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慶世村恒任『宮古史伝』より、 桃太郎の鬼退治のお話

2020年12月09日 18:48

478 名前:人間七七四年[] 投稿日:2020/12/09(水) 18:06:39.39 ID:NqDtQxu4
桃太郎の鬼退治のお話

慶世村恒任『宮古史伝』より

沖縄県宮古島の豪族、仲宗根豊見親玄雅、通称は空広(豊見親は豪族の称号)は沖縄本島の琉球国中山王
(この時期は尚真)に貢納し、その威勢を借りて先島諸島全域を影響圏にすることを目論んでいた

1500年のオヤケアカハチの乱で、王府軍に加勢してアカハチを滅ぼし、実質的に石垣島も影響下に置く
最後に残った与那国島も、時期は諸説あるものの1522年に与那国首長が王府に従わないことを口実に
征討の軍勢を挙げた

宮古島独特の古謡「アヤゴ」には15、16世紀の叙事詩が含まれる
そのうちの「仲宗根豊見親八重山入りのアヤゴ(仲宗根豊見親与那国攻入のアヤゴ)」では与那国攻めに
参戦する島内外の傘下豪族二十数名の名が挙げられ、その中にこういう名がある

大川盛与那覇のむゝたら(桃多良)

前置きが長くなりましたが、「たら(たらー)」は沖縄訛りで太郎なので、桃太郎なんですね
少なくとも15世紀までに宮古島まで桃太郎説話が伝来し、それにあやかって名付けられたと考察されています
そして攻め入る先の与那国の首長は鬼虎という名でした

この与那国征服(鬼虎征伐)は仲宗根豊見親が宝刀治金丸で鬼虎を討ち取って決着し、先島諸島全域が
その影響下に入るが、その死後すぐに息子たちは沖縄本島に実権を奪われて琉球国の完全支配が確立

鬼虎の娘は仲宗根豊見親の息子の嫁にするとの甘言で連れ出されるが、実際は水汲みの下女として
扱き使われ、悲観して世を去ったという

鬼虎征伐のお話は、多良間島の多良間八月踊り(国の重要無形民俗文化財)で「忠臣仲宗根豊見親組」の
題名で今でも演じ続けられています
http://www.vill.tarama.okinawa.jp/?cat=60
http://www.cosmos.ne.jp/~miyako-m/htm/kagisuma/kagi2005/kagi_050911/kagi_050911.htm

仲宗根豊見親、アカハチ、鬼虎はそれぞれの島で地元の英雄扱いや再評価されているので、沖縄本島視点の
琉球王国史観とはまた違ったものがありますね

※なお、桃太郎さん自身は下っ端らしく、名前だけで出番が終わりです

479 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 18:07:13.19 ID:NqDtQxu4
この話は過去ログの「宮古山の鯖祖氏玄雅宝剣を献上す」、「戦国時代の空手マスターの話」とつながります



480 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/09(水) 22:39:24.28 ID:oL1m021D
>>478
桃太郎こと桃多良は、18世紀に編纂された「根馬氏系図」において、仲宗根豊見親の父の従兄弟という間柄。
親戚のおじさんだから、三下扱いは少しかわいそうなw

ただし、1522年には結構な高齢と見受けられる仲宗根豊見親の、更に叔父世代が出陣できたかは少々疑問。
ま、伝承自体の信憑性と、後世の系図なので。

486 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/11(金) 11:52:21.43 ID:vO2UnWC2
>>480
昔の文書は往々にして世代の取り違えあるんでしょ
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