498 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/01/07(土) 07:29:16.21 ID:fjqhmX6S
再福岡合戦薬師寺額田片岡三士討死の事
文明十六年正月六日に又福岡で戦があった。
城兵が敗北する所に薬師寺四郎左衛門という者が薙刀を取って返し合せ、
「ここで討死する」と防戦した。
同弥四郎らが四郎左衛門を討たせまいと取って返し、
津坂の山の麓から城際まで僅かの兵で多勢を防いで払い退けた。
寄手の中にも福屋九郎右衛門という剛の者がおり、
鍬形を打った兜をかぶり、隙もなく四郎左衛門に切ってかかった。
ここで、四郎左衛門の家の士が返し合わせて福屋を討つことができた。
しかし寄手がいよいよ追い詰めてきたので、
薬師寺四郎左衛門、額田十郎左衛門、片岡孫左衛門の三人は
引き返し枕を並べて切り死にした。
これは三人が必ず死を約束したためだという。
これより前に三人が話した時、次郎左衛門が、
「今回の戦は必ず味方は負けるにちがいない。
松田は元々当国の者なので、後巻を味方から申しても播州の加勢もが来ないだろう。
政則は真弓峠の戦に負けて姫路に引き退いたと聞こえるので、味方は力を失っている。
なので討死すべき身である。人の後れて生きながらえるのは本意ではない。
もう一度戦があったら必ず討死しよう。」
と語った。二人は聞いて、
「我々も皆同じ所存ですぞ。互いに同じ所で討死しましょう。」
と約束した。
その日、四郎左衛門が打ち出る時に、
「ただ今、敵の手に渡るはずの首である。最後の対面しよう。」
と鏡に向かってニコっと笑って出たとか。
額田は岡本筑後守に向って、
「子であります又三郎は私のたった一人の子なので、とりわけ不憫であります。
私と一緒にいたら必ず死を逃れられないでしょう。よろしく計らってください。」
と言ってきたので岡本は、「心得た。」と親子引き離したのでこの日には討死しなかった。
片岡は自分の家来に向って、
「わが首は必ず敵に取られるだろう。これをしるしに死骸を探せ。」
とこよりを左の二の腕に二重に結ばせていたので、
案の定、これをしるしに死骸を求め得たとか。
(常山紀談)
生に執着しないのが武士
499 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/01/07(土) 07:41:37.26 ID:9Z8Rx85u
強姦や強盗など悪逆の限りを尽くしてきたのだから当然ですよね
再福岡合戦薬師寺額田片岡三士討死の事
文明十六年正月六日に又福岡で戦があった。
城兵が敗北する所に薬師寺四郎左衛門という者が薙刀を取って返し合せ、
「ここで討死する」と防戦した。
同弥四郎らが四郎左衛門を討たせまいと取って返し、
津坂の山の麓から城際まで僅かの兵で多勢を防いで払い退けた。
寄手の中にも福屋九郎右衛門という剛の者がおり、
鍬形を打った兜をかぶり、隙もなく四郎左衛門に切ってかかった。
ここで、四郎左衛門の家の士が返し合わせて福屋を討つことができた。
しかし寄手がいよいよ追い詰めてきたので、
薬師寺四郎左衛門、額田十郎左衛門、片岡孫左衛門の三人は
引き返し枕を並べて切り死にした。
これは三人が必ず死を約束したためだという。
これより前に三人が話した時、次郎左衛門が、
「今回の戦は必ず味方は負けるにちがいない。
松田は元々当国の者なので、後巻を味方から申しても播州の加勢もが来ないだろう。
政則は真弓峠の戦に負けて姫路に引き退いたと聞こえるので、味方は力を失っている。
なので討死すべき身である。人の後れて生きながらえるのは本意ではない。
もう一度戦があったら必ず討死しよう。」
と語った。二人は聞いて、
「我々も皆同じ所存ですぞ。互いに同じ所で討死しましょう。」
と約束した。
その日、四郎左衛門が打ち出る時に、
「ただ今、敵の手に渡るはずの首である。最後の対面しよう。」
と鏡に向かってニコっと笑って出たとか。
額田は岡本筑後守に向って、
「子であります又三郎は私のたった一人の子なので、とりわけ不憫であります。
私と一緒にいたら必ず死を逃れられないでしょう。よろしく計らってください。」
と言ってきたので岡本は、「心得た。」と親子引き離したのでこの日には討死しなかった。
片岡は自分の家来に向って、
「わが首は必ず敵に取られるだろう。これをしるしに死骸を探せ。」
とこよりを左の二の腕に二重に結ばせていたので、
案の定、これをしるしに死骸を求め得たとか。
(常山紀談)
生に執着しないのが武士
499 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/01/07(土) 07:41:37.26 ID:9Z8Rx85u
強姦や強盗など悪逆の限りを尽くしてきたのだから当然ですよね
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