月朔日、綾城に立て籠もった。これに対し尹祐は宮原まで自身出馬し、
綾城を攻め立て、十月十七日、二人は遂に切腹して果てた(綾の乱)
この乱の最中の九月十三日、福永娘は男児を産んだ。幼名を虎乗丸。後の伊東祐充である。
尹祐はこの子を寵愛し家督を譲るつもりであったので、常々桐壺の産んだ子を悪み、殺害する
心があった。
その後、永正十四年十一月十四日、桐壷の子が尹祐の御前に出た時、尹祐は怒り出し
彼を追いかけた。まだ子供である桐壺の子は声を上げて泣き出し、庭前に走って逃げた。
近習の士である上別府某と弓削摂津介がこの子に走り寄って抱きかかえた。
尹祐は縁側に出て命じた「それを殺せ!」
弓削摂津介はこの命を奉り、彼を殺害した。この時この桐壺の子は、十四歳であったという。
(日向記では十二歳という)
情け無いことであると申さぬ者はいなかった。
(日向纂記)
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