573 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 00:41:13.91 ID:IdTRDlu5
赤井直正は赤井家清の弟であり、右衛門尉と称した。家清は丹波国の氷上、天田、船井の三郡を
領していたが、家清が死去しその子忠家は尚幼かったため、直正がこれを補佐した。
天正七年八月、明智光秀、脇坂安治の軍勢が赤井家を攻めた。この時直正は腫れ物を患っていたが、
彼は腫れ物を布で包み奮闘して死んだ。
直正は七歳の時妖怪を斬ったとの事で、人々目して、彼を悪右衛門尉と呼んだ。
彼の少年時代、城下の外れ、民家絶え樹木生い茂る辺り、一人の男が闇をたどって帰る途中、
突然大入道が現れ、男の顔を見てケタケタと笑い、男はギャッと叫んでその場で気を失った。
この噂はたちまち世間に伝わり、以来我も見た、彼も逢ったと言い伝わり、日が暮れた後は
皆恐れてこの場所を通ろうと言う者はなかった。このためただでさえ寂しい場所に、更に
寂しさが加わったようであった。
「狐狸であろう」「カワウソではないか」「必ず正体を暴いてやる」
皆は影でこそこのように強がったが、誰一人現場へ向かった者があったという話は聞かれなかった。
この時、直正は七歳であったが、噂を聞いて一人思った「世に妖怪など在るはずがない。いざ、
我行きて実否を試み見ん。」
人が知らねば止める者も無いと考え、大胆にも唯一人館を抜け出た。
日は既に暮れ、人足全く途絶え、梢を拂う風の音のみ高かった。しかし豪気なる直正は
恐れる色もなく、悠々として妖怪が出たという場所に至り、其処此処と見廻った。
夜叉の目のように見えたのは星の光を反射した鮑の欠片、変怪の叫びのように聞こえたのは
ゴイの鳴き声。一体どこに妖怪の影が潜んでいるのかと思い
「妖怪出よ!妖怪出よ!右衛門尉罷り向へるぞ!」と名乗りを上げて四方をにらみつけると、
闇の中に人のようなものが立っていた
「さてこそ大入道なれ!」
直正は刀を抜いて斬りつけると、カッと音がして火花が飛び散った。なおもこれに踊りかかって
捉えると、それは人の背丈よりも高い、石地蔵であった。
「妖怪と見えたのはこの石地蔵であったか。」
直正は思わず吹き出し、その場に暫く佇んでいたが。特に怪しいものも出ず、「あたら無駄骨を折りしぞ」と
一人つぶやいて立ち帰った。
後に人々はこの話を聞いて、その剛勇に驚き、これより彼を「悪右衛門尉」と呼んだという。
(少年武士道)
574 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 10:26:06.78 ID:gAGkcsQP
悪ってにくらしいほど強いって意味なんだね
暴君のことだと思ってた
575 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 12:33:45.75 ID:4YYr43mi
そういえばヤフーニュースで赤井直正の記事が
戦国武将・赤井直正の武勇と野望 「光秀」の名削られた碑を現代語訳/兵庫・丹波市
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181219-00010001-tanba-l28
曹真碑の蜀賊諸葛亮の賊の字が後世の人によって削られてたのを思い出した
577 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 17:36:45.72 ID:IZ5Bd/bR
>>575
やはり脇坂の逸話は創作であったか
赤井直正は赤井家清の弟であり、右衛門尉と称した。家清は丹波国の氷上、天田、船井の三郡を
領していたが、家清が死去しその子忠家は尚幼かったため、直正がこれを補佐した。
天正七年八月、明智光秀、脇坂安治の軍勢が赤井家を攻めた。この時直正は腫れ物を患っていたが、
彼は腫れ物を布で包み奮闘して死んだ。
直正は七歳の時妖怪を斬ったとの事で、人々目して、彼を悪右衛門尉と呼んだ。
彼の少年時代、城下の外れ、民家絶え樹木生い茂る辺り、一人の男が闇をたどって帰る途中、
突然大入道が現れ、男の顔を見てケタケタと笑い、男はギャッと叫んでその場で気を失った。
この噂はたちまち世間に伝わり、以来我も見た、彼も逢ったと言い伝わり、日が暮れた後は
皆恐れてこの場所を通ろうと言う者はなかった。このためただでさえ寂しい場所に、更に
寂しさが加わったようであった。
「狐狸であろう」「カワウソではないか」「必ず正体を暴いてやる」
皆は影でこそこのように強がったが、誰一人現場へ向かった者があったという話は聞かれなかった。
この時、直正は七歳であったが、噂を聞いて一人思った「世に妖怪など在るはずがない。いざ、
我行きて実否を試み見ん。」
人が知らねば止める者も無いと考え、大胆にも唯一人館を抜け出た。
日は既に暮れ、人足全く途絶え、梢を拂う風の音のみ高かった。しかし豪気なる直正は
恐れる色もなく、悠々として妖怪が出たという場所に至り、其処此処と見廻った。
夜叉の目のように見えたのは星の光を反射した鮑の欠片、変怪の叫びのように聞こえたのは
ゴイの鳴き声。一体どこに妖怪の影が潜んでいるのかと思い
「妖怪出よ!妖怪出よ!右衛門尉罷り向へるぞ!」と名乗りを上げて四方をにらみつけると、
闇の中に人のようなものが立っていた
「さてこそ大入道なれ!」
直正は刀を抜いて斬りつけると、カッと音がして火花が飛び散った。なおもこれに踊りかかって
捉えると、それは人の背丈よりも高い、石地蔵であった。
「妖怪と見えたのはこの石地蔵であったか。」
直正は思わず吹き出し、その場に暫く佇んでいたが。特に怪しいものも出ず、「あたら無駄骨を折りしぞ」と
一人つぶやいて立ち帰った。
後に人々はこの話を聞いて、その剛勇に驚き、これより彼を「悪右衛門尉」と呼んだという。
(少年武士道)
574 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 10:26:06.78 ID:gAGkcsQP
悪ってにくらしいほど強いって意味なんだね
暴君のことだと思ってた
575 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 12:33:45.75 ID:4YYr43mi
そういえばヤフーニュースで赤井直正の記事が
戦国武将・赤井直正の武勇と野望 「光秀」の名削られた碑を現代語訳/兵庫・丹波市
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181219-00010001-tanba-l28
曹真碑の蜀賊諸葛亮の賊の字が後世の人によって削られてたのを思い出した
577 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/20(木) 17:36:45.72 ID:IZ5Bd/bR
>>575
やはり脇坂の逸話は創作であったか
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