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良き家人は持つべきことである

2016年05月23日 17:14

760 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/05/23(月) 03:52:55.26 ID:DB6+UDb0
大坂陣の時、尾張の家士である曽根某という者は16歳になる嫡子を出陣させた。

その時、曽根は譜代の家人某を呼び、「今度、嫡子の初陣に其の方を添えて遣わすので、
私に代わって取り扱い相応の働きを致すように頼むぞ」と、言った。

家人は「畏まり候。決して御気遣いなさいますな」と答えて、嫡子に付き添い出陣した。

さて、戦場に至り、良い敵を見付けると家人は、「槍をお付けください」と言って主従で
打ってかかり、やがて嫡子に首を取らせた。家人はその首の切り口で嫡子の顔を撫で回し、
また流れた血をすくって具足に塗り付け、その首を鞍に付けて嫡子を先へ立たせて、
自身は後ろに下がった。

白糸の冑や白馬に血が付いたその有り様は凄まじく、いかにも一騎当千の働きをしたように
見えたので、人々に感賞しない者はいなかった。これにより嫡子自身も勇気が進み、さらに
手柄があったということである。

良き家人は持つべきことである。主人の曽根は6百石であったが、この家人に百石を与えた
ということである。

――『明良洪範』

関連
家人、曽根某の長男に初陣を飾らせる・いい話


761 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/05/24(火) 22:12:11.22 ID:Z6pSqmZD
>>760
ここまでしても、実戦がもうこれっきりってのが寂しいな。大阪の陣で16なら、島原の乱にも参加できたのかな?

762 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/05/25(水) 02:28:48.29 ID:kEuPHOo0
たしか町人と喧嘩して切腹お家取り潰しだったはず

764 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/05/25(水) 15:29:25.35 ID:i+otzPX9
>>762
いい話の後になんてオチだ…。

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6人組の復讐

2014年01月26日 19:08

391 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/01/25(土) 19:27:57.11 ID:NW19CK/c
慶長10年(1605)5月26日、尾張国清須において喧嘩があった。これは一両月以前に、自身の小者が打擲され、
その恥をすすぐためもものであったと云う。打擲した者は、甲賀左馬介と云う名である。
小者を打擲された方は、小身の者であり姓名は不明で、6人の者達であった。

この甲賀左馬介が津島に行った帰路を待ち構え、6人の者達は打ち出て左馬介を討った。
左馬介の供の者達が後から来て6人と戦ったが、侍4人、中間1人が討たれた。

しかしこの戦いで6人の者達のうち、一人が重症を負った。他の5人はこの手負った者を見捨てず、
彼を連れて家の中に籠もり、そこで共に腹を切った。
一人の手負いを捨てて逃げれば、問題なく逃げおおせることが出来たのに、日頃から固く誓い合った
仲であったので、この様になったのだという。

この6人の者達は何れも覚悟をしていたので、女房や被官、小者以下を尽く、それぞれ事前に
思い思いの場所に落としていたそうだ。

時の人々は上下揃って大変な美談であるとこれを讃えたという。

(当代記)

6人組の復讐、というお話




392 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/01/25(土) 21:48:17.09 ID:TrwiE68E
これが美談になるのか・・・(困惑)
中世的価値感との隔たりを感じるわ・・・

393 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/01/25(土) 22:59:05.03 ID:f3TqBqPP
小者とはいえ、自分の家の者に掻かされた恥は自分の恥としっかり雪いで、仲間も見捨てず自分らのけじめもキッチリ付け、残る者達の処置もしっかりしてるからな、そりゃあ讃えられますわ
流石にここら辺りの殺った殺られたの時代まで戻れとは物騒過ぎるが、今の時代は恥を掻かす掻かされる事に対してちょっとハードル低くなってるからなぁ

394 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/01/25(土) 23:22:29.86 ID:4uhwKfpu
現代だと仕返しする人間いても金にするから美しくないんだよ

395 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/01/25(土) 23:37:03.06 ID:PF8N/Gw4
きっちり計画して行動してるし普通に美談だろ
犯罪は犯罪として裁かれるのも分かっていて仲間も見捨てず見事な幕引き