太尾城攻め、同士討ちのこと

2010年03月07日 00:09

12 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/05(金) 22:15:28 ID:vZUR1baG
永禄四年(1561)のこと。

近江の浅井長政は、六角氏に奪還された米原の太尾城の回復を狙っていたが、
この頃防備が手薄なのを見て取ると、家臣の今井定清と磯野員昌に命じて夜討を架ける計画を立てた。

そこで今井は配下の武将と相談し伊賀衆を雇い入れ、彼らの手で火攻めを行わせる契約を結んだ。
伊賀衆を太尾城に密かに侵入させ、城中で火の手を上げさせ、それを合図に本丸二の丸を一度に攻め滅ぼす、
と言う作戦である。決行の日取りは7月1日と決まった。

さて同日夕刻、今井隊、磯野隊はそれぞれ配置についたが、肝心の火の手がいつまでたっても上がらない。
浅井家の者たちはしびれをきらせて伊賀衆に詰め寄るが、彼らは

「それは忍の作法を知らぬ湖北武者の言葉である」

と一蹴する。とにかく信じて待っていろ、必ず火をかけると言う。
そうこうしている内に、夜明けも近くなった。

さて、待機している今井隊であったが、配下の島若狭守が「この様子ではもはや作戦の決行は無理でしょう。
今回は諦め、後日を期して帰陣いたした方が良いのでは?」と進言、今井定清もこれに同意し撤退を始めた。
ところが腰越まで退いた時

「太尾城の方向に火の手が!」

伊賀衆、見事に仕事をこなしたのだ。
慌てたのは帰陣中の今井定清である。

「城の放火に成功したのか!?いかん!このままでは城攻めは磯野隊に先をこされるではないか!
そうなっては一生の不覚である、急げ!」

今井隊はもと来た道をしゃにむに駆けた。そして深坂の中程でついに、磯野隊に追いつき、さらにこれを追い越そうとした。
夜明け近くと言えども、伊吹山中はまだ暗闇のなかである。磯野隊は後ろから突然現れた軍勢に驚き

「何者だ!?名を名乗れ!!」

と叫んだが、磯野隊を追い越すことに夢中な今井隊からは何の答えも帰ってこなかった。そこで磯野隊は
「おのれ怪しい奴ら!」とこれに攻めかかった。同じ浅井軍による、暗闇の中の同士討ちが始まったのだ。

この混乱の中、今井隊の大将今井定清は磯野隊の岸沢与一によって討たれ、他に二十数名の死傷者が出た。
そして当然のことながら、伊賀衆まで雇った太尾城攻めの作戦は完全に失敗した。


この事件の後、磯野員昌は事実を知り大変に驚き、

「天道いかなる神仏による罰でありましょうか、誠に口惜しく感じております。」

…と、涙を流して今井の遺族に謝罪した事が、今井の配下にあった島若狭守秀安の家記「島記録」に
残されている。

浅井家における、同士討ちの話である。




13 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/05(金) 22:45:51 ID:/+tCtXSE
実際、こんなgdgdな事態っていくらでもあったろうね・・

14 名前:人間七七四年[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:30:54 ID:dmUSEh4G
一番ビビったのは城方かもな
朝起きたら麓で正体不明の勢力同士が戦してんだから

15 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/05(金) 23:37:42 ID:4KsUi6sQ
浅井が磯野に命じてわざとやった可能性もあるな
もともと今井氏は同僚だったし、六角と浅井を天秤にかけてる歴史があるからな


ってかこの話つい先月ガイシュツ

16 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/05(金) 23:46:52 ID:vZUR1baG
>>15
うわ、今確認した…

ま、まあ、詳細や磯野の謝罪の言葉は新しいと言うことでorz




関連
今井定清の死
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3603.html
スポンサーサイト

今井定清の死

2010年02月06日 00:18

281 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 02:07:34 ID:sGsMf90z
永禄四年七月、南近江の六角氏は畠山氏と連携して三次長慶を南北から攻撃した。
この時、浅井長政は手薄となった六角領へ侵攻、吉田安芸守兄弟の守る太尾城の
奪取を企てた。

赤尾清冬、磯野員昌ら浅井家中の主だった武将がこれに参加したが、なかなか城は
落ちない。攻め手はいろいろと策を練り始める。

今回の城攻めでは磯野隊に属していた今井定清は夜襲を計画、伊賀者を忍び込ませ
城中から火の手が上がるのを合図に本丸・二の丸同時攻撃を行う手筈を整えた。

そして当日の夜半・・・

【今井】「丹州(磯野員昌)ばかりにいい格好させれないからな。さて、合図はまだかなー?」

・・・・・

【今井】「おいおいどうしたんだよ、夜が明けちまうぞ、しくじったのか?」
【島秀安】(今井の配下)
「夜も明けちゃいますから、殿はもう帰られた方がよろしい。ここには自分が残りますから」
【今井】「う~ん、まあ、失敗はつきものか・・・引き上げるわ、あとはよろしく」

今井が惜しく思いながら自陣に引き上げたところ、いきなり城に火の手が上がった!

【今井】「いかん!やはり戻るべきではなかった!丹州に手柄とられてなるものか!!!」

馬を戻して、先頭に立って供の者に叱咤する。

【今井】「急げ急げ急げ進め急げ急げ進め進め~~!!!!」

そして、磯野勢の中を走り抜けようとしたその時!

【今井】「げちょ!」

今井の背後から鑓が突き出され、まともに食らった今井定清は馬から転げ落ち絶命してしまった。

【島秀安】「ひゃあ、殿ぉ!」

今井の手勢は大混乱、城の火はすぐに消し止められ、何ら浅井勢は得るところなしに終わった。
今井の遺骸は館に戻され葬られた。今井定清の子はまだ幼少であったため、一族が相談して小谷城へ
犯人の詮議を訴えでた。

【今井親戚】
「こりゃ前代未聞の味方討ちじゃ!そういえば陣中から田那部式部丞の姿が見えなくなっておる!
 まさか、あやつが定清を手にかけたんじゃ・・・ウオーッ!殺す!!」
【長政の使者】
「ま、待て!お屋形様も『浅井の家は末代まで責任を逃れられぬ』と申されておる。田那部のことは
 不審に思って義兄である遠藤直経と連絡を取っておるところじゃ。落ち着かれよ!」

【田那部式部丞】
「すんません。何かみんなから疑われちゃったんで兄貴のところに匿ってもらってました。
 でも、自分無実なんで出頭いたしましたペコリ」

その後の調べで、結局、磯野員昌の兵士が今井定清をやっちゃったことが判明、磯野員昌は今井家中へ
誓詞・起請文を捧げ「合戦の最中であるため、とりあえず山中で謹慎」する羽目になった。

何だかねえ・・・('A`) ('A`) ('A`)




282 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 04:54:52 ID:bFFonHI9
>>281運悪く芯じゃったのがね……カワイソス(´・ω・`)

矢に刺されても槍で突かれても不思議の生を拾った人が居てこっちは勇者としての逸話になるけど..


284 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 09:46:16 ID:dBWByPOh
>>281
これ実は暗殺じゃないかとも言われてるよね