212 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/10/14(金) 14:54:41.43 ID:UGi9nDJa
徳川家には……
春も末のある時、森可政(森可成の弟で忠政の叔父)が忠政へ生の鱸を差し上げようとしたところ
近習衆は「忠政公は奥にいらっしゃるので今お披露目するのは難しい」
と断りそのまま持っていこうとした。
可政は大いに腹を立てて
「この時分は落ち目のナマモノがあるので、忠政殿はお出でになるべきだ。
ナマモノを直接ご覧にならないのは以ての外である!先年それがしは家康公へ庭先のハシゴを差し上げたが
御列座の衆は
『あの可政は秀吉公の代には黄母衣の御大役として口を聞くような者だったが、庭先のハシゴをくれたのか』
と機嫌よく家康公の御前へ持っていってくださった。何を差し上げようとも
『公儀の場よりも奥の間にいるので披露できません』と返すような御列座の衆は徳川家にはいなかったぞ!
早く取り返してきてくだされ!」
と言ったので近習衆は驚き早々に生の鱸を忠政に披露したということだ。
――『武家聞伝記』
徳川家には……
春も末のある時、森可政(森可成の弟で忠政の叔父)が忠政へ生の鱸を差し上げようとしたところ
近習衆は「忠政公は奥にいらっしゃるので今お披露目するのは難しい」
と断りそのまま持っていこうとした。
可政は大いに腹を立てて
「この時分は落ち目のナマモノがあるので、忠政殿はお出でになるべきだ。
ナマモノを直接ご覧にならないのは以ての外である!先年それがしは家康公へ庭先のハシゴを差し上げたが
御列座の衆は
『あの可政は秀吉公の代には黄母衣の御大役として口を聞くような者だったが、庭先のハシゴをくれたのか』
と機嫌よく家康公の御前へ持っていってくださった。何を差し上げようとも
『公儀の場よりも奥の間にいるので披露できません』と返すような御列座の衆は徳川家にはいなかったぞ!
早く取り返してきてくだされ!」
と言ったので近習衆は驚き早々に生の鱸を忠政に披露したということだ。
――『武家聞伝記』
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