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「女郎が淵」

2021年08月24日 17:23

瑠璃姫   
958 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/08/24(火) 15:54:45.59 ID:G7GDo+f3
伊予国大洲の米津に、津々喜氏の居城である米津城(滝之城)という城があった。切り立った崖の上に有り、
難攻の城であったという。近辺に白滝という場所があり、そこは城主らの遊園の地であった。

しかし元亀元年(1571)秋、ここに土佐長宗我部氏の軍勢が襲来した。これに城方は懸命に抗戦した。
城主の奥方であった瑠璃姫は清流長刀の指南であり、さらに吹き矢については神業と言われるほどの
腕前であった。また彼女の娘である八重姫、九重姫は八双手裏剣の名手であり、彼女らも大いに奮戦した。

そして瑠璃姫の吹き矢に苛まれた長宗我部軍はジリジリと後退を始めた。
これを見た瑠璃姫は侍女に「もう一息です、残った吹き矢をすべてここに持ってきなさい!」
と命じた。ところがこの時、吹き矢を運んできた侍女の一人がこのように叫んでしまった
「瑠璃姫様、残りの吹き矢はこれだけ、十数本しかございません!」

この叫びは長宗我部軍の耳にも入った。彼らは吹き矢が残り少ないことを知るとたちまち勢いを
盛り返し、城は遂に落ちた。瑠璃姫らは城主の嫡男である尊雄丸を連れ、どうにか白滝の雌滝の上まで
逃げたものの、追手は迫り、瑠璃姫は「もはやこれまで」と、八重姫、九重姫を呼んで言った

「尊雄丸が敵に捕らえられる辱めを受けるのは不憫です。私はこの子とともにこの滝に身を投げます。
あなたたち姉妹は後に生き残り、我が一族の霊を慰め、冥福を祈るように。」

そして追いすがる二人の姫を振り払い、尊雄丸とともに身を投げ滝壺へと消えた。
残された二人の姉妹は母の言いつけに従って逃げ延び、後にこの地に、瑠璃姫と尊雄丸を祀る
観音堂を建立した。
これ以来、この白滝に住む者達は毎年十一月二十三日に「瑠璃姫祭り」をして、二人の霊を慰めるのだという。

伊予国大洲の伝説「女郎が淵」より



959 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/08/24(火) 16:48:43.03 ID:yM+0MafG
読み方は米津(よなづ)なのか
徳島の作詞作曲家の影響で「よねづ」と呼びそうだった

960 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/08/24(火) 20:25:10.88 ID:IXgKP0fT
>>958
長刀はまだ判らんでもないけど姫が吹き矢の名手って設定はどうなの?
娘に至っては手裏剣の名手だし忍びの者か何かなの?
素性が気になってしかたないんだけど
さらに吹き矢で後退する長曾我部軍ってのもなんだかな…
シチュエーションが判らないけど…竹束とか板盾とか無いんです?

961 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/08/24(火) 21:04:22.20 ID:vkouVMX0
吹き矢とか手裏剣なんて戦ではさほど使えないだろうしそこら辺は後世の創作でしょうね
お話としては面白いけど

962 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/08/24(火) 21:08:51.24 ID:02N8vyrY
>>960
>>958の
>切り立った崖の上に有り、 難攻の城であったという。
ここだけ読めば竹束や板盾持って攻めるのは不向きだと思うけど?
実際に調べてみたけど標高は低いが攻めるには難儀しそうな山城跡に思うよ。

津々喜谷氏 るり姫(ソース?)
http://pipinohoshi.blog51.fc2.com/blog-entry-134.html

白滝で祈る:るり姫伝説第2話
https://makild.exblog.jp/13068713/

伊予 米津城の写真集
https://www.hb.pei.jp/shiro/iyo/yonazu-jyo/thumb/

970 名前:人間七七四年[] 投稿日:2021/08/24(火) 22:55:34.81 ID:kYsNSRET
リアルな話をすると逸話に書かれてる1571年は長宗我部元親もまだ伊予に攻め込むどころではないし、一条氏を倒してから1578年くらいに大洲市の南の宇和郡に攻め入ってるからちょっと話に疑問符付くんだけどね。
でも、女性だって投擲術なら会得しやすそうだし中国地方や九州、同じ伊予でも戦国期に武装して戦った姫と女中達の話は有るんだから寄手が何処まで苦戦したとか誇張の有無は置いてもそう言う話が有っても良いとは思うし、その方が一々非現実的だと断じるよりも浪漫がある。
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