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それをくびきる今福浄閑にも

2018年11月23日 21:19

523 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/11/22(木) 23:56:06.49 ID:gS7QotLX
甲州武田家の譜代衆で高位の侍であった今福浄閑は、若い頃より試しものを良く斬る人で、しかも上手であり、
据え物を斬ってその頸が落ちる時、脇差で傷口を貫き、地面に落ちる途中ですくい上げるほどの手練であった。
ためし物の上手であったため、武田家中の侍衆は大身、小身共に浄閑にこれを頼まぬ者はなく、其のようであったので
47,8歳までに千人も斬ったと噂されが、実際にも百人から二百人は斬っただろう。

ところがこの人はどうしたわけか、その子供が幾人も病死していた。しかしながらこの今福浄閑は参学などして
心も才知勝れた人物であったので、下劣な批判に取り合わず、子供が死ぬのも不昧因果(因果をくらまさない)と申し
少しも取り合わなかった。

ある時、信州岩村の法興和尚が来られた時、今村浄閑も彼の元を訪問した。法興和尚は浄閑へこう言った
「そなたは良い歳であるのに、ためし物の罪作りをしているのは勿体無い。」
浄閑は申した
「私が斬っているのは、囚人の科が斬らせているのです。」

法興も「それは尤もである。」と答え、暫く間をおいてこのような事を頼んだ「今福入道よ、この囲炉裏へ
炭を入れてくれないだろうか?」

「畏まって候」そう浄閑が炭を持ってきて囲炉裏へ入れようとすると、和尚は言った
「大きな炭を火箸で入れるのはどうだろうか?名にし負う武田幕下歴々の今福入道なのだから、指で持って
炭を入れてほしい。」

この浄閑と言う人は又、興のある人物で諸芸に達し、能などする時、古保庄太夫などと立ち会っても浄閑の方が
上手であるという程の人であったため、炭をいかにも面白く囲炉裏へ入れた。

そうして彼が立ち退く時、その手を拭った。これを見た和尚が言った「今福入道は、どうして手を拭うのか?」

「今の炭にて汚れたのです。」

「その炭を焼いた炭焼の手も汚れていただろう。」

「炭焼は炭を作り取り出すのですから汚れるのは当然です。今は炭を取った手が汚れたのです。」

これを聞いて法興和尚は
「では先刻、その方のためし物となる人間には科があると言ったが、それをくびきる今福浄閑にも罪があるのではないか?」

この教えにより、今福浄閑はその後、ためし物を斬ることは無くなったという。

(甲陽軍鑑)



524 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/11/23(金) 05:35:26.28 ID:Kw2DX8n0
家に帰ったらまず手洗いうがいの始まりか

526 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/11/23(金) 15:28:47.65 ID:cAkTgeNM
>>523
良い説法だ
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今福友清の試し斬り好きと法興和尚・いい話

2009年06月13日 00:01

422 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/12(金) 20:37:46 ID:9J6GDoEl
武田家臣・今福友清、入道して浄閑斎は公事奉行を努めていたが、
ある悪癖で有名であった。それは三度の飯よりも、刀の試し切りが好きな事。
首切り役がいるにも関わらず、罪人を自らの手で処断しないと気がすまない性分。
裁可の済んだ者から、ばっさばっさと斬り殺し、五十前までに千人斬ったとまで噂された。
ある時期、浄閑の子供が立て続けに死に、祟りだとも噂されたが、本人はどこ吹く風。

「んなわきゃねーだろwwwガキが死ぬのなんて別にちゃんとした理由があるんだよw」

と、一向にそれを止める気配は無かった。

あるとき、信州岩田村竜雲寺の法興和尚が法事のため甲府にやってきた。
霊魂の祟りは信じずとも浄閑斎、腐っても出家、和尚を尊敬していたので
和尚が逗留していた屋敷に挨拶に出向いた。

さて、挨拶も済み、雑談を始めた二人。浄閑の噂は和尚も当然知っており、

「浄閑殿はいい年こいて、まだためしものなどやっておられるようですが、
 真にもって罪深い事とは思いませんか」

と切り出した。それに対して浄閑斎

「はぁ?いや和尚様、あれは俺が切りたくて斬ってるわけじゃなくて
 斬られる連中の罪科が切らせてるんすよwだから別に俺が悪い事
 してるわけじゃないでしょwww」

と言い返した。たしかに一利ある。和尚はそのまま黙ってしまった。
さてそのうち囲炉裏の火が弱まってきたので浄閑斎が炭を継ごうとしたが、
炭が大きく火箸で挟めない。浄閑斎、しかたがなくこれを素手で囲炉裏に放り込み、
汚れた手を手ぬぐいで拭いた。

これを見た和尚が言った。

「はて、どうして手を拭きなされた?」
「いや、手が汚れたかですが」
「なぜ手が汚れたのですかな?」
「そりゃ、炭を触ったかっしょwいったいなんなんすかw」
「さて、その事でござる!」

和尚が突然語気を強めた。

「炭を触ると手が汚れるのは炭がさせる事でござろう。
 同じようにいくら咎が人を斬らせるとは言え、斬れば
 貴殿の心が汚れ申す。ましてや、その貴殿はその汚れを
 一心に引き受けてくれる首斬り役という火箸がありながら、
 なぜ手を煤だらけにするような真似をなさるのか?」
「・・・・・・」

浄閑斎は顔を赤らめ返事もせずにそのまま帰宅してしまった。

以来、浄閑斎は試し斬りをぱったりしなくなった。
彼が奉行の職を辞し、久能山城代に転出するのは
それからしばらくの事である。

まとめの大谷千人斬り疑惑でちょっと触れられてたけど、全部じゃなかったので





423 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/12(金) 21:32:12 ID:HlxjaT/8
昔の坊さんにはとんち技能必須だな

424 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/12(金) 22:03:06 ID:/CS76Wae
人斬りに説教する>>422とかDQN眼竜に鉄拳制裁かます虎哉さんとか
時代のせいか戦国の坊さんは肝の太さが違う気はする

425 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/12(金) 22:23:35 ID:TZhjTHfH
しかしどっちかというと仏教より神道の理屈ではないかこれ…・?