427 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/14(金) 22:43:45.88 ID:q07tqjbL
天正14年(1586)、羽柴秀吉の九州役に従軍した
吉川元春は、黒田官兵衛の饗応を受けその場へ行くと、
出てきたのは鮭を調理した御馳走であった。
この鮭料理を前に、元春
『…鮭はその性甚だ熱く、血を破壊すると言う。
今これを食せば、持病である瘡忽が再発してしまうかも知れぬ。』
元春、冷や汗である。しかし
『だが黒田はこの魚を主味(メインディッシュ)として饗してくれている。病気に害があるといってこれを断り
食わないというのも、無骨なやつだと思われるだけでなく、我が主人輝元のためにも良くないことだと思う。
どうしよう?』
元春は思い悩んだ。そして
『今これを毒であるといって食わないというのは、黒田官兵衛に対して遠慮がないと思われるか、もしくは
私が迷惑に思ったのだと、黒田は思ってしまうだろう。まあ実際迷惑なんだが。
ええい、こうなったら!』
少しだけ食べた。
そして酒も数献廻ったあと、官兵衛が言うには「九州が静謐となるのも遠いことではありません。そうなると
筑前一国は元春殿、あなたにあてがわれると、これは殿下のご内意です。」
これに元春も「かたじけなし」と謝辞を述べ、やがて饗宴も終わり退出し、その夜、
元春の瘡忽が大いに痛みを発し、日を追うごとに病は重くなった。これを知った
毛利輝元は医師の徳琳を遣わした。
小倉城詰の丸で徳琳と対面した元春は、近習に助け起こされると彼を近づけ、輝元への伝言を頼んだ。
「私もこのごろは少し回復したようで、近日中には輝元様と直接対談もできるだろうが、先にあらかじめ、御辺に
言っておこうと思う。私の言うことをよくよく聞いて、輝元様に申し伝えるように。
今度九州退治のため、殿下がご出馬を仰せになられ、これによって我等三家(毛利・吉川・小早川)は、
先鋒として当国に出張しました。であれば、今回は輝元様は、今まで戦場に赴いたことと同じように考えられて
いては、甚だ宜しくありません。
何故かといえば、我々が各地で秀吉公と対陣していた当時は、輝元様を本陣として、隆景や私が先陣として進み、
士卒を下知し手を砕き攻戦の功を励まし、輝元様はただ帷幕の中に在って作戦を運用していればよいだけでした。
ところが今回はそれに引き換え、殿下が総大将であるので、輝元様は先陣の戦将となって、今まで隆景や私が
輝元様の先陣として戦を決したように、輝元様自身がそう心得、しなければなりません。
これは言わずにはおられない事でした。
それから次に、肥前の
竜造寺政家(龍造寺隆信嫡男)の事です。彼は未だに殿下に属していません。
しかし現在の六十余州では、皆が殿下のために働いているというのに、政家一人がどうして独立を保てるものでしょうか。
彼もきっと、殿下に和を請い安堵したいと考えているはずなのですが、そのための良い縁故を持っていないために、
空しく歳月を過ごしているのです。
そこで、幸いに当家は、龍造寺と隆信以来の良好な関係がありますので、輝元様から使者を出し、和平の儀を進め
殿下にも推挙すると言い送れば、政家はきっと喜びに耐えず了承することでしょう。
龍造寺を味方に引き入れれば、この九州征伐における一方の功の助けとなるでしょう。」
このようなことを聞き終わると、徳琳は退出した。
しかしこの後も元春の病状は日々悪化し、同年11月15日、ついに逝去した。享年57歳であった。
(陰徳太平記)
吉川元春、その最後についてである。
428 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/14(金) 23:00:21.32 ID:uoM+Liuk
鮭を食べようかどうしようか迷ってるところに小物臭がただよってるな
429 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/14(金) 23:20:09.15 ID:fDVJvPNN
秀元「もうやめて!とっくにお弁当の鮭はゼロよ!」
430 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/14(金) 23:29:00.38 ID:XAXcfTyp
いずれにせよ脳筋では無いと
気配り上手なだけに気苦労も絶えないって感じか
431 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/14(金) 23:36:24.05 ID:eGneM5Ah
>>430
義光「鮭!!!!!!!!!!!」
正則「酒!!!!!!!!!!!」
432 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 00:29:30.40 ID:kF2lCOXY
大抵、鮭を食べたあとに胸焼けしてしまうのにやめられない
とくにトロ握り
433 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 01:40:24.46 ID:rb2a6yGM
元春にここまで言われたのについに輝様は自ら戦場に臨むことは無かったような・・・
434 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 08:46:24.68 ID:SnsE7OfF
>>429
元春の逸話を聞くと
鮭の食べ過ぎに注意しろという
長重や至鎮たちの思いやりだったのかもしれないな
とか思ったり思わなかったり
435 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 09:49:34.45 ID:2hUw/52R
毛利家は酒と魚に命奪われてる例があったから元春も気を付けてはいたんだろう。
結局予感的中なわけだが。
436 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 11:17:45.78 ID:V6NusZYo
鮭って食べ過ぎたら体によくないの?
437 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 11:47:47.58 ID:cHnSDcNE
なわけない。迷信。
ただ当時信じられてたなら、それを馬鹿だ無知だと現代人の目から非難するのは卑怯
438 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 11:49:41.90 ID:b+lUaeV4
塩鮭だったら塩分きついんじゃないの
439 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 11:59:57.90 ID:cHnSDcNE
迷信というか漢方の考え方では食物を大きく分けて体を温めるものと冷やすものに分けるんだが、
サケは温めるものに分類されるらしい。
体を冷やす物の代表は夏野菜、温めるものに唐辛子なんかは理解できるけど、
サケが体を温めるものっていうのは分類ありきの無理矢理こじつけ感があるね。
文献によっては逆に体を冷やすものに分類されてるみたいだし。
元春はなまじっか知識人だからこんな情報も知っていて、病気に良くないと思ったんだろう。
440 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 12:09:10.28 ID:F3xx7yXu
高麗人参とかも体を温めるものとされてるけど、熱病の時に高麗人参を食べたら熱がもっと酷くなって盲目になったという話をよく聞く。
441 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 12:18:08.11 ID:YPN+IE/i
粗悪品じゃないのか?
442 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 12:20:08.13 ID:r8vek6IB
朝鮮人参と朝鮮朝顔を間違ってたりして
443 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 14:40:21.87 ID:6JeLg8Af
漢方薬は薬なんだから、間違った症状に使えば毒になるのは当たり前。
444 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 18:32:22.04 ID:JKvx2fFL
薬は用法を間違えれば毒だしね
449 名前:人間七七四年[] 投稿日:2012/09/16(日) 09:04:36.51 ID:nzGeo2Wk
>>439
最近の研究ではマジで漢方どおりの体温変化がある食べ物も見つかってるし
経験則として馬鹿にできないものがあるんだろうな
450 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 10:35:54.59 ID:OVd5hny2
>>449
漢方は人体実験の集積でもあるから侮れん
451 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 11:01:56.20 ID:E8p4a0fx
まあ嘘っぱちもかなり混じってる
452 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 12:35:39.30 ID:xoIfxujC
まあ経験則の積み重ねがあるからフグも食えるw
453 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 12:53:13.78 ID:uDd3vLfC
河豚は肝くわなきゃいいだけだからなぁ・・・
454 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 12:54:18.22 ID:T8KhrIps
皮もな
455 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 13:17:54.82 ID:gM79Kzef
家久さんも若い頃と家督ついでからのギャップが・・・
若い頃は蹴鞠の話ばかり
456 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/16(日) 14:45:52.15 ID:4accDfiH
玉遊びに興じる点では…