664 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/28(日) 23:28:20 ID:xv/zPGOg
今敦盛
永禄七年正月、北条氏康、氏政親子と里見義弘の、鵠台合戦でのこと。
この戦は北条方の大勝となり、敗走する里見方への追撃戦が行われた。
北条の武将、松井康吉は軍に先立ち駆けていると、戦場に踏みとどまり矢を射掛けている
里見の武将を発見した。
「なんとけなげな、天晴れな大将よ!」
康吉は彼に挑戦をすると、その武将も受け、馬上で組討になったが康吉のほうが強く、組み敷いて
馬から落とした。そうして首を取ろうとその武将の顔を見ると、
それは、まだ幼さの残る、花の様な美少年であった。
康吉は戸惑い、どうにかこの少年を助けたいと思ったが、既に味方の大軍が追いつき
雑兵たちも首を取ろうと群がってきたため、しかたなくこの少年の首を落とした。
この少年は里見の一族で、この歳15になる、長九郎弘次という者だと言う事が、後でわかった。
戦の後、康吉は空しさに包まれた。
「朝には紅の美しい顔立ちをしていても、夕には白骨と化してしまうのか。」
世の無常を感じた康吉は、そのまま帰国せず寺に入り、「浮世」と名を改め、ただひたすらに
弘次少年の成仏を祈る生活に入った。
人々はこの話を聞き、「源平の時代に熊谷直実が平敦盛を討って、世をはかなみ武士を捨て
仏門に入った話は聞いたことがあるが、今の世にもこのようなことがあるのだな。」
と、涙したと言う事だ。
665 名前:蓮如の「お文」[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:01:16 ID:yw+i+xaq
>>664
>朝には紅の美しい顔立ちをしていても、夕には白骨と化してしまう
一向門徒かと思った。
666 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:37:40 ID:wEkevAin
白骨の章だっけ。そういえばうちももし戦国であれば一向門徒として
一揆に加わっていたかもしれないな。
667 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:50:27 ID:vjEu8BUT
さすが>>666だな
今敦盛
永禄七年正月、北条氏康、氏政親子と里見義弘の、鵠台合戦でのこと。
この戦は北条方の大勝となり、敗走する里見方への追撃戦が行われた。
北条の武将、松井康吉は軍に先立ち駆けていると、戦場に踏みとどまり矢を射掛けている
里見の武将を発見した。
「なんとけなげな、天晴れな大将よ!」
康吉は彼に挑戦をすると、その武将も受け、馬上で組討になったが康吉のほうが強く、組み敷いて
馬から落とした。そうして首を取ろうとその武将の顔を見ると、
それは、まだ幼さの残る、花の様な美少年であった。
康吉は戸惑い、どうにかこの少年を助けたいと思ったが、既に味方の大軍が追いつき
雑兵たちも首を取ろうと群がってきたため、しかたなくこの少年の首を落とした。
この少年は里見の一族で、この歳15になる、長九郎弘次という者だと言う事が、後でわかった。
戦の後、康吉は空しさに包まれた。
「朝には紅の美しい顔立ちをしていても、夕には白骨と化してしまうのか。」
世の無常を感じた康吉は、そのまま帰国せず寺に入り、「浮世」と名を改め、ただひたすらに
弘次少年の成仏を祈る生活に入った。
人々はこの話を聞き、「源平の時代に熊谷直実が平敦盛を討って、世をはかなみ武士を捨て
仏門に入った話は聞いたことがあるが、今の世にもこのようなことがあるのだな。」
と、涙したと言う事だ。
665 名前:蓮如の「お文」[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:01:16 ID:yw+i+xaq
>>664
>朝には紅の美しい顔立ちをしていても、夕には白骨と化してしまう
一向門徒かと思った。
666 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:37:40 ID:wEkevAin
白骨の章だっけ。そういえばうちももし戦国であれば一向門徒として
一揆に加わっていたかもしれないな。
667 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/12/29(月) 00:50:27 ID:vjEu8BUT
さすが>>666だな
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