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安藤正次、百物語の思い出・いい話

2009年05月15日 00:06

590 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 12:55:12 ID:pMMSnyEC
三河においての事

後に徳川秀忠の御旗奉行として、大阪の陣などでも活躍する安藤正次が若い頃、
彼と五、六人の仲間で、世に言う百物語をしよう、と言うこととなった。
野原の真ん中にある辻堂に集まり、暗夜に燈心百筋を燈し、物語が一つ終われば一つづつ消す。

百物語は淡々と進んで行き、燈心も残り僅か、という時である。
仲間の一人が、「すまない、急に気分が悪くなった。今日はここで帰らせてもらう。」と、
出て行ってしまった。

それでも百物語は進み、ついに百まで到達し、燈心も皆消え果た。

未だ夜も明けず、どこを見てもわからないほどの暗さの中、特に怪しい事も起こらない。
皆、半分ほっと、半分がっかりして
「では帰るか」
と、各々辻堂から出て行った。この時、である

安藤正次が突然、「よ、よんどころの無い理由が出来たので少し残る、各々は先に帰られよ」
と言い出した。
皆がその訳を聞いても、「た、たいしたことじゃ無い!とにかく先に行かれよ!」

しかしそんな事では聞き入れるわけには行かぬ。散々に聞き出すと、ついに正次

「先ほど堂より降りた時、何者とも知れないものが、後ろからわしの腰を抱えたのだ。
そこでわしはその手を離さないよう、今しっかりと抱えている!」

これを聞いて仲間の一人「それこそ化け物に違いない!ちょっと切ってみよう」
と刀を抜いたところ、正次を抱えている化け物がしゃべりだした

『おいおい、それは危ない!』

化け物かと思ったものは、実は人間、それも先ほど『気分が悪くなった』と出て行った男であった。
病を偽り外に出て、百物語を終わった後の仲間を驚かせてやろうと隠れ、出てきた正次にしがみついた、
と言うわけだ。

「なんだおぬしか!化け物ならこのまま組み打ちしてやっつけようと思っていたのに!」
「何を言うか、怖くて動けなくなったくせに。」

皆も大いに笑い、うち揃って帰って行ったとの事である。

そんな、今でも中学生あたりが100%同じ事をやっていそうな、戦国時代の百物語のお話。





591 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 13:12:28 ID:jgUaez4S
>>590
刀があるから少々物騒ではあるが、和む話だなw

592 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 14:12:26 ID:m4L+D7Be
皆仲良しで微笑ましいw

593 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 14:14:19 ID:sukLnq/A
「それこそ化け物に違いない!ちょっと切ってみよう」
と声かけたからよかったもののいきなり斬りかかられてたらたまらんな

595 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 16:00:41 ID:PKOBlR2r
>>593
たぶん声かけた仲間はその時点で「どうせあいつだろう」と見当が付いてたかと。

596 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 16:15:56 ID:iV5MB/GP
新ジャンル:めんどくさ微笑ましい

597 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/05/14(木) 17:04:48 ID:mpd53cqv
>>596
そのジャンル名自体が既にめんどくさいわw

601 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/05/14(木) 22:09:51 ID:x/p2tKfi
百物語ってこの頃にもあったんだな

当時って、子供の度胸づけのために肝試しさせたりしてたんでしょ?

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