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稲富一夢が事

2020年03月22日 15:34

770 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/22(日) 09:49:41.35 ID:+xP3v1b/
稲富一夢が事

稲富一夢(祐直)、初めの名は伊賀である、丹波国の住人にて、一色五郎満信(義定)の家臣であったが、
義定が滅んだ後、細川忠興の侍と成った。
この度、大阪屋敷の留守として忠興が置かれた所に、主人の用に立たず、剰えその行方も知られなかったため、
忠興は深くこれを憎み、何としてもこの者を捜し出し火あぶりにせんと捜索された。

しかし、「稲富が大阪城中に罷り在って、主君の役に立たなかったのは是非無き次第であった。」とも聞こえ、
その故いかにとなれば、稲富伊賀は鉄砲の名人ゆえ、大阪衆の歴々に、弟子である人多かった。故に稲富が
滅びることを惜しみ、鉄砲稽古に事寄せて、予め城中に呼び入れた。この時は未だ敵味方の分色も無い時であったので、
鉄砲の稽古もすぐに済むことだと心得て、稲富が城中へ参ったのも仕方のない事では無いだろうか。

この稲富という者は、奇妙稀代なる鉄砲の上手であった。その妙を語っても、未だ見ぬ人で、「信じられない」と
思わぬ人は居なかった。
稲富が常に用いる鉄砲は、玉目一両より八匁までを限りとし、その町間も八町(約870メートル)以上を好まなかった。
八町以内であれば、火蓋を切って中らずという事無かった。
或いは暗夜に孤狼の声を聞き据えて、闇中に撃ち留める事も、ただ箱の中のものを拾うようなものであった。

稲富は二十五歳の時、橋立大明神に一七日断食して、目くら打という工夫をしたと聞こえる。
十能十藝、古より手練の者は多いが、離切りたる飛び道具を、稲富ほど精緻に扱う者は未だ聞いたことがない。

関ヶ原の戦いが鎮まった後、畏くも権現様(徳川家康)が御直に越中守(忠興)に御詫言あそばされ、頭剃らせて
一夢と号し、世上の師となされた。

丹州三家物語

稲富祐直についてのお話



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「そんな話は信じられない」

2013年07月10日 19:58

654 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 16:05:11.98 ID:oZdMkUTU
稲富(祐直)と言う者は。奇妙希代の鉄砲の上手であった。
その技術の妙を語っても、未だそれを実際に見たことのない人間で「そんな話は信じられない」
と思わぬ人は居なかった。

稲富が常に使っている鉄砲は一両から八匁弾(約40グラム弱~30グラム)に限り、
その町間も8町(約870メートル)以上は好まなかった。
8町よりうちの物であれば、火蓋を切って当たらないというものはなかった。

あるいは闇夜に、狐や狼の声を聞きすえて、闇中で仕留めるのは、ただ箱の中の物を拾うがごとくであった。

稲富は25歳の時に橋立大明神に17日間断食して、目くら撃ちという工夫をしたと聞く。
十能十藝、いにしえより手練のものは多いが、離れたものに当てる飛び道具で、稲富ほど
精妙な者は未だ聞いたことがない。
(丹州三家物語)


稲富祐直の鉄砲の技術について伝える逸話である。




655 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 16:38:15.83 ID:0LWdkB0+
870メートルともなると本当にただ当たるだけなんだろうなあ…

656 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 17:21:06.89 ID:xgCwvMxK
ライフリング無しだと絶対に着弾がばらつきそうだけどなあ

657 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 17:45:29.34 ID:sdeKJFjI
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  l .{`|./ ヽ二・ニゝチ、 ! .ゝrニ・二r  } ! i l
  { {(l {      ノ | | ヽ   ::  }| ソ/
  ヽヽ|.{    /  | |  \    i.|//  確実に仕留めるのは八町までだ
   \|.i   /  ,,.. | l._,, . \  i !/
    乂i  /    - (__,)-゛   ' {丿
    .l .!、.      ,. !.,  .,   / |
    人 \   .!''''" ̄~ ̄`''!  / 人
   ./ | .\ ,\  '-"" ゛-'  / / | .ヽ
  ノ  .{  \ .ヽ,.,   .:   ,イ /  }  ヽ
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658 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 22:14:04.59 ID:yUQUoM1X
※ただし目の前の虎は除く

659 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/10(水) 22:16:47.14 ID:vQUXyBbc
※ただし実戦には使えない

660 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/11(木) 01:35:01.18 ID:m1TV0Nsx
のちの八町ミッソーである

664 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/07/11(木) 21:39:15.45 ID:eYSg+cGL
>>654
スペンサー銃を持った八重以上の腕前だね
※但し、実戦を除く

雑談・ 『ガラシャ夫人を…』

2011年09月11日 22:25

847 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/10(土) 22:45:38.83 ID:RIPsFW01
これは悪い話だw

三斎細川忠興の遺産 其ノ弐
http://www.shimada-museum.net/event.html
http://www.shimada-museum.net/img/event/005/back.jpg

> 【古典古物を楽しむ講座】
> □9月29日(木)
>
> 『ガラシャ夫人を見捨てた男、稲富一夢』

稲富さん(ノ∀`)




848 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/10(土) 22:53:31.29 ID:L/I1HESf
ひでぇ題名だw

849 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/10(土) 23:17:39.46 ID:kMx9XFc2
さすがにこれはwww

850 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/10(土) 23:19:24.10 ID:1WnkfC7u
見捨てた男というのはひどいなw

851 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/10(土) 23:20:13.13 ID:H7j31K3R
さすが戦国のヘタレ王www

852 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/11(日) 02:09:40.69 ID:NUMYI2pc
これは同情を禁じえ、、、それほどでもないや

853 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/09/11(日) 04:21:21.09 ID:ofsoMQ+N
こういうのって「近世砲術の祖」とか持ち上げるのが常なのに
ここまであからさまにdisったタイトルつけるのは珍しいなw

稲富一夢理斎「芸と術」

2009年08月24日 00:09

699 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 16:38:48 ID:gC7rr66y
徳川家康の四男、松平忠吉は、高名な砲術家である稲富一夢理斎から鉄砲術を熱心に学び、
稲富から「すべての秘伝を伝授しつくした」との起請を譲り受けたほどであった。

ある時その忠吉が、雁撃ちの猟に出たが、その日に限ってどうしたことか、
雁が人間を警戒し、何をしてもまったく近寄ってこなかった。

ちょうどその場に、稲富からの使者が来ていたのだが、彼は「雁が警戒しているのなら、
このようにすればよいでしょう」と、火縄の付いた鉄砲を文箱にくくりつけ、それを肩にかたげ、
ただの通行人が道路を通っている、という風を装い、これに油断した雁が近づくと、
振向くことなく後ろに向かって鉄砲を撃ち、これをしとめた。

忠吉、これを見て、「おいおい!そんな技は習っていないぞ!」

城に帰ると早速稲富を呼び出し、文句を言った。
「お主はすべての秘術をわしに伝えたと言ったのに、伝え残しがあったではないか!
けしからん!」

これに稲富は
「私は伝え残したことなぞ何もありませんよ」

「しかし狩場でおぬしの使者が見せたあの技は…」

「あれは秘術ではありません。雁が寄ってこなかったことから行った、『工夫』です。
秘伝というのは、高度ではありますが基礎的な技術体系であって、実際には
状況に応じた工夫が必要なのです。

工夫とは、芸に対しての術というもので、技術体系である『芸』に対して、
『術』はその運用活用法です。そして『術』の方は、状況に応じて行われるものため、
技術として伝えることは出来ません。
工夫を思いついたたびに秘伝として伝えようとすれば、起請文が何十枚と必要となるか
わかりませんからね(笑)

どんな事であっても詳細に極めようとすれば、一通りの技術に満足するだけでは駄目で、
常に工夫を尽くさなければならないものなのです」


つまり、『いくらマニュアルの内容を覚えても、それだけでは駄目で、それぞれの状況に応じて、
臨機応変に活用出来てこそ意味があるの。』という事のようだ。

そんな、「天下一の砲術師」と呼ばれた、稲富一夢理斎の言葉。




700 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 16:43:50 ID:oXkJpoCQ
忠興「どの口が状況に応じてなどとのたまったか」

701 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 16:45:36 ID:HIzUA2Bj
状況に応じて逃げました!

702 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 16:48:12 ID:m8TGo+Yf
もう許してやれよw

703 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 17:04:00 ID:DZict3/C
黒田長政「細川殿、let's奉公構!」

704 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 17:09:46 ID:oclBPa+M
具足を2重に着れば身動きは出来ないが弾は通らん!は秘術に入るのだろうか?

705 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 17:41:51 ID:ougS+/wd
「おまえはのろまな亀だ!」
「とってもネガティブな工夫ですね、教官!」

718 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 21:07:22 ID:2iEDs3eu
>>704
実物の鎧みたけど、1枚でも丈夫で重い。あれを2枚重ねなんて考えられないし、実用的でない。

719 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/23(日) 21:16:53 ID:JD5ndDXn
んなこたぁ百も承知で
「本番に弱い臆病者」稲富を揶揄するために出来た逸話だろ

だからリアルについて語るんなら別スレ行けって


本番に弱い男、稲富祐直・悪い話

2009年02月10日 00:00

727 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 20:10:55 ID:Ueb9uXVw
本番に弱い男

稲富流砲術の創始者として知られる稲富祐直。実はプレッシャーにとても弱い人間であった。

朝鮮の陣の折に虎狩りを催した事があった。追い立てられた虎の前に立ちはばかるは二人の男。
立花宗茂の家臣十時三弥と細川家の家臣稲富祐直である。二人は同時に虎へと向かって発砲した。

結果、十時三弥の弾が命中し稲富の弾は外れた。しかも三弥の方が遠くから発砲していた。
しかも別に十時三弥は鉄砲の名手という訳でもなく素人であり、稲富は恥をかいた。

その後、関ヶ原の合戦の際にその腕を見込まれ忠興よりガラシャの警護役に付けられた稲富。
ご存知の通り、ガラシャの寄る細川屋敷はこの後、石田三成の包囲を受けるのだがこの際に稲富はどうしたかというと・・・

            逃        げ        た

728 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 20:11:25 ID:Ueb9uXVw
攻め寄せる石田勢に恐れをなした稲富は警護役に付けられた武将で唯一、逃げ出した。一戦も交えずに。
その後、稲富はどうしたかというと厚かましくも帰参を願い出る為に深夜に細川屋敷へとのこのことやってきたのだった・・・

忠興「ハハハ・・・ヨクゾマイラレタナ・・・」
稲富(ほっ・・・あんまり怒ってない(*´∀`))

すると蝋燭の燭台をいっぱい用意すると全てに火をつけ始める忠興。煌々と昼間のように明るくなる忠興の屋敷。
稲富が屋敷にやって来た事を宣伝する為にわざわざこんな事をするのだ。
もちろん稲富が屋敷に来ていたことはすぐに知れ渡り稲富はこれにより更に恥を上塗りされてしまった。
さらに間髪おかずに稲富に追放処分を下すと「奉公構え」を食らわす忠興。完全に内心ではブチ切れていたのである。むしろよく殺さなかった。

その後、忠興の凄まじい妨害工作によりどこへも仕官出来ずに彷徨う稲富だったが流石に徳川幕府までは手が回らなかったようで
稲富はどうにか尾張徳川家への再就職がなって幕府鉄砲方として有名となっていくのである。


いつの世にもメンタルの弱い人間とは居るもの。そんな悪い話。




729 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 20:37:27 ID:zJfNywRP
これは忠興じゃなくても怒るわ

730 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 20:40:01 ID:2eKuoGzz
重要な局面以外ではまさに達人なんだよな

734 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:09:35 ID:oXyKvTOc
>稲富はどうにか尾張徳川家への再就職がなって幕府鉄砲方として有名となっていくのである。

つか、朝鮮出兵etcで本番に弱い名前倒れの男と分かっていただろうに
どうして幕府が雇う気になったのか気になるところ。

735 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:18:55 ID:Ueb9uXVw
デモンストレーションでは無敵だったんじゃないかと

736 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:20:40 ID:6AuBdy0S
現場に出さず鉄砲術の教授だけさせてりゃいいと判断したんだろう

737 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:37:36 ID:9FmGsP52
>>734
剣術指南役として疋田豊後を端武者の剣法と切って捨て
剣術では疋田に負かされたが、政治センスのある柳生宗矩を採ったこともあったな。
時代が、勇者よりむしろ狡知に長けた技術者を必要としたんだろう。

738 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:40:34 ID:gATOQwaj
弟子に行かせる奴の条件:度胸ある者

とか回状回ってたと見た

739 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:43:35 ID:YOjH+ncJ
>>737
そうそう、戦国の殺人技から治世の教養になってる

740 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:17:12 ID:HqPIHuDu
稲富さんがこんなヘタレだったなんて・・・(´;ω;`)ブワッ

鉄砲防ぐために胴を2枚重ねでつけてたっていう逸話も
もうヘタレっぽいとしか思えないよ・・・

741 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:22:14 ID:HFW684/7
>>737
幕府に雇われたのは宗矩だけど、疋田に負かされたのは宗厳じゃね?
まあ宗厳登用しようとしたら、宗厳は年齢を理由に辞退して代わりに息子を・・・って感じなんだけどさ。

743 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:34:25 ID:pHZv0KxL
>>728
>むしろよく殺さなかった。
本当によく殺されなかったよ・・・

744 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:44:18 ID:j2grD6Lm
>>743
だよな…
ガラシャ関連で死亡フラグを立てていたのに
フラグをへし折った稲富は戦国一悪運の強い男だったのかもな。
ガラシャ関連死亡フラグを回避とか常人では絶対不可能なのになw

745 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:47:03 ID:uMvyHlA6
殺しても飽き足らないと思わせたのが勝因w

746 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:50:59 ID:Ueb9uXVw
忠興が虚ろな顔をしながら深夜に一つづつ蝋燭に火を灯していく絵を想像するとホラー

747 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 22:51:02 ID:jS7U0cnb
>>743
ガラシャが死んで憑き物が落ちたとか。

748 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 23:07:08 ID:zoYaXhTX
>>746
「稲富を…稲富を社会から、社会から抹殺するのだ…ふふうふ」
とかブツブツ呟きながら、灯明持って屋敷をうろつきまわる忠興・・・

749 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 23:17:57 ID:jS7U0cnb
と言うか自分が警護してたガラシャに自害されたら逃げたくもなるよ。

750 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 23:19:43 ID:j2grD6Lm
>>749
それなのに後からノコノコ帰参願いに出向くのは度胸が良いのか、頭が足りない人だったのか…

751 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 23:23:52 ID:/pqMiJ3i
稲富祐直、松本清張の「火の縄」のモデルですねえ。

いろいろ脚色してあったけど、おもろい小説でした。

すさまじい鉄砲の名人、はるか先の極小の的を射抜く、羽音だけで鳥を
撃ち落とす、闇夜で敵のもの音だけを頼りに射殺する稲富祐介であった。

が、日ごろそりが合わず自分の才能を無視、バカにする忠興から
この日は特にプライドを傷つけられることを言われていた稲富であり、
まるでやる気が出ない。

で、その晩遅く細川邸まで忍びよせてくる三成の兵を稲富の火縄銃が倒す。
すぐに名人稲富がいることを悟った三成方の武将が稲富に声をかけ
「お前のような天下の名人を、このようなつまらぬ騒ぎで死なせたくないから
さっさと逃げ、後世にその名人の技を伝えよ。」と諭す。

細川変態夫婦、忠興は勿論ガラシャも大嫌いだった稲富は、それもそうだと
すたこら逃げ出す。

あちこち点点とするも、忠興の奉公構でリクルートできない。
鷹狩りが大好きな家康、稲富の鉄砲に興味を持ち召しだし雇用する。
できた人、家康は稲富の技を素直に生徒として見て学び習う。

だがある日、授業を終えた瞬間、ふと冷たい家康の軽蔑のまなざしを
感じた稲富は、暗澹たる思いに浸る、という筋でした。

史実とは異なるけど、稲富よりも細川夫婦の奇態さがよかったし、
文章の力はさすがの横綱相撲でした。

762 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 02:10:27 ID:X/SRaotu
>751
家康自身、刀槍に馬術柔術?とやって後年は鉄砲もすごい腕前になってたらしいからね。
狙撃技術を評価して『こいつ使える』とは思ったけど、武将としての胆力覚悟は全くアテにしてなかった・・。・という解釈か

ドメちゃんも背筋首筋を涼しくしながらの尾張家勤めだったかー

765 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/02/10(火) 11:45:43 ID:kxKqDDWm
>>762
適材適所ってやつだな。
「戦場では頼りにならないが、指南役には最適」

「こんな肝の細い奴はイラン」
になるかの思考の分かれ目が、天下人の度量に現れるのか。

767 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:19:27 ID:7Sf4pQ7R
>>762
手に職というか、狙撃兵としての鉄砲技術という
まだレアなものを先進的な大名がほしがるのも当然だなあ。

小説の中では、稲富一人の狙撃の腕で多大な戦果をあげ、
それを見た他の大名家が家臣をこぞって彼の元に留学させた。

細川忠興は苦々しくそれを見ていたが、彼が稲富を嫌ったのは
容貌が田舎臭く醜い稲富の姿に、己の中、心中奥深くしまっておいた
歪で凶暴な自我を投影させ、それが益々憎しみを募らせる、
という緊迫した心理劇がキモであった。

家康は、技術者、教師としての彼を高く評価するものの、つい
隙が出来た瞬間、単なる技術屋の稲富への侮蔑の視線を向けてしまった。
稲富は結局家康といえど、サドのタダオキと一緒じゃねえか、としょんぼり~

768 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:31:09 ID:Go233VhT
いい加減小説の話はスレ違いかと…

小説の、特に心理描写なんかは完全に作家の作った虚像だしねぇ

769 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:32:04 ID:5FNJvUmc
>>751
火「縄」を別の用途でガラシャに使ったんですね
わかります

770 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:32:46 ID:vLDmdIBC
稲富「俺の後ろに立つな!」

771 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:40:19 ID:xgm6/TP6
それじゃ、いくら小説とはいえ、通説とあまりにも違いすぎていて
ちょっとなぁという感じ

772 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 13:57:32 ID:sibPTrsM
稲富はそもそも武士なのか?と言う議論があったような気がした。
稲富宛の発給文書の形式が普通の家臣宛のものとは異なっていて、
刀鍛冶宛の文書形式と同じとか。
武士じゃないなら「はぁ?殉死?何それ?」みたいな行動をとるのは
当然だろJKみたいな主張をなんかの本で読んだ。

773 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/10(火) 14:07:35 ID:i0+xaHpu
>>772
ちゃんとした武士だったと思うが……一色氏に仕える城主だったんだし
家康には武士じゃなくて専門家として召抱えられたってことかな