324 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 17:54:45.25 ID:ERjYv+84
延沢満延ン番勝負
最上(※秀吉の太閤検地以前の山形盆地。現在は村山)には山形義元(※最上義光。元の字は癖字か光の誤字と思われる)と、出羽国司を名乗る天童八楯盟主の一色修理太夫貞久(天童頼久)がいた
威勢強大な義光に対し頼久は「伊達に介入され権威を失った最上氏に今更指図される謂れわない」と城を堅め、尾羽沢(尾花沢)、六田、蟹沢、里見、小田島、鳥越等の山形以北の有力国人と優秀な軍兵を纏めて篭城したために、義光も天童をなかなか攻めあぐねていた
義光が天童を攻め暫くしていたところ千手堂で戦いがあり、優勢となった最上軍が天童軍を天童城へと追っていた際
味方の兵が追われる様を城山の上から見ていた天童方の将延沢満延が一人天童城の大手門(現在の舞鶴山の南東山道)からただ一騎打ち出して来た
満延の出で立ちは八頭形の兜に黒糸威の鎧と鎖帷子、鴇毛の馬。手には愛用の五尺一寸の鉄棒
味方を城へと逃がすと満延は鉄棒を振り回し、遠慮もなしに最上軍の中に突進すると
破羅利はらりと最上兵を撲倒していった
さしもの最上軍も群々追い立てられている所に山形勢の中から洗革の鎧に太刀・弓・白首の兜をまとった高松光親といった馬上武士がそれまで討ち取った天童兵の首級三つほどを鉾に貫き従者に預けると
光親「そこの大将!ひと勝負願いたい!」と満延の方に馬を走らせ近付いた
満延「わ主もこの鉄棒を喰らいたいのか哉?」
そう言い放ち満延が鉄棒を振るうと、光親の首は胴に減り込み、乗馬もとんでもない方向に弾き飛ばされてしまった
最上兵はこれを見ると蜘蛛の子を散らす様に満延から離れ始めたが
また六尺余りの大男が満延に勝負を挑んだ
黒烏帽子に黒糸威の鎧、栗毛の馬の武士は手に五尺余りの鉾を持って「安間道願!」と大声で名乗った
道願「この辺りで鬼神と言われるのはお前か?俺は尾州右府(織田信長)様に一騎当千と称えられ禄を頂いていたが、訳ありて武者修行のさなか義光の殿に声を掛けられこのいくさに加えさせてもらっている
つまらんもの相手に辟易しておった故、豪の者を破り手柄の一つも立てんといけない
この鉾でおまえに引導を渡してやろう!」
満延の金棒と道願の鉾が火花を散らし幾度か打ち合わされた
平地では最上兵、城山からは天童兵がこの戦いを遠巻きに見守った
道願「埒があかん。力勝負でどうだ?」
満延「乗ってやろう!」
双方がらんと打物を投げ捨てるとむんずと組み合った
-かに見えたが
満延「残念だ。口ほどにもない」
満延は道願をひょいと抱え上げると深田に投げ飛ばした
道願は頭から深田の泥に杭の様に突き刺さった!
325 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:45:20.66 ID:vHo5z9R3
(\ _
| ) / )
/ | ( /
/ / ||
/ | ||
\ \ / |
\ \/ /
_| /__
 ̄三三三二 ̄
↑道願
最後の一行読んでもうこのAA貼るしかないと思った
326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:46:00.66 ID:ERjYv+84
また最上兵の中から一人頭巾兜に袈裟を着け、腰旗白馬赤鞍に天狗団扇と小太刀を構えた法師武者が満延に戦いを挑んだ
三位(女三)法師「いざひと勝負!」
満延「見た目は坊主なのに修羅道に迷いこんだか?」
女三はかんらと打ち笑い「見た目で判断すると痛い目に遭いますよ
満延殿は武勇だけでなく、智慮もあると伺います
拙僧山城の生まれではあり腰に刀を差していますが、羽黒山の千日業を成遂し、武道・破戒にも興味を持っております
戦いの仏神もおりますし、鎮護国家の則には武を知る事も必要
この腕是非試させてもらいましょう」
女三の刀の腕前は言うだけありなかなかのもので
満延は幾度か切りつけられ、深手浅手を五傷ほど負った
満延「遊びが過ぎたか」
満延は金棒を投げ捨て太刀を抜き直した
-そこに天童城から一色右近といった者が「満延殿潮時です!そろそろ城にお戻りください!」と100騎ばかりの兵で駆け付け、満延を囲む様に引き退こうとした
最上兵「天童兵が出て来た!女三坊を討たせるな!」
女三も満延相手に善戦はしていたが、小太刀は打ち折れ、顔や身体のあちこちに痣や切り傷を負い、袈裟は血で朱に染まっていた
327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:47:05.54 ID:ERjYv+84
最上天童双方が再激突し、志村光安配下の強弓が満延の乗馬を射倒した
満延は少し離れた所で替え馬に乗り、腹帯を締め直している所に
突如満延に切りつける者があった
カツン-刀は満延の兜の先をかすめただけだった
満延「おまえは俺が怖くはないのか?」
腹帯をそのまま締め直しながら満延は相手の方を見た
満延「とりあえず、おまえは何者だ?名前ぐらいあるだろう?」
本間七郎「本間左馬介の子、本間七郎。今年で17才だ!」
満延は「かんらかんら」と笑い
「健気な若者じゃなwwwwおまえの様なヒヨッ子をここで討つのはたやすいが、俺を畏れもしないで打ち掛かってきた心意気が気に入った。成長が楽しみだから助けておこう」といって七郎を尻目に城に帰って行った
七郎も味方の勢の方に戻って来るとしっちゃかめっちゃかに質問攻めにされた
「よく殺されなかったな」
「おまえの様なガキにあの鬼神が討てると思ったのか?」
七郎はしれっと答えた
七郎「満延は比類無い豪傑だと言うのはわかってる。自分の腕前じゃとうてい敵わない事も理解はしてる
しかし戦場で敵を直前にしているのに腹帯を締め直すなんてこちらを舐め過ぎてはいないか?
一太刀目で腕に怪我を負わせていれば、きっと勝ち目はあったはずだ!
腹帯を締め直していたせいで腕まで距離があり刃が届かなかった!
満延を討ち取れなくてくやしい!」
これを聞いた周りの兵は「若者にしては豪胆だな」と七郎の勇気を褒めた
「羽源記」
3勝(圧勝2、優勢1)棄権1?
328 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/07/07(火) 19:24:35.54 ID:nkXvVfWk
大作だな
329 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 19:31:02.71 ID:ERjYv+84
高松光親
___
/´∀`;:::\
/ /::::::::::| |
| ./| /:::::|::::::|
| ||/::::::::|::::::|
330 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 22:21:16.52 ID:Kgo9ySgB
延沢満延といい三浦義意といい、
東国では頭は体にめり込むものなのか。
331 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/08(水) 08:34:52.27 ID:0RoVaAwS
亀なら可能
延沢満延ン番勝負
最上(※秀吉の太閤検地以前の山形盆地。現在は村山)には山形義元(※最上義光。元の字は癖字か光の誤字と思われる)と、出羽国司を名乗る天童八楯盟主の一色修理太夫貞久(天童頼久)がいた
威勢強大な義光に対し頼久は「伊達に介入され権威を失った最上氏に今更指図される謂れわない」と城を堅め、尾羽沢(尾花沢)、六田、蟹沢、里見、小田島、鳥越等の山形以北の有力国人と優秀な軍兵を纏めて篭城したために、義光も天童をなかなか攻めあぐねていた
義光が天童を攻め暫くしていたところ千手堂で戦いがあり、優勢となった最上軍が天童軍を天童城へと追っていた際
味方の兵が追われる様を城山の上から見ていた天童方の将延沢満延が一人天童城の大手門(現在の舞鶴山の南東山道)からただ一騎打ち出して来た
満延の出で立ちは八頭形の兜に黒糸威の鎧と鎖帷子、鴇毛の馬。手には愛用の五尺一寸の鉄棒
味方を城へと逃がすと満延は鉄棒を振り回し、遠慮もなしに最上軍の中に突進すると
破羅利はらりと最上兵を撲倒していった
さしもの最上軍も群々追い立てられている所に山形勢の中から洗革の鎧に太刀・弓・白首の兜をまとった高松光親といった馬上武士がそれまで討ち取った天童兵の首級三つほどを鉾に貫き従者に預けると
光親「そこの大将!ひと勝負願いたい!」と満延の方に馬を走らせ近付いた
満延「わ主もこの鉄棒を喰らいたいのか哉?」
そう言い放ち満延が鉄棒を振るうと、光親の首は胴に減り込み、乗馬もとんでもない方向に弾き飛ばされてしまった
最上兵はこれを見ると蜘蛛の子を散らす様に満延から離れ始めたが
また六尺余りの大男が満延に勝負を挑んだ
黒烏帽子に黒糸威の鎧、栗毛の馬の武士は手に五尺余りの鉾を持って「安間道願!」と大声で名乗った
道願「この辺りで鬼神と言われるのはお前か?俺は尾州右府(織田信長)様に一騎当千と称えられ禄を頂いていたが、訳ありて武者修行のさなか義光の殿に声を掛けられこのいくさに加えさせてもらっている
つまらんもの相手に辟易しておった故、豪の者を破り手柄の一つも立てんといけない
この鉾でおまえに引導を渡してやろう!」
満延の金棒と道願の鉾が火花を散らし幾度か打ち合わされた
平地では最上兵、城山からは天童兵がこの戦いを遠巻きに見守った
道願「埒があかん。力勝負でどうだ?」
満延「乗ってやろう!」
双方がらんと打物を投げ捨てるとむんずと組み合った
-かに見えたが
満延「残念だ。口ほどにもない」
満延は道願をひょいと抱え上げると深田に投げ飛ばした
道願は頭から深田の泥に杭の様に突き刺さった!
325 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:45:20.66 ID:vHo5z9R3
(\ _
| ) / )
/ | ( /
/ / ||
/ | ||
\ \ / |
\ \/ /
_| /__
 ̄三三三二 ̄
↑道願
最後の一行読んでもうこのAA貼るしかないと思った
326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:46:00.66 ID:ERjYv+84
また最上兵の中から一人頭巾兜に袈裟を着け、腰旗白馬赤鞍に天狗団扇と小太刀を構えた法師武者が満延に戦いを挑んだ
三位(女三)法師「いざひと勝負!」
満延「見た目は坊主なのに修羅道に迷いこんだか?」
女三はかんらと打ち笑い「見た目で判断すると痛い目に遭いますよ
満延殿は武勇だけでなく、智慮もあると伺います
拙僧山城の生まれではあり腰に刀を差していますが、羽黒山の千日業を成遂し、武道・破戒にも興味を持っております
戦いの仏神もおりますし、鎮護国家の則には武を知る事も必要
この腕是非試させてもらいましょう」
女三の刀の腕前は言うだけありなかなかのもので
満延は幾度か切りつけられ、深手浅手を五傷ほど負った
満延「遊びが過ぎたか」
満延は金棒を投げ捨て太刀を抜き直した
-そこに天童城から一色右近といった者が「満延殿潮時です!そろそろ城にお戻りください!」と100騎ばかりの兵で駆け付け、満延を囲む様に引き退こうとした
最上兵「天童兵が出て来た!女三坊を討たせるな!」
女三も満延相手に善戦はしていたが、小太刀は打ち折れ、顔や身体のあちこちに痣や切り傷を負い、袈裟は血で朱に染まっていた
327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 18:47:05.54 ID:ERjYv+84
最上天童双方が再激突し、志村光安配下の強弓が満延の乗馬を射倒した
満延は少し離れた所で替え馬に乗り、腹帯を締め直している所に
突如満延に切りつける者があった
カツン-刀は満延の兜の先をかすめただけだった
満延「おまえは俺が怖くはないのか?」
腹帯をそのまま締め直しながら満延は相手の方を見た
満延「とりあえず、おまえは何者だ?名前ぐらいあるだろう?」
本間七郎「本間左馬介の子、本間七郎。今年で17才だ!」
満延は「かんらかんら」と笑い
「健気な若者じゃなwwwwおまえの様なヒヨッ子をここで討つのはたやすいが、俺を畏れもしないで打ち掛かってきた心意気が気に入った。成長が楽しみだから助けておこう」といって七郎を尻目に城に帰って行った
七郎も味方の勢の方に戻って来るとしっちゃかめっちゃかに質問攻めにされた
「よく殺されなかったな」
「おまえの様なガキにあの鬼神が討てると思ったのか?」
七郎はしれっと答えた
七郎「満延は比類無い豪傑だと言うのはわかってる。自分の腕前じゃとうてい敵わない事も理解はしてる
しかし戦場で敵を直前にしているのに腹帯を締め直すなんてこちらを舐め過ぎてはいないか?
一太刀目で腕に怪我を負わせていれば、きっと勝ち目はあったはずだ!
腹帯を締め直していたせいで腕まで距離があり刃が届かなかった!
満延を討ち取れなくてくやしい!」
これを聞いた周りの兵は「若者にしては豪胆だな」と七郎の勇気を褒めた
「羽源記」
3勝(圧勝2、優勢1)棄権1?
328 名前:人間七七四年[] 投稿日:2015/07/07(火) 19:24:35.54 ID:nkXvVfWk
大作だな
329 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 19:31:02.71 ID:ERjYv+84
高松光親
___
/´∀`;:::\
/ /::::::::::| |
| ./| /:::::|::::::|
| ||/::::::::|::::::|
330 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/07(火) 22:21:16.52 ID:Kgo9ySgB
延沢満延といい三浦義意といい、
東国では頭は体にめり込むものなのか。
331 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/07/08(水) 08:34:52.27 ID:0RoVaAwS
亀なら可能
スポンサーサイト