ギョーム・ポステルの日本観

2017年04月16日 17:56

735 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/04/15(土) 20:11:15.64 ID:5urH6aPk
ウィリアム・J・ブースマ「ギヨーム・ポステル 異貌のルネサンス人の生涯と思想」より、ギヨーム・ポステルについて

西欧の言語はもちろん、ヘブライ語、アラビア語など様々な言語を習得し、
すべての言語はヘブライ語に由来するといった本を記述し、比較言語学の創設者の一人とされ、
フランス王フランソワ1世に数学や言語学を教授し、
イエズス会に入り、自分が翻訳した聖書で世界中をカトリックに改宗させようとし、
カバラ思想によってプロテスタント的な千年王国思想を広めようとし、
ある女性を「新しいエバ」、彼女によって生まれ変わった自分を「第二のカイン」、とみなし、
なんだかんだで異端審問にかけられ、「狂気」の判決を受ける、
という波乱万丈の人生を送ったギョーム・ポステルであったが、その日本観。

日本は自然理性の一種のユートピアであり、
・日本人は3つの偶像を崇めているが、それは三位一体を認めたためである。
・神の前でとりなしてくれる処女なる母(脇から出産した摩耶夫人?)を崇拝し、彼女の息子釈迦の伝説を守り伝えている。
・日本人は一神教徒でもあり、賞罰を伴う死後の生を信じている。
・共同生活に基づいた一種の修道院制度を実践し、断食、祈祷、説教をする。
・長子相続制と君主による宗教的共同体の統率の有効性を堅く信じている。
そのため、日本人が現に行っていることをイエスの名においてなしさえすれば、彼らは「世界でもっとも完全な人間」となる。
こうして神は東方を善行のうちにとどめ、東方以上に完全な生き方はない。
かたやキリスト教という至高の教義が今に至るまで支配してきた西方には、キリスト教徒としての完全さや純粋さはほとんどど残っていない。

 西欧批判のためにユートピアとして持ち上げられているとはいえ、日本仏教とキリスト教の類似点の指摘や
 長子相続制と君主の権威主義という、エマニュエル・トッドがドイツと日本の共通点として挙げている指摘が見えて面白い
 ツッコミどころ満載なので悪いスレに投稿



738 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/04/20(木) 19:47:40.19 ID:UFErlbpi
>>735のポステルの詳しい内容が彌永信美「幻想の東洋」オリエンタリズムの系譜、にあった
・東方の三人の王はユダヤ人よりも前に主イエスの誕生をお知りになった。けだし西方のことどもは優れたる東方のまぼろしにすぎない。
(この後>>735の日本人が現に行っていることを~、という文章が来る)
・ザビエルの弟子のヤジロウの報告書によれば、日本人はすべて唯一の神を知り、それを彼らの言語で「ダイニチ」と呼び、
一身にして三頭を具えた形で描く。ただこの三頭について彼らはいかなる説明もできない。われわれには三位一体由来なのは明らかである。
日本人は頭や腕が多いほど大いなる利益の力を持つと信じ、ついには百の腕を具えた像まで作ったのである。
これは高僧らの無知と過誤に由来することで、彼らは民衆がキリスト教の正しい教理から偶像崇拝に立ち戻ることを許してしまった。
もともと東方の三人の王が日本人を改宗させ、聖トマス(インドで布教したと伝えられる)によって教えが確認されたにも関わらず、
彼らは徐々にイエスについての真実を次に語られるシャカの物語に改変してしまった。
シャカの父親は浄飯大王(Iambondaino)、母親を摩耶夫人(Magabonin)というが、これがヨセフ(Iosef)とマリア(Marie)をもとにしたことは
最初の文字が「I」「M」であることから明らかである。
この王は夢で子供のかたちをしたものから「我、汝の妻より生まれ出ずることを欲す」と言われたとされるが、これは天使による受胎告知である。
王は后に触れぬことに決め、后は処女のまま身ごもった、とされる。このようにイエス誕生の物語が改変されて伝わっている。
后は産後死に、后の妹がシャカを養育したが、二匹の蛇が近づいてきて、彼に大いに水を灌ぎかけた(灌仏会では九匹の竜)。
これは洗礼についての記録であり、日本人はすべて洗礼を受ける。また蛇はサタンの記憶の混同である。
シャカは三ヶ月目には真っすぐ立って「我は天と地における唯一の帝王なり」と述べた。
これは「我は天にても地にても一切の権を与えられたり」との主イエスの言葉そのままである。
彼は19歳の時、人の世の悲惨を感じて山に出向いたが、これは山上の垂訓にみるとおり主イエスのことである。
こうして八千人の弟子を集めたシャカは隣接する人々を改宗させ、偶像を破壊し、崇められていた寺院や聖地を躊躇なく壊したのである。
シャカの弟子達は日本にも到来し、そこでも偶像を破壊した。それゆえ今日でも日本では偶像の破片などが見られることがある。
このシャカはすべてのものを想像した唯一の神の存在を教え、その姿を一身三頭に描かせた。
彼はまた人々に5つの掟を与えた。「他人を殺すなかれ(いわんや自分自身を)」「盗むなかれ」「姦淫するなかれ」「思い悩むことなかれ」「罪人を許すべし」
これらの掟を与えられるのは主イエスをおいてほかにないのだから、シャカが主イエスを元にしたのは明らかである。

ヤジロウの仏教観はおそらく戦国日本一般の仏教観とほぼ同じと思われるが、
イエズス会が当初、仏教の用語を利用して日本人を改宗していたのって、親近感を得るために仏教の仮面をあえてかぶったんじゃなくて
本気で仏教をキリスト教の反映と考えていたのだろうか



739 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/04/20(木) 23:43:28.11 ID:MLRX6GjQ
>本気で仏教をキリスト教の反映と考えていたのだろうか

2008年ノーベル物理学賞の
南部陽一郎、小林誠、益川敏英の3人が
東方の三博士になぞらえられていたのを思い出した
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