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「蛇断(へびきり)の太刀」

2022年06月04日 14:20

228 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/06/03(金) 21:16:19.80 ID:IglZJe0y
救民記」から「蛇断(へびきり)の太刀」

弘治(1555-1558)の頃、朽網に竹王という人がいた。
六月ごろ、田の畦切りをしていたところ、誤ってマムシの頭を切り落としてしまった。
その首はどこに行ったか知れなかった。
翌年、竹王はそのあたりを通りかかったが、前年のことは忘れてしまっていた。
なぜかひどく眠気を催して耐えられなくなったため、草に臥して仮眠をとっていると、何かが枕の方でざわめいた気がしたので、目覚めてそちらをみた。
すると、去年切り落とした蛇の頭が、腰に差していた九寸五分の小脇差により貫かれていた。
小脇差は自ら鞘から抜け出したのであった。
竹王はこれをみて大いに喜び、思えば蛇の頭を切り落とした月日も全く同じだと不思議に思い、
蛇の首を貫いたままの状態で、朽網殿にその小脇差をご覧に入れた。
宗暦公(朽網鑑康)は奇瑞であるということで、蛇切と名づけ、つねにこれを佩刀した。
来国統(来国宗?)の銘があり、のちには竹下紀伊守に預け置かれたそうである。
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「大友興廃記」より「馬鬼退治の事 ならびに七不思議」

2022年02月24日 20:29

375 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/23(水) 15:58:31.52 ID:ZuQNmClx
「大友興廃記」より「馬鬼退治の事 ならびに七不思議」

朽網に名山の九重嶽、前嶽、黒嶽があり、黒嶽は仙界で様々の奇特がある。
朽網三河守鑑康(耳川の戦いでは志賀親守とともに肥後口を担当)の代にあたって、黒嶽の麓にある八幡宮に年々神馬を奉じるに、前年に馬を広野に解き放って、翌年神馬をとらえて奉っていた。
ある年の祭りのとき、解き放った神馬が見つからず別の馬を神馬として放ったが、次の年もまた見つからなかった。
何かが馬を喰い殺したのではないかと人々が不審になっていると、樵や草刈りも帰ってこなくなり、実は辻斬りのためではないかとも言われた。
そのうち誰ということなく「先の神馬が馬鬼となって人馬を喰らっている」と流言が立った。
不審に思い、山を探してみると人馬の髑髏や舎利が多く見つかり、往来のものも先の馬が鬼となって人々を害していると噂したため、
三河守鑑康は退治を大久保蔵人と上高(しやうかう)因幡守の両人に仰せつけた。
蔵人は長刀、因幡守は弓を持ち、前嶽のふもとの屏風岩で、おびき寄せようとしたところ、常の馬より長い葦毛の馬がいきり立って歯噛みしてとびかかってきた。
因幡守は三人張りの弓で尖り矢を射たが馬には当たらず、二の矢をつごうとしたが、
蔵人は長刀の石突を屏風岩に突かせていたため、長刀がとびかかってきた馬の胸を貫いた。
明け方になり馬の死骸をみようとしたが、どこにも残っていなかった。
その馬の祟りによって蔵人の子孫に男子ができなかったため、石によって宮を造営し「馬鬼の宮」と号して年々祭った。
今成峠では、その時から今に至るまで清水が湧き出している。

朽網は希有なる所にて七不思議あり、曰く
鳴瀬川:河なき所に波の音あり
音無川:河水みなぎり、波あるが音なし
西の池:池の辺で高声する時は雨降る
念仏の池;池辺にて念仏唱えれば池に沸々と声あり
殺生石:人畜鳥獣、この石に触れて死す
雪中の青蓼:聞こえたるうそ?
仙白水:時々黒嶽より白水ふる

376 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/23(水) 16:08:06.89 ID:ZuQNmClx
なおこの殺生石も有名な那須の殺生石と同様、元は玉藻前が石になったもので
玄翁和尚が那須の殺生石を砕いた破片がここまで飛んできたという伝説があるらしい



377 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/23(水) 18:47:48.53 ID:La6fcLzt
将門の首より飛んでるなぁ、殺生石の欠片

379 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/24(木) 08:35:29.92 ID:1vt0lxcq
いっそ殺生石で待ち伏せして殺生石に触れさせた方が楽に勝てたのでは?
大食らいの葦毛の怪物馬といえど、玉藻の前には勝てないだろうし

381 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/06(日) 07:52:20.64 ID:p6915eu/
>>376
那須の殺生石が割れたらしい
今度は破片は遠くへは飛ばなかったようだ

382 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/06(日) 13:32:53.93 ID:aEanwxFY
と言っても3年くらい前からヒビ入ってたのをなんとか繋いでたみたいだけどな