228 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/06/03(金) 21:16:19.80 ID:IglZJe0y
「救民記」から「蛇断(へびきり)の太刀」
弘治(1555-1558)の頃、朽網に竹王という人がいた。
六月ごろ、田の畦切りをしていたところ、誤ってマムシの頭を切り落としてしまった。
その首はどこに行ったか知れなかった。
翌年、竹王はそのあたりを通りかかったが、前年のことは忘れてしまっていた。
なぜかひどく眠気を催して耐えられなくなったため、草に臥して仮眠をとっていると、何かが枕の方でざわめいた気がしたので、目覚めてそちらをみた。
すると、去年切り落とした蛇の頭が、腰に差していた九寸五分の小脇差により貫かれていた。
小脇差は自ら鞘から抜け出したのであった。
竹王はこれをみて大いに喜び、思えば蛇の頭を切り落とした月日も全く同じだと不思議に思い、
蛇の首を貫いたままの状態で、朽網殿にその小脇差をご覧に入れた。
宗暦公(朽網鑑康)は奇瑞であるということで、蛇切と名づけ、つねにこれを佩刀した。
来国統(来国宗?)の銘があり、のちには竹下紀伊守に預け置かれたそうである。
「救民記」から「蛇断(へびきり)の太刀」
弘治(1555-1558)の頃、朽網に竹王という人がいた。
六月ごろ、田の畦切りをしていたところ、誤ってマムシの頭を切り落としてしまった。
その首はどこに行ったか知れなかった。
翌年、竹王はそのあたりを通りかかったが、前年のことは忘れてしまっていた。
なぜかひどく眠気を催して耐えられなくなったため、草に臥して仮眠をとっていると、何かが枕の方でざわめいた気がしたので、目覚めてそちらをみた。
すると、去年切り落とした蛇の頭が、腰に差していた九寸五分の小脇差により貫かれていた。
小脇差は自ら鞘から抜け出したのであった。
竹王はこれをみて大いに喜び、思えば蛇の頭を切り落とした月日も全く同じだと不思議に思い、
蛇の首を貫いたままの状態で、朽網殿にその小脇差をご覧に入れた。
宗暦公(朽網鑑康)は奇瑞であるということで、蛇切と名づけ、つねにこれを佩刀した。
来国統(来国宗?)の銘があり、のちには竹下紀伊守に預け置かれたそうである。
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